気候変動緩和の可能性–期待される5つのテクノロジー
今回は「気候変動緩和の可能性–期待される5つのテクノロジー」についてご紹介します。
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さまざまな試算において、テクノロジーは二酸化炭素排出量増加の最大の要因の1つとされている。だが、テクノロジーはこの問題の要因であると同時に、気候変動との戦いにおける重要な武器になり得る。技術的な解決策によって、この窮地から脱する手段を革新することはできるのだろうか。鍵となる気候変動緩和技術はどのようなものなのか。ここでは、有望視される5つのテクノロジーを紹介する。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のレポート「Climate Change 2022: Mitigation of Climate Change」は、排出量が引き続き高い水準にあるため、過剰なCO2を除去し、所要期間内に排出量ネットゼロに到達する必要があると指摘している。Center for Climate and Energy Solutions(C2ES)によると、2020年の時点で少なくとも26の商業規模の二酸化炭素回収プロジェクトが世界各地で稼働しており、さらに21のプロジェクトが初期開発段階で、13のプロジェクトが先行開発段階だったという。
再生可能エネルギー源への移行の必要性により、数多くの未来のイノベーションが加速するだろう。データサイエンス/情報企業のStartUs Insightsは2021年11月、スタートアップ企業とスケールアップ企業5152社を分析し、主要な開発の状況を調べた。
この調査では、特に大きな影響をもたらすのが、高度な太陽光発電、AIとビッグデータ、分散型エネルギー貯蔵システム、水力発電であり、次いで風力エネルギー、バイオエネルギー、グリッド統合、グリーン水素、高度なロボット工学、ブロックチェーンであることが明らかになった。
充電式電池により、再生可能電力をさまざまな規模の送電網に貯蔵する効率的な手段が得られるとともに、電気自動車やあらゆる種類のデジタル機器への電力供給が効率化されるだろう。英王立学会によると、新しいリチウムイオン電池は、コストの削減、長寿命化、エネルギー密度の向上、安全性の向上、充電の高速化を実現するほか、より持続可能で、リサイクルしやすく、持続時間が長いという。次世代電池(ナトリウムイオン電池、多価イオン電池、レドックスフロー電池、全固体電池、金属硫黄電池、金属空気電池など)では、コストがさらに下がり、エネルギー密度が大幅に高まるはずだ。