26秒でロボットを設計するAIに見る、未来の可能性
今回は「26秒でロボットを設計するAIに見る、未来の可能性」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ノースウェスタン大学マコーミック工学院のSam Kriegman教授は、ちょっとした地元の有名人だ。
よくテレビ番組に出演して、自分の新しい発明であるインスタントロボットの説明をしている。
あるテレビ番組に出演したときには、ロボットを手のひらに載せて紹介していた。そのロボットは、灰色がかった紫をしているいくつかの穴が開いたゴム状の物体で、ぱっと見にはサイの祖先のような形に見える。
Kriegman氏がそのロボットに細いチューブを取り付け、そこに繋がった手押しの空気ポンプを押し始めると、そのゴムロボットの足が動き出し、後ろ向きに動き始める(動画はこのページで見られる)。
このロボットは、一見すると、科学博覧会のお土産として5歳の子どもに持ち帰った、自作の安っぽいおもちゃのようにも見える。
しかしこれは、将来、探査活動や救助活動、医療などの、人間生活のさまざまな面に影響を及ぼす可能性がある、ロボット設計における革命かもしれない。
Kriegman氏は動画の最後で、「このロボットを見た人は、役に立たないおもちゃだと思うかもしれない。しかし私には、まったく新しい生物の誕生に見える」と述べている。
未来のある時点で、瓦礫の下敷きになった人々を救助したり、手を出しにくい体の部位に生死を左右するような薬を届けたり、重度に汚染された空間で原子炉を停止させたりする必要が出てきたときのことを想像してほしい。
多くの場合、これらのシナリオでは、解決策となるロボットの構想から製作、導入前のテストまでのプロセスを極めて短時間で行う必要がある。
しかしこれまでは、こうしたことを低コストで行うことはできず、簡単でもなかった。また、解決策を考案するまでの試行錯誤のプロセスだけでも、数年とまでは言わないとしても、数カ月はかかっていた。
自然界にヒントを得て生まれた、進化的なアルゴリズムによってロボットを設計する手法もあるが、それには膨大なデータセットを作り出す必要があり、解決策にたどり着くにはスーパーコンピューターでも何日もかかるのが現状だった。
これまでにロボットを設計するプロジェクトに費やされてきた天文学的な費用や時間については言わずもがなだ。