オープンソースAIの新たな定義–「重み」を中心に据える「Open Weight Definition」

今回は「オープンソースAIの新たな定義–「重み」を中心に据える「Open Weight Definition」」についてご紹介します。

関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 オープンソースと人工知能(AI)の開発者やリーダーの考えは、オープンソースAIが重要であるという点で一致している。Open Source Initiative(OSI)が「オープンソースAIの定義」(OSAID)の策定に最善を尽くしているにもかかわらず、OSAIDに何を含めて、何を除外すべきかに関しては、まだ大きな見解の相違が存在する。こうした意見の相違から、新たに結成されたOpen Source Alliance(OSA)は、OSAIDに対する独自の解釈である「Open Weight Definition」(OWD)を発表した。

 OWDは、クローズドソースAIとオープンソースAIの整合性のバランスをとる新しい枠組みだ。OSAによると、AIテクノロジーの急速な発展によって生じる複雑さと課題に対処するために設計されたという。AIモデル、特に大規模言語モデル(LLM)において「オープンソース」を構成する要素の明確な基準を設けることを目指している。

 重み(Weight)はAIの基本的な構成要素だ。生データに基づいて、AIプログラムのさまざまなレイヤーのノード間の接続に関連する数値であり、機械学習の訓練プロセス中に決定される。具体的には、OWDには以下のものが含まれる。

 OpenUKの最高経営責任者(CEO)であるAmanda Brock氏は、OWDを支持すると述べた。「OSAは、現在競合している複数の組織のさらなる関与を促し、世界的な協力関係を改善するために運営されている。オープンウェイトを定義するアプローチの共有という第一歩は、AIの分解や、データ、重み、モデルなど、分解されているが重要な構成要素のオープン性の度合いを定義するという取り組みに合致している。確かに、小規模なグループが目的にそぐわない定義を策定するよりも、現実的で実行可能であるように思える」

 最後のコメントは、Brock氏が反対するOSIのOSAIDに言及したものだ。実際に、OSAはオープンソースAIの問題を取り上げて、OSIに代わる存在になろうとしている。OSAの創設者であるSam Johnston氏は、1月のプレスリリースで次のように述べた。「データによって『オープンソースの定義』(OSD)の限界がテストされた。OSDのオープン性については証明されたが、ソースコードコンポーネントを超えた完全性には欠ける」。Johnston氏は、OSDにOWDを追加することで、「Open Source 2.0」を生み出したい考えだ。

 OSAIDが2024年10月に公開されたといっても、「OSIは定義の『取り組みを始めたばかりの段階』にある」とBrock氏は述べた。「これは、『オープンソースAI』を定義しようとするアプローチが間違っていることを示しているように思える。むしろ、このような分解されたアプローチで課題に取り組んで、訓練データなど、基礎となる『テクノロジー』や、オープンであることの意味を検討するべきだ。オープンソースとは、決まりを定義するものではなく、定義すべきでもない。データなどのテクノロジーの『ソース』を誰もがあらゆる目的で使用できるようにするものだ」

 Brock氏は次のように結論づけた。「この現実と正確さを、リスクと責任の評価において理解しなければならない。したがって、OSAによるオープンウェイトの定義の発表は、今のところ歓迎すべきことだ」

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