HashiCorp、「HCP」日本リージョンの一般提供を発表–対象サービスは「Vault」「Consul」

今回は「HashiCorp、「HCP」日本リージョンの一般提供を発表–対象サービスは「Vault」「Consul」」についてご紹介します。

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 マルチクラウドインフラ自動化ソフトウェアを提供するHashiCorpの日本法人HashiCorp Japanは8月3日、マネージドプラットフォーム「HashiCorp Cloud Platform(HCP)」日本リージョンの一般提供を開始すると発表した。

 開始時期は、10月末〜11月上旬を予定している。対象サービスとしては、クラウドセキュリティを自動化する「HCP Vault」、クラウドサービスのネットワーキングとサービスメッシュに関するトータルソリューション「HCP Consul」が今回挙がっている。「Amazon Web Services(AWS)」の東京(ap-northeast-1)と大阪(ap-northeast-3)リージョンで利用が可能。

 HCP Vaultは、あらゆる環境のワークロードや機密データ保護に関するサポートを行う。“シークレット”やその他の機密データの保護を目的とし、トークン、パスワード、認証、暗号鍵の安全確保・保管、それらへのアクセス管理を実行する。

 HCP Vaultにより、迅速で柔軟なデプロイメント、完全管理されたアップグレード、バックアップ、モニタリングが実現されることで、ユーザーは、導入と統合に集中することができる。また、あらゆる環境やワークロードに適合するクラスターを提供し、開発者、開発チーム、そしてさまざまな規模の企業に合った柔軟なパッケージを用意する。

 HCP Consulは、本番環境対応のフルマネージドのサービスメッシュおよびサービスネットワーキングのトータルソリューション。実行時のプラットフォームに関わらずあらゆるサービスの検出と安全な接続を可能にするよう設計されている。

 自己管理型ソリューションと異なり、サービスディスカバリーソリューションの実装やセキュアバイデフォルトでのサービスメッシュの実行をより簡単に行うことを目的としている。セルフサービスでオンデマンド利用を希望する個人または大企業向けの共有サービスとして利用することが可能。

 HCP Consulは、プラットフォームに依存しないセキュアなサービスネットワーキングおよび簡易化されたサービスディスカバリーを「Amazon Elastic Kubernetes Service(EKS)」「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」などの環境や、Consulマルチプラットフォームサービスメッシュを使用するAWSのその他のアプリケーション環境で提供する。

 HashiCorp Japanでカントリーマネージャーを務める花尾和成氏は、パフォーマンスを意識したり、データが日本にあることを求めたりする日本の顧客の需要を受け、なるべく早くHCPを日本に持ってきたかったと説明した。

 HashiCorp Japanは、2022年度第1四半期と2023年度第2四半期を比較した場合、国内導入顧客数が130%以上成長。新興系の顧客から、デジタル変革(DX)や内製化に取り組む従来業界の大手企業でも導入が進んでいるという。導入企業としては、ヤフー、マネーフォワード、アイシンなどがあるとSE Directorを務める小原光弥氏は述べる。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)やNECといった大手国内システムインテグレーション(SI)パートナーとリセラー契約を締結することで協業を開始しており、エンタープライズ市場での拡販活動を強化している。日本オフィスも拡大しており、12人から20人へと増員している。

 アイシンのCSSカンパニー コネクティッドソリューション部の福元将高氏は、自身が関わるプラットフォームについて、AWSのリソース2000以上をプロビジョニング・管理する必要があり、環境も開発・ステージ・本番と複数あると説明。そのため、HashiCorpのマルチクラウドコンプライアンス&マネジメント製品「Terraform」を導入したと述べ、柔軟性の高さが非常に有効だと続けた。クラウドセンターオブエクセレンス(CCoE)的な立場でクラウドの推進もしている同氏は、「Terraformを社内にもっと広げていきたい」とした。

 花尾氏は、国内における今後の注力活動として「企業のクラウド運用モデル、DevSecOps推進を支援」「パートナー企業と連携強化」「コミュニティーの拡大」を挙げる。

 企業のクラウド運用モデル、DevSecOps推進を支援では、クラウド導入フレームワーク、CCoEにおけるポリシーガイドライン策定と運用コストの効率化を支援する。また、マルチクラウド環境におけるゼロトラスト運用、DevSecOpsの推進支援にも注力するという。

 パートナー企業と連携強化では、導入アセスメントをはじめとしたソリューション開発、クラウドソリューションプロバイダー(CSP)・リセラー各社との共同プロモーション、テクノロジーパートナーとの連携シナリオを考えていくことを進める。コミュニティーの拡大では、HashiCorpユーザーグループや各製品コミュニティーの拡大、開発者向けフラッグシップイベント「HashiTalks: Japan」の開催などがある。

 これら3本の柱に加えた注力ポイントとして、HCPの国内展開を本格化するという今回の発表があると花尾氏。「従来のセルフマネージド型に加えて顧客に選択肢を提供する。また、マネージドサービスにより、顧客をインフラ運用負荷から解放するという狙いがある。顧客は、本来集中したいと考えているビジネスクリティカルな領域に集中できるようになる」(同氏)

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