日立、東京都の災害対応を支援する「高所カメラ被害情報収集システム」本格稼働

今回は「日立、東京都の災害対応を支援する「高所カメラ被害情報収集システム」本格稼働」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日立製作所(日立)は東京都向けに、災害発生直後の「情報空白時間」における情報収集を目的とした「高所カメラ被害情報収集システム」を開発し、3月1日から本格稼働を開始した。

 これにより東京都は、被害情報の収集の自動化が可能となった。そして、刻々と変化する被害状況を迅速かつ継続的に把握できる。同システムから得られた情報を基に発災時の限られた人的リソースをより有効に配置し、都民への情報発信や警察・消防・自衛隊など関係機関への情報提供といった状況に応じた機動的な対応を行う。

 同システムは、都庁などに設置されている4台の高所カメラ(今後2台を追加し、全6台で運用予定)がそれぞれの高所カメラの視認範囲を自動で撮影する。その上で日立独自の高精度なAIにより撮影した画像をリアルタイムに解析し、火災・煙・建物の倒壊を自動検知する。そして発災地点を特定し、一覧や地図上で分かりやすく表示する。一覧では、発災地点が木造家屋の密集地帯である木密地域(建物の倒壊や同時多発的な火災により大規模な市街地火災が発生する恐れのある場所)であるかなども表示されるため、職員が対応の優先度を検討する際にも役立つ。

 本格稼働に先立ち実施した実証では、従来の人手による発災直後の情報収集や状況把握に要した時間を大幅に短縮できるといった効果を確認したという。

 東京都は、災害時における救出や救助活動などの戦略決定に資する情報を収集するため、発災後の職員の初動や伝達体制などを定めている。その中で発災初動期の被害情報の収集など、迅速な初動対応の実施を図ってきた。しかし、従来、発災直後は限られた人員が手動で高所カメラを操作しながら被害を確認して発災地点を特定していたため、都内全域の詳細な情報を漏れなく継続的に収集・把握し、対応に結び付けることに時間と労力を要していた。

 今後東京都は、同システムと連携するカメラの台数を追加し、AIの追加学習などアップデートを進める。また日立は同システムを活用した独自AIや、デジタルイノベーションを加速する日立の「Lumada」で展開される各種ソリューションや技術を用いて、自治体や警察・消防機関での災害対応のDX推進を支援する。

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