AI開発は技術スキルがなくとも可能か–多様な基礎知識が重要となる理由
今回は「AI開発は技術スキルがなくとも可能か–多様な基礎知識が重要となる理由」についてご紹介します。
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米国の複数の有名大学が人工知能(AI)関連の職能開発コースを開講しており、プログラミング経験や開発経験はほぼ不要だとうたっている。例えば、ペンシルバニア大学の24週間にわたる集中講座は「プログラミング経験は一切不要」だとしており、マサチューセッツ工科大学(MIT)の12週間にわたる講座もノーコードソフトウェアによるAIソリューションの構築方法を学べるとしている。
こうした講座が開講されているのを見聞きすると、ソフトウェア開発経験が全くない、あるいはほとんどなくともAIの達人になれると考える人が出てきても当然かもしれない。しかし実際はどうだろうか?業界のリーダーらに話を聞くと、想定通りに機能するAIシステムを構築するには技術面での豊富なスキルが依然として必要となっている上、それだけではまだ足りないという点が示唆されている。
Akamai Technologiesの最高技術責任者(CTO)Robert Blumofe氏は、「AIがコーディングやデータ分析を実行できるという理由で、そうしたものに関する基本的なスキルを学ぶ必要はないという考えにならないよう警告を発しておきたい」と述べた上で、「こうした考え方は、AIでも実行できるという理由で、基礎となる全てのスキルをないがしろにしてしまう危険な考えに陥るというだけでなく、AIによって生成されたコンテンツの品質を保証できなくなるという恐れもある」と述べた。
AIは世の中にしっかり根を下ろしているが、Blumofe氏は「AI、そして特に大規模言語モデル(LLM)には、避けられない限界がある」と述べ、「LLMは依然として、安全に使用する上で、人間による監督や理解、介入を必要としている点が大きい」と続けた。
Mastercardのテクノロジー/人材/能力担当エグゼクティブバイスプレジデントであるCharman Hayes氏は、「プログラミングやデータサイエンス、データ管理、データ保護といった、技術上のコアスキルは必須要素であり続ける」と述べ、「それと同時に、技術者はAIに関する法律面や規制面での状況の変化を理解しておく責任もあるため、自らの技術スキルを責任あるかたちで確実に運用できるようにしておくことが重要になってくる」と続けた。