サイバーセキュリティとクラウドコンピューティングの企業へ–アカマイ・日隈社長

今回は「サイバーセキュリティとクラウドコンピューティングの企業へ–アカマイ・日隈社長」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 2025年に向けたIT企業のトップメッセージを紹介する。

アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長 日隈寛和氏

 Akamaiは、1998年の創業以来、インターネットの根幹を支える企業として、世界中のデジタル体験をより快適に、安全にするために進化を続けてきました。創業から27年で、インターネットは個人の生活やビジネスの基盤へと変貌を遂げ、その成長に伴いサイバーセキュリティとクラウドコンピューティングの重要性は高まりました。

 2025年、Akamaiは「サイバーセキュリティとクラウドコンピューティングの企業」としてさらなる飛躍を目指します。Akamaiのビジネスは、コンテンツ配信網(CDN)、サイバーセキュリティ、クラウドコンピューティングの3つの柱で成り立っています。

 2024年には、サイバーセキュリティビジネスがCDNを抜き、売上構成で最も大きなビジネスになりました。また、クラウドコンピューティングビジネスも急速な成長を遂げています。時代の流れに応じ、Akamaiが注力する今後の成長分野としてはサイバーセキュリティとクラウドコンピューティングになります。

 サイバーセキュリティにおいて、Akamaiの注力分野は以下の3つの分野です。

クラウドコンピューティングにおいては、Akamaiの注力分野は以下の3つの分野です。

 これらの中でも、2025年、Akamaiは特にAPIセキュリティ、マイクロセグメンテーションによるゼロトラストセキュリティ、そしてクラウドコンピューティングに注力します。

 APIは、DXの推進やデジタルビジネスの成長に欠かせない要素ですが、APIを悪用した攻撃が増加する中、APIのセキュリティ確保は事業継続において喫緊の課題です。

 「Akamai API Security」はベンダーに依存しないスタンドアロンなソリューションとして開発されており、マルチクラウドやオンプレミスなどの各種さまざまなAPI環境とデータ連携することが可能です。さらに、2024年にリリースした「Akamai Native Connector」を利用することでAkamaiを利用中のお客さまはユーザー側で設定変更なしにシームレスな分析ソースデータの取り込みが可能になりました。

 Akamaiは、APIのライフサイクル全体を保護し、APIエンドポイントの探索、脆弱(ぜいじゃく)性テスト、潜在的な脆弱性とそれを悪用する攻撃の検知、実装などの不備と攻撃への迅速な対処を包括的にカバーします。

 特に、人工知能/機械学習(AI/ML)を活用したランタイム分析エンジンを有しており、BOLA(オブジェクトレベルの認可の不備)などをはじめとしたAPI特有の脆弱性を悪用したデータ漏えい、改ざん、ポリシー違反、脆弱性を探る動きやデータ資産の大量読み出しといった悪性の振る舞いなどのリスクを特定しリアルタイム分析・検知・対処を可能にします。

 ロールベースでアクセス可能な管理画面では、APIに関するリスクを自動的に可視化することで変化する脅威に迅速かつ効果的な洞察を得ることができ、セキュリティチームとアプリケーション開発チームが情報を速やかに共有することで、DevSecOpsのプロセスにおいてシフトレフトで課題に対処する最適化された運用が可能となります。

 2024年末からAPI Securityソリューションに対する、本格的な運用支援サービスも提供開始となり、機能面だけでなく、運用サービスにおいても、お客さまごとの要件に合わせて最適な支援サービスを提供することが可能となりました。

 導入フェーズから運用サービスまで、Akamai API Securityソリューションを活用して、お客さまのビジネスを支えるAPI基盤のセキュリティ強化に貢献します。

 「Akamai Guardicore Platform」は、単一のコンソールと単一のエージェントを備えた統合プラットフォームで、マイクロセグメンテーション、ZTNA、MFA、DNSファイアウォール、脅威ハンティング、そしてAIを組み合わせて、ゼロトラストセキュリティを実現します。

 複数のコンポーネントが連携することで、ゼロトラストセキュリティ実現の取り組みが合理化されます。迅速な展開と容易なスケーリングが可能となる運用性、ビジネス要件に合わせたモジュール式コンポーネントによる柔軟性、単一のユーザーインターフェース(UI)からポリシー管理できるシンプルさを兼ね備えているのも特徴の一つです。

 中でも、ゼロトラストセキュリティを実現するために欠かせないAkamaiのマイクロセグメンテーションの利点は、お客さまネットワークをAIが自動的に可視化することで各ノード内部のプロセスレベルでの通信状況まで把握できることです。

 平時の通信を正規化しておくことで、マルウエアのラテラルムーブメント(横展開)でおきる異常な通信の振る舞いを可視化、制限することで、致命的な脅威の拡大を予防的に阻止します。

 2024年はランサムウェアの脅威の高まりを目の当たりにさせられた1年でした。サイバー攻撃の手口は進化、洗練化しており、組織は予防としてのセキュリティ対策に加えて、攻撃を受けた際のサイバーレジリエンスの強化が求められます。Akamaiは、AIを用いた業界トップクラスのマイクロセグメンテーションで、ランサムウェアや不正侵入で起きるネットワーク内の脅威の移動リスクを排除すると同時にサイバーレジリエンスの強化に貢献します。

 AIやIoTの普及により、ユーザーに近い場所でのリアルタイムの高度な計算処理とレスポンスが求められるユースケースが急増しています。また、多くの業界がリッチコンテンツの安定した配信とコスト低減を求めています。

 Akamaiは、世界で最も分散した超分散型のアーキテクチャーを活用したクラウドコンピューティングで、低遅延でスケーラブルなクラウド環境を提供し、よりユーザーに近い多くの場所で高度な処理を展開することを可能とします。

 使いやすく、マルチクラウド間でのポータビリティーにも優れたオープンソースツールをスケーラブルな「Kubernetes」環境上に迅速に展開する「Akamai App Platform」を新たに提供することで、企業の迅速なイノベーションとアプリケーションのクラウドネイティブ化を支援し、構築するサービスの市場投入までの時間を大幅に短縮します。

 また、定額制で透明性の高い価格設定と適切なエグレス料金で、プロジェクト予算の平準化と可視化が容易になります。

 Akamaiは、コンピューティングリソース、GPU、メモリー、ストレージ、ネットワーク、Kubernetes Engine、マネージドデータベースなど、IaaSとして必要なソリューションを分散コンピューティングのプラットフォームで提供します。

 さらに、こうしたラインアップを、CDN、サーバーレス、サイバーセキュリティサービスと組み合わせて提供できるのはAkamaiの大きな強みの一つと言えます。

 また、先進的で独自の技術を持ち、市場をリードするQCP(テクノロジーパートナー)との連携により、「Akamai Connected Cloud」上で幅広い機能やサービスを提供します。

 例えばログの管理・分析ソリューション、分散データベースソリューション、ビデオ配信ソリューション、独自のAI学習モデルの構築と運用や、ディープラーニングAIによるリコメンデーションエンジンなど、広範なソリューションを提供します。

 なお、AkamaiはCloud Native Computing Foundation(CNCF)のゴールドパートナーとして、オープンソースプロジェクトのインフラサポートに年間100万ドルの資金提供を行っており、プロジェクトの拡張性と信頼性を高め、世界中の企業を支援します。

 Akamaiは信頼されるパートナーとして、2025年も皆さまと共に歩み、持続可能で安全なデジタル社会の構築に貢献してまいります。従来のCDNビジネスにおいては、業界の再編と集約が進んでおり、2024年末には大手CDNベンダーのEdgioの破産救済申請に伴い、AkamaiがEdigoの既存契約を獲得しました。新たにAkamaiの顧客となったお客さまの、ベストインクラスのCDNサービスへのスムーズな移行を支援します。

 2025年も引き続き、サイバーセキュリティとクラウドコンピューティングの企業として、毎日、いつでもどこでも、世界中の人々の人生をより豊かにできるよう、全力を尽くして取り組んでまいります。

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