大塚商会、通期業績で初の売上高1兆円超に–「通過点に過ぎない」と大塚社長

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 大塚商会は2月3日、2024年度通期(2024年1~12月)の連結業績を発表した。売上高は前年比13.3%増の1兆1076億円と、初めて1兆円を突破した。また、営業利益は同18.1%増の743億円、経常利益が17.7%増の759億円、当期純利益が12.7%増の534億円となった。

 代表取締役社長の大塚裕司氏は、「売上高、利益とも全項目で2桁増となった。特需があった2019年度に売上高が1266億円の増収だったが、2024年度はそれを上回る1367億円の増加となった。また、SI関連、受託ソフト、サプライ、保守の全ての詳細セグメントで前年実績を上回り、勢いを持って決算を締めることができた。企業のIT投資の底堅さを感じている」と述べ、「売上高1兆円の突破は通過点に過ぎない。大塚商会が成長できる可能性はまだまだある。DXとAIを活用し、『オフィスまるごと』と『ストックビジネス』を生かし、お客さまに寄り添う。ミッションステートメントの具現化により、100年企業を目指す」と語った。

 2024年度のセグメント別連結売上高は、SI事業が16.1%増の7317億円、サービス&サポート事業が8.3%増の3759億円となった。

 また、単体業績は、売上高が13.3%増の9851億円、営業利益が20.2%増の664億円、経常利益が19.3%増の683億円、当期純利益が13.5%増の489億円となった。単体でのSI関連商品の売上高は18.2%増の5528億円、受託ソフトなどが4.0%増の604億円。サプライが5.8%増の1962億円、保守などが11.0%増の1755億円だった。連結子会社では、ネットワールドの売上高が前年比11.5%増の1434億円となった。「ネットワールドはVMwareの販売形態変更のマイナス影響があると見ていたが、その他ソリューションでカバーし、高い伸長を遂げた」(大塚氏)という。

 なお、2024年度第4四半期(2024年10~12月)の連結業績では、売上高が20.3%増の2854億円、営業利益が42.5%増の221億円、経常利益が39.8%増の219億円、当期純利益が17.7%増の168億円になり、11四半期連続の増収、経常利益は11四半期連続の増益、3四半期連続での2桁増益だった。「第4四半期の経常利益は過去最高の増加額になっている」(大塚氏)という。

 顧客企業の業種別売上高では、ほぼ全業種が前年実績を上回ったという。また、2024年末時点での正社員数は9780人で、1人当たりの売上高(連結ベース)が前年比1068万円増加(同10.3%増)の1億1442万円と、過去最高を更新した。

 複写機の販売台数は1.4%減の3万5847台で、そのうちカラー複写機は1.2%減の3万5119台だった。サーバーは13.5%減の1万8637台、PCは22.7%増の142万4555台、タブレットを含むクライアント合計では22.1%増の148万883台となった。

 なお、PCについては「9四半期連続でプラスだが、特に第4四半期は前年同期比52.6%増で、『Windows 10』のEOS(サポート終了)に伴う特需が動き始めたようだ。今後に向けてPCの在庫を確保しており、前年同期末比で337億円増やしている」(大塚氏)という。

 重点戦略事業は、「たのめーる」の売上高が5.8%増の2096億円で、同事業開始以来、初の2000億円を突破した。2023年12月末時点の「たのめーる」の口座数は、1年間で8万6316口座増加し、212万2708口座となった。オリジナル統合業務ソフト製品の「SMILE」が0.5%増の160億円、ナレッジマネジメントシステムの「ODS」が1.2%増の575億円、セキュリティビジネスの「OSM」は17.9%増の1273億円だった。

 また、ウェブサービス(ASP)の利用者数は、前年から43万3000人増加し、443万人となった。「たよれーる Microsoft 365」や「どこでもキャビネット」が貢献しているという。さらに、サプライと保守契約を含むストックビジネスの売上高は8.4%増の3601億円、構成比は36.6%となった。

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