クリックテックが提案する、SAPデータの活用術
今回は「クリックテックが提案する、SAPデータの活用術」についてご紹介します。
関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
クリックテック・ジャパンは6月19日、企業資源計画(ERP)のSAPを用いた基幹業務システムデータの実現と、ビジネス改革の知見を披露する記者説明会を開催した。
米Qlik Technologiesのソリューションは2024年2月1日時点で世界5万社以上の企業が利用しているという。SAPを導入する企業が抱える課題に対してクリックテック・ジャパン データ戦略コンサルタントの木口亨氏は「SAP利用企業の多くが、(データレプリケーションとデータ取り込みを行う)『Qlik Replicate』を採用している状況。クリックテック・ジャパンはSAPのデータに正面から取り組みながら、データを活用するためのソリューションを展開していく」と自社の方針をつまびらかにした。
Qlik TechnologiesおよびAmazon Web Services(AWS)がSAP利用者に向けた意識調査を行ったところ、SAPデータのクラウド複製が組織に良い改善を与えたと回答した企業は約9割。残る約1割は軽微な悪化などを感じているという。シニアリーダーの意思決定に活用している企業は47.2%、やや同意と消極的賛成は40%だった。
SAPデータ分析で組織の俊敏性が向上したかの問いには、強く同意が44%、やや同意が43.4%だった。SAPデータの活用によるコスト削減は12万5000~30万ドルが最多の27%。以下、6万~12万5000ドル(21.3%)、30万~60万ドル(17.7%)が続く。また、収益向上も最多は30万~60万ドルの26.7%、60万~120万ドルが24.8%と有益性を示している。
木口氏は「SAP ERPデータの統合にかかる課題を尋ねたところ、ネガティブな意見は少なかった。データ活用を行うための阻害要因を克服するのが重要かつ必須」であると現状を解説した。
SAP ERPを含めた各データのビジネスインテリジェンス(BI)にも多くの課題が隠されているという。クリックテック・ジャパンによれば、SAP利用企業は「SAP S/4HANA Embedded Analytics」「SAP BW/4HANA」「SAP BusinessObjects」「SAP Analytics Cloud」を場面に応じて使い分けているが、同氏は「SAP自身もSAP HANA Cloud、SAP Data Warehouse Cloudとクラウド化しつつある。現場の皆さんがクラウドに散らばるデータを確認し、SAP推奨のBIフロントツールで見るのはなかなか大変。最終的には『Microsoft Excel』に(データを)ダウンロードして分析するのが実情」だという。
異なるプラットフォームでデータを扱うと、データガバナンスに限らず正確な分析結果、データの追跡可能性が担保されなくなる。SAPユーザーコミュニティーでも、Microsoft Excelからの脱却を一つの課題と捉える企業は多いそうだ。
他方でデータ統合の側面においても課題は少なくない。同じく「SAP Data Intelligence Cloud」「SAP Data Services」「SAP Datasphere」「SAP S/4HANA Cloud(のデータ統合機能)」とSAPソリューションは存在するものの、木口氏は「SAPのデータを扱うエキスパートが適材適所でツールを使い回す必要がある。ここに属人化が生まれ、ビジネス速度を加速できない。また、データ統合までに多様なルートが存在するのも、ガバナンスの観点から好ましくない」と指摘した。
複数のデータソースから収集・分析し、データを理解しやすい形で提示するためのデータパイプラインも「クラウドのデータソースのみならず、オンプレのデータソースもクラウドに持って行くだけで非常に苦労する時代は、ローコードながらもハードコーディングせねばならず、優れた技術者とスケールにも苦労していた」(木口氏)という。
各所に散らばるデータはバッチ連携や直接参照などシステム負荷の増大、業務対応能力の低下を招きかねない。これらの課題に自社ソリューションが役立つとクリックテック・ジャパンは主張した。「われわれは『SAPアクセラレーターパッケージ』を用意している。SAPの財務分析結果や在庫管理データ、Order to Cash全てを取り込むことで、一切のコーディングを必要とせずに、SAPデータを瞬時に可視化できる」という。
具体的には、Qlik Replicateのタスクや、データウェアハウスとデータレイクの作成・運用を自動化および最適化する「Qlik Compose」を活用する。データパイプラインに課題を抱えていたNECパーソナルコンピュータは、バッチによる日時更新や「SAP ABAP(Advanced Business Application Programming)」による開発など多くの課題を抱えていたが、Qlik ReplicateとQlik Composeで生産性・保守性の向上や、BIツールの「Qlik Sense SaaS」で幅広いデータ活用を実現したという。