富士通とAWS、レガシーシステムの最新化支援で新施策を展開
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富士通とAmazon Web Services(AWS)は3月18日、レガシーシステムの近代化、最新化(モダナイゼーション)を目的とする戦略的協業を締結し、新たな施策「Modernization Acceleration Joint Initiative」を4月1日に開始すると発表した。
この施策は、顧客が保有するメインフレームやUNIXサーバーで稼働する基幹システムのクラウド移行を目的としたサービスになる。まず富士通製のメインフレーム「GS21シリーズ」約700台を対象に移行を支援し、その後に富士通製のUNIXサーバーで9万4000台や他社製メインフレームも対象に含め、2029年度までの5年間で国内30社と海外10社、計40社のシステムのモダナイゼーションを支援する。
記者会見した富士通 執行役員SEVP 兼 グローバルテクノロジービジネスグループ長の島津めぐみ氏は、「モダナイゼーションは、データドリブン経営の実現に向けて必要不可欠。単なるITシステムの更新ではない。守りではなく、変革に向けた攻めのモダナイゼーションパートナーとして取り組んでいく」と意気込みを語った。
富士通とAWSの関係は、2012年の富士通の「AWSパートナーネットワーク」加盟に始まる。富士通は、2023年に「AWSプレミアティアサービスパートナー」認定を取得し、今回のグローバルパートナーシップ拡大に至った。さらに、以前からAWSサポートサービスとなる「FUJITSU Hybrid IT Service for AWS」などを提供しており、両社は良好な関係を続けている。
他方で、富士通は、2029年にUNIXサーバー、2030年にメインフレームの販売終了を予定し、顧客企業におけるシステムの近代化が課題となっていた。富士通の島津氏は、自社の強みとして「1つ目は40年以上にわたる多様な基幹システムを構築してきた経験と実績。2つ目はモダナイゼーションのナレッジを集約し、2020年9月に開設したモダナイゼーションナレッジセンター、3つ目はモダナイゼーションの先にある社会課題。『Fujitsu Uvance』を通じた専門人材の育成に取り組む」と説明した。
Modernization Acceleration Joint Initiativeでは、富士通の知見を生かしながら、顧客企業のシステムの近代化を支援する。メインフレームを最適化する「AWS Mainframe Modernization」や、COBOLおよびPL/IをJavaに変換する「AWS Blu Age」を併用することで、古いシステムをそのままAWS上で稼働させるようにする。AWS Blu Ageによるアプリケーション近代化の手法は、富士通社内でも実践済みで、既に高島屋のメインフレームの近代化に成功したという。
AWS グローバルサービス担当VPのUwem Ukpong氏も「富士通は、日本におけるナンバーワンのパートナー。優秀な人材を取りそろえている」と、今回の協業についてコメント。さらに、「顧客企業が抱える課題を理解するためにAIを活用する予定だ。モダナイゼーション時のテストや運用にもAIを使用し、顧客企業のコストを最適化する」と、システムモダナイゼ―ションにまつわる多数の場面にAIを利用する旨を表明した。
Ukpong氏は、オンプレミスで稼働するデータベースについても「『Oracle Database』も一部をAWS Blu Ageで『Amazon Aurora』に変換し、AWSクラウドへ移行できる」と支援体制の豊かさをアピールしている。