将来に生きる“失敗する経験”をプログラミングで積む–昭和学院中高、「paizaラーニング」で朝活動
今回は「将来に生きる“失敗する経験”をプログラミングで積む–昭和学院中高、「paizaラーニング」で朝活動」についてご紹介します。
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高等学校では、2022年度に必修科目「情報I」が設置された。2025年度の大学入学共通テストから「情報」が新設され、プログラミングやデータ分析などの知識や技能を身に付けるとともに情報社会の問題解決に向けた思考力のトレーニングも必要になった。
昭和学院中学校・高等学校のサイエンスアカデミー(SA)コースでは、「paizaラーニング 学校フリーパス」を活用し、朝活動や情報の授業内でプログラミング学習に取り組んでいる。同校で同サービスの活用を積極的に行う理科・情報科の教諭でSAコース長の榎本裕介教諭に、プログラミング授業の内容や生徒に身に付けてほしい力を聞いた。
ITエンジニア向けの転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」を運営するpaizaでは、プログラミング学習サイト「paizaラーニング」を全国の小・中・高・大学・専門学校向けに無料で提供する「paizaラーニング 学校フリーパス」を展開している。
paizaラーニングは、ブラウザー上でプログラミングの学習動画の視聴と記述したプログラムの実行ができる。また、「プログラミングスキルチェック」を搭載しており、ユーザーはS~Eランクの6段階で今の実力を測ることができる。このスキルチェックによって生徒の理解度を測ることができるとともに、教員は成績表などの評価にも反映することができるとしている。
榎本教諭が担当する情報Iの授業では教科書に沿い、1学期は情報セキュリティや文字コード、論理的思考などを学んだ。paizaラーニングを利用したプログラミングとモデル化の授業は2学期の10月から開始しているが、朝の自習時間を利用したプログラミング学習は1学期から始めている。朝活動では生徒が自主的にpaizaラーニングで「Python」の学習動画を視聴し、演習問題やスキルチェックに取り組んでいるという。
従来、同校では8時から20分間を読書の時間としていたが、SAコースではプログラミング学習の時間としている。一人で学習動画を視聴する生徒もいれば、クラスメイト数人で話し合いながら演習問題に取り組む生徒もおり、クラスによって雰囲気は異なる。意欲的な生徒は8時前に登校し、難易度の高いランクに挑戦することもあるという。
榎本教諭は朝活動について「授業の中で学習動画の視聴や演習問題を解くことは時間的に難しかった。朝の時間であれば20分も使うことができ、なおかつほかの教科や課外活動などに影響がないだろうと考えた」と話す。また、「研究活動で生きるであろう“失敗する経験”を、プログラミングをする中でたくさん積んでほしい」とも説明する。自宅ではなく学校で学びを進めることで、同じレベルで始めた友人にすぐに悩みを共有できたり、分からない問題を話し合えたりすることが大きなメリットだという。
情報の授業では、朝活動で学んだことを生かして演習問題に取り組む。これまで「FizzBuzz問題」や「モンテカルロ法」などを用いた授業を展開した。プログラミングの単元を終えた後はデータベースとデータ分析を実施するという。同校では「iPad」と「Chromebook」を併用しており、Chromebookでコードの記述と実行を行い、iPadでは「ChatGPT」などを活用した調べ物に利用している。
授業の最後には「Googleフォーム」を用いて生徒が「今日の振り返り」を書く時間を設け、その後、榎本教諭が振り返りに対してコメントを返す。「その時間で学んだことを言語化することで自分の考えを整理することができる」ことがメリットだという。また、振り返りは匿名にしてクラス内で共有しているため、間違えて覚えている生徒が居た場合に、クラス内で同様の間違いをしているほかの生徒の理解度向上にもなるとしている。