「従業員が差別化要素」は本当?–AIエージェント時代にビジネスリーダーが注力すべきこと

今回は「「従業員が差別化要素」は本当?–AIエージェント時代にビジネスリーダーが注力すべきこと」についてご紹介します。

関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 AIエージェントを利用する企業は増加しており、Deloitteによると、2025年には生成AI予測を行う企業の25%がAIエージェントを導入し、2027年には50%に達すると予想されるという。

 AIエージェントの台頭に伴い、われわれは新しい考え方を持つ必要がある。エージェントが主導するAIファーストの未来では、ビジネスモデルの再構築が重要となる。ビジネスリーダーは、ハイパーオートメーション、接続、リアルタイムでの情報共有を行う社会において、コック(一介の料理人)ではなくシェフ(熟練の料理人/料理長)のように行動しなければならない。

 レシピを基に料理を作る料理人は類推から学び、レシピを必要としないシェフは第一原理から学ぶといえる。シェフは食材の味を研究し、おいしい料理を作る上で適切な食材を組み合わせることができ、優秀なシェフは食材、料理、キッチン、スタッフ、顧客などの関係性も理解している。

 労働の在り方が絶え間なく変化するのに伴い、企業はAIエージェントに多額の投資を行うだろう。Gartnerによると、AIエージェントは2025年以降における最も重要な戦略的テクノロジーだという。

 AIエージェントシステムは、ユーザーが定義した目標を達成するため、自律的に計画を立てて行動を起こす。この技術は、人間の作業を軽減して強化する仮想の労働力を提供する。AIエージェントが日常的な業務の意思決定を自律的に行う光景は2024年にはほとんど見られなかったが、2028年までには意思決定のうち少なくとも15%を担うとGartnerは予測している。

 では、企業は人間とAIの関係性をどのように管理し、全てのステークホルダーが満足する速度で価値を提供できるのだろうか。マシン主導の経済において、人間とマシンの健全な関係をどのように定義すべきだろうか。待ち受けているイノベーションにより、ビジネスリーダーは従来の前提や常識を疑うことを余儀なくされるだろう。

 ビジネスの世界では、誰も疑問を持たない常識、つまり「そういうもの」という理由で受け入れられている考えが数多く存在する。その一つが「従業員こそが差別化要素」というフレーズである。「Google」で検索すれば、このフレーズの人気ぶりが分かるだろう。

 一部の企業はこの常識を公式/非公式のキャッチフレーズや従業員への賛辞として用いている。これにより企業は、従業員に自身を特別な存在であると感じてもらい、顧客に質の高い人材を擁していると思ってもらうことを図っている。

 他社との差別化要素として、この常識をコーポレートストーリーに組み込む企業もある。聞き心地が良く、思いやりがあり、前向きな印象があるが、問題はこの常識が真実ではないということだ。

 最も明白な理由として、多くの従業員は現在の企業に入社する前、ほかのどこかで働いていたということがある。競合他社での勤務経験を持つ従業員も多い。求人広告では「関連業界での経験必須」といった文言が頻出することから、納得がいくだろう。

 人事担当者は、採用において自社の業界での経験は不可欠な要素であり、欠けている場合は決定的な障害になると考える傾向にある。その結果、多くの人は同じ業界内で転職するので、企業は「当社の従業員は業界に精通しています」とアピールする方が良いだろう。

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