CCCMKホールディングス、「Snowflake」でデータ基盤を刷新

今回は「CCCMKホールディングス、「Snowflake」でデータ基盤を刷新」についてご紹介します。

関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Snowflakeは1月27日、報道機関向け説明会を開き、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下のCCCMKホールディングスによるデータ基盤の事例を紹介した。

 説明会に登壇したCCCMKホールディングス IT戦略本部本部長の松井太郎氏によると、「TSUTAYA」や「蔦屋書店」などを展開するCCCと傘下のグループ各社では、顧客の信頼を第一に、プライバシー保護を徹底した上で、データの価値を最大限に活用し、より良いサービス体験の創出に取り組んでいる。「Snowflake」の導入によって、同社グループのプライバシー保護への取り組みは一層強化され、データ活用も加速しているという。

 CCCMKホールディングスは、データベースマーケティングを通じて生活者へのライフスタイル提案を行う事業会社。約1.54億人の会員が利用する「Vポイント」のマーケティング・ソリューション事業やアライアンス事業を手掛ける。Vポイントの現在のアクティブユニークユーザー数は8600万人に達し、「国内最大規模のポイントサービス」(松井氏)である。

 CCCグループでは、CCCMKを起点にグループ各社で段階的にSnowflakeを導入し、各社の分析環境を刷新してきた。グループ間や提携会社間のデータシェアリングだけでなく業界横断のデータプラットフォームも提供する。

 松井氏は「データそのものがビジネスの根幹」だといい、同社におけるデータ基盤の課題として、(1)分散したデータベースとパフォーマンスの課題、(2)データ活用高度化によるワークロードの増加、(3)データ活用の民主化の促進――の3点を挙げた。

 (1)では、分散したデータベースとコスト増大により、パフォーマンス低下が深刻化し、負荷分散やクラウド移行だけでは解決不可能な状況にあった。(2)については、加盟企業の増加や分析業務の高度化によってワークロードは年々増加し、月初や繁忙期にはクエリーの遅延や待機が発生するなど業務にも支障が出る状態だった。

 (3)は、非エンジニア/アナリストを含めた全社員にビジネスインテリジェンス(BI)アカウントを提供していたが、負荷対策のためにデータベースからファイルを抽出し、BIに連携する中間作業が発生していた。

 こうした課題を解決するため、CCCMKホールディングスでは新たなデータ基盤のビジョンとして「シングルソース」「マルチワークロード」「デリバリーイージー」を定め、データベースを統合しつつ、リソース競合を解消できるシングルソースアーキテクチャー、ヘビークエリーやBIのライトクエリー、機械学習など多様なワークロード、新規事業やコラボレーションを加速できる柔軟なデータ機能の実現を目指した。

 Snowflake導入による効果としては、データクエリーの速度が従来比で50%以上向上したほか、月初などのクエリー繁忙期もスケーラブルに拡張することで、クエリー遅延がゼロになった。また、BIとの親和性や目的に応じたリソース提供により、迅速な意思決定にも寄与している。

 加えて、必要なリソース消費に応じたコスト管理が可能になり、クエリーパフォーマンスの向上と合わせ、インフラコストは60%に削減された。データを活用した新規サービスを立ち上げた際も即時に分析リソースを提供できるようになった。

 「Oracle Exadata」「Azure Synapse Analytics」「Vertica」に分散したデータベースをSnowflakeに統合することでデータサイロを解消し、データ更新のリードタイムも向上した。システム構成が集約され、エンジニアの保守作業やスキル育成も最適化された。

 プライバシー要件を満たすアクセスコントロール管理は、運用負荷が非常に高かったが、Snowflakeの機能を活用し、プライバシー保護を強化。また、それらの運用業務を効率良く安全に運用できるようになった。

 Snowflake導入による効果は、「コスト効率とパフォーマンス向上だけにとどまらない」と松井氏は強調した。

 2024年6月には「Streamlit In Snowflake」を用いて、アナリスト部門でアプリ開発が始まった。Python初心者も多い中、週次の勉強会を通じてスキルを向上させ、Snowflakeの支援を受けながら、複数の業務アプリをリリースしている。「新しいアーキテクチャーに触れることで、チャレンジ精神が高まり、スキルアップだけでなく、業務の効率化や高度化を生み出している」(松井氏)

 データシェアリングの取り組みでは、グループ内だけでなく、業務提携した三井住友カードとの間でも、安全で革新的なデータ連携を実現している。「Microsoft Azure」と「Amazon Web Services」のクロスクラウド環境でデータを共有し、Snowflakeであればテーブルのシェアのみで開発期間の短縮だけはなく、関わる人員や運用業務も大幅に削減できるという。

 松井氏は今後の展望として、「顧客価値の追求」「グループシナジーの最大化」「新規事業の促進」「コラボレーションの拡大」を挙げている。その上で、データ活用を最大化し、より良いサービスの提供を目指すとし、「CCCグループはSnowflakeを活用し、今まで以上にデータを安全にお預かりし、さらなるデータ活用による新たな価値創造への挑戦を続けていく」と述べた。

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