第3回:脱メインフレーム失敗学
今回は「第3回:脱メインフレーム失敗学」についてご紹介します。
関連ワード (技術者視点で見るメインフレームの進化と深化、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
これまでメインフレームのモダナイゼーションの歴史と将来についてご紹介してきましたが、その道のりは決して平らではありませんでした。多くのモダナイゼーションプロジェクトで遭遇する課題や失敗事例から学び、ユーザーやベンダーとして持つべき意識や取るべき体制について考えてみます。
メインフレーム上でのモダナイゼーション、メインフレームと分散系のハイブリッド環境、そして、完全にメインフレームから脱却するパターンのそれぞれについて、どのような事が起きていたかをサーベイをもとにご紹介します。
まずは、Kyndrylが外部の調査会社と実施した世界500社のメインフレームユーザーに対するサーベイを基に、現状を整理してみます。
モダナイゼーションプロジェクトの平均コストは約9100万ドルで、年間平均コスト削減は約1960万ドル、組織の収益性は9%向上しています。しかし、課題も多く、モダナイズされるアプリケーションとデータソースに関する知識や理解が不十分であることが15%、パフォーマンスの問題が13%、スコープクリープやプロジェクトのオーバーランが11%といったことが挙げられます。
ハイブリッド環境でのモダナイゼーションプロジェクトの平均コストは約890万ドルで、年間平均コスト削減は約2020万ドル、組織の収益性は10%向上しています。課題としては、モダナイゼーションを実行するチームの専門知識が不十分であることが18%、ベンダーのソリューションが不十分であることが16%、スコープクリープやプロジェクトのオーバーランが13%といったことが挙げられます。
完全にメインフレームから脱却するプロジェクトの平均コストは約720百万ドルで、年間平均コスト削減は約2280万ドル、組織の収益性は12%向上しています。しかし、スコープクリープやプロジェクトのオーバーランが20%、モダナイゼーションを実行するチームの専門知識が不十分であることが18%、テストの負担が13%といった課題が存在します。