Linux Foundationと大手IT企業、企業向け生成AIツール開発で提携
今回は「Linux Foundationと大手IT企業、企業向け生成AIツール開発で提携」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Linux Foundationと多数の大手テクノロジー企業が、エンタープライズユーザー向けの生成AIプラットフォームの構築で協力する。
世界中の企業向けにオープンソースのAIソリューションを開発するLinux Foundationの構想、「Open Platform for Enterprise AI(OPEA)」で、Intel、Red Hat、VMware、Anyscale、Cloudera、KX、MariaDB Foundation、Qdrant、SAS、その他数社が提携する。声明では、実際に何を開発するのかまでは語られていないが、「オープンで、マルチプロバイダーで、信頼性が高く、コンポーサブルな生成AIシステムの開発」が約束されている。
企業の世界はAIとその可能性の話で持ちきりだ。独自のAIソリューションを構築している企業もあれば、サードパーティーのプロバイダーに頼っているところもある。必要なAIサービスが自社に特有なものである場合もあるが、成果の予測、スプレッドシートの式のオートコンプリート、労働時間の最適化などができるAIサービスについては、多くの場合、業界の枠を越えて利用できる。
OPEAが対処するのは後者のユースケースだ。オープンソースのAI製品の構築を目指しているため、互換性や部門横断的な運用に関しても問題を抱えることなく、さまざまな製品の枠を跳び越えられるかもしれない。
参加企業は、採用が増えている検索拡張生成(RAG)にも対処したいと考えている。RAGとは、AIモデルの機能の1つで、外部データを利用することでユーザークエリの理解を補完し、結果を改善するものだ。
例えば、医者が医療行為を改善するためにAIモデルを使う場合、外部ソースから取得した医療記録がそのAIモデルを(そしてその結果を)さらによいものにできるかもしれない。ただ、課題として、RAGのパイプラインが標準化されておらず、新しいAIプラットフォームを導入したい企業にはこれが問題になっている。
声明では、「OPEAはこの問題に対処するべく、フレームワークやアーキテクチャーのブループリントのほか、パフォーマンス、相互運用性、信頼性、エンタープライズレベルへの対応などを示すリファレンスソリューションなど、コンポーネントの標準化で業界と協力する」としている。
OPEAを通じてどのようなプラットフォームでも利用できるAIツールの構築を目指すとしても、参加企業各社は、自社製品から売り上げを生み出すことによる既得権益を持つ競合企業であることに変わりはない。最終的には企業がオープンソースのAIツールの恩恵を得られるようになるかもしれないが、OPEAの目標を達成したければ、参加企業はまだ仲良くしていく必要がある。