Fastly、事業戦略を発表–国内パートナー拡大などに注力

今回は「Fastly、事業戦略を発表–国内パートナー拡大などに注力」についてご紹介します。

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 コンテンツ配信サービス(CDN)などを手掛けるFastlyは4月19日、2024年度の日本での事業戦略説明会をオンラインで開催した。カントリー・マネージャーの今野芳弘氏は、リアルタイムCDNやセキュリティなどのサービスの推進と国内パートナーの拡大に注力する方針を表明した。

 同社は、2011年に米国サンフランシスコで創業し、CDNとセキュリティ、コンピューティング、オブザーバビリティの4つのサービスを提供する。2023年9月に日本のカントリー・マネージャーに就任した今野氏は、以前にTwilio Japanやアマゾン ウェブ サービス(AWS) ジャパンで要職を歴任し、両社の日本事業立ち上げなどを経験している。説明会では、「(AWSジャパンの立ち上げから)クラウドに携わってきたが、Fastlyのミッションにある『高速かつ安全で魅力的な体験』の部分がとても大事だと考えており、ここに注力しているFastlyへの参加を決意した」と述べた。

 同社の顧客は、メディアやエンターテインメント、金融、ECなど多岐に渡るとする。今野氏は、2023年12月末時点で総容量313Tbpsというバックボーンや、協業に比べて少数というPoint of Presence(PoP)で性能の高いサービスを提供できる点が特徴だと紹介し、ウェブサイトの改ざんや分散型サービス妨害(DDoS)攻撃などの脅威に対しても、強固な防御とユーザーに使いやすいセキュリティ機能が支持されていると強調した。

 説明会には、Fastlyのユーザーとして、ぐるなびで最高技術責任者(CTO)を務める岩本俊明氏も登壇。Fastlyの採用理由を2つ説明した。

 理由の1つは、FastlyならではのCDNだという。ぐるなびの月間ユニークユーザーは2023年12月時点で約3200万人、有料加盟店舗は4万2580店に上り、全国でユーザーが店舗情報を検索するため、大量のアクセスとトラフィックが発生している。岩本氏は、ユーザー体験の向上と最新情報を提供するためにサービスや機能の拡張を図りながらも、処理が複雑になればウェブサイトの反応やパフォーマンスが低下してしまうジレンマを抱えていたと話す。

 岩本氏は、この課題の解決のためFastlyのCDNに注目した。「われわれのウェブサイトには膨大な店舗情報があり、アクセスする利用者が全国に分散している。通常のCDNでは、リクエストによるキャッシュの分散が起こりがちでキャッシュヒット率が低下する課題があった。そこで配信拠点が集中型のFastlyを採用し、90%以上のキャッシュヒット率を実現できている」と説明する。

 また、ぐるなびでは店舗情報の更新頻度が高く、利用者にできるだけ最新情報を提供するため、ウェブページの大半が動的に生成されているとのこと。このため配信拠点のキャッシュデータもできる限り早く更新できる必要があり、Fastlyの採用でキャッシュのパージ処理を数百ミリ秒から数秒以内に実行できるようになった。これらにより、ウェブサイトのパフォーマンスは最大20倍に向上しているという。

 もう1つの理由は、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)機能になる。WAFを運用するには、高度な専門知識や正規表現などを用いたルールの設定などが必要で、運用できる人材が限られる課題があった。岩本氏によれば、FastlyのWAF機能の利用に際して、まずロギングモードで検証、確認してからフルブロッキングモードの運用に移行した。脅威を遮断しつつネットワーク担当者の負荷を軽減できたという。

 Fastlyの2024年度の事業戦略について今野氏は、CDNからエッジクラウドプラットフォームの提供者になることを目指すと表明した。エッジクラウドとしてのユーザー拡大に向けて導入事例の紹介や説明などを図るほか、現在40人強という日本法人の人員をさらに増やす。また、国内パートナーを拡大させる。

 現在のパートナーは、国内リセーラーとしてIDCフロンティアやインフラレッド、グローバルの戦略的提携でA10 Networks、クラウドのマーケットプレースでAWSやGoogle Cloudと関係を構築している。直近でマネージドサービスプロバイダーとのプログラムを新設し、ウェブサービスやセキュリティサービスなどのプロバイダーおよびシステムインテグレーターとのパートナー構築を図る。リセーラーの拡大も目指すとした。

 今野氏は、サービスや機能の拡充とパフォーマンスの向上も図っていくと述べ、セキュリティ新機能の「Fastly Bot Management」も発表した。同機能は、Fastlyの配信拠点においてユーザーのサイトにアクセスするボットを検知し、不正なボットのアクセスを遮断する。これによりコンテンツなどの改ざんや機密情報の窃取といったセキュリティリスクからユーザーを保護するとしている。

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