日立と産総研が共同開発した墨塗署名技術、ISO/IECに採用

今回は「日立と産総研が共同開発した墨塗署名技術、ISO/IECに採用」についてご紹介します。

関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日立製作所(日立)と産業技術総合研究所(産総研)が共同開発した墨塗署名技術が、国際標準規格ISO/IECに採用された。産総研が発表した。この技術は、文書の一部を非公開にする「墨塗り」をデジタル化し、改ざん検出を可能にする。

 従来の電子署名技術では、墨塗り部分が改ざんと見なされてしまうため、墨塗り後の文書の真正性を保証することが難しかった。しかし、墨塗署名技術では、文書作成時に墨塗り可能なデータブロックを設定し、開示前に開示/非開示を設定できる。さらに、文書生成時に付与された署名により、部分的に非開示となった文書でも正当な編集のみが行われたことを確認できる。

 今回採用された2つの方式(MHI06、 MIMSYTI05)は、どちらも複数回の文書編集が可能で、開示範囲を複数の階層に分けて制御できる。MHI06は、指定範囲での署名付き文書やデータの統合、墨塗り箇所の秘匿が可能で、データ提供先に応じた開示範囲の動的変更に適している。

 一方、MIMSYTI05は、RSA署名やECDSA(Elliptic Curve Digital Signature Algorithm)だけでなく、量子計算機でも解読できない署名方式とも組み合わせることが可能だ。さらに、墨塗りが行われたかどうかを検出できるので、墨塗りの有無によって文書を振り分けるといった用途に適している。

 これらの技術により、公的文書の部分開示が効率化されるだけでなく、医療や金融などの分野で、データ活用におけるプライバシー保護と真正性保証を両立できるようになる。

 墨塗署名は、当初は公的文書保護を目的としていたが、今後は匿名化技術との組み合わせなど、幅広い応用が期待されている。

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