人材不足で高まるエンドポイントの統合管理と自動化への期待–タニウムのCEO
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エンドポイントの資産およびセキュリティの管理製品を手掛けるTaniumは、近年にAI技術を活用した運用管理の自律化、自動化への取り組みを推進している。2024年11月に米国で開催したグローバルの年次イベントでは、AI機能の拡充やエンドポイントの対応拡大などを発表。最高経営責任者(CEO)のDan Streetman氏に、2024年の実績や2025年のビジネス施策などを聞いた。
同社は、「Converged Endpoint Management:XEM、集約されたエンドポイント管理」を掲げ、中核製品として「Tanium XEM Platform」を展開する。先のイベントでは、AIを活用した新機能として、「Tanium Guide」や「Action Oversight」などを発表した。
Streetman氏は、「われわれの自律型エンドポイント管理は、エンドポイント環境の変化に即して、顧客にリアルタイムに洞察を提供するとともに、問題が発生した際には、その問題に対処し修正までのアクションが迅速にできる。IT運用チームとセキュリティチームが1つの管理プラットフォームで協働可能になり、彼らの業務の負荷やコスト、リスクなどの低減に貢献できる」と述べる。
同社が強みとするのは、大規模なエンドポイント環境の運用管理で、日本を含むグローバルでの導入実績も大企業などが中心となる。長年にわたり蓄積した知見や経験などを基に豊富なベストプラクティスを有し、その成果をAIに反映して、エンドポイント運用管理の多くの自動化を実用レベルで実現しようとしている。「われわれの差別化要因は、テクノロジーと特許、そしてリアルタイムな洞察にある」(Streetman氏)
Streetman氏は、同社のAIが運用管理やセキュリティの担当者に対して推奨する設定や作業などの理由や手順、実施後に期待される効果などの情報も詳しく明示しており、「われわれのAIはブラックボックスにはならない」と説明する。
また、セキュリティ管理の点では、例えば、脆弱(ぜいじゃく)性を修正するパッチの適用において、対象資産の把握や適用方法、実施計画、実行、実行後の状態把握などをAIの支援で迅速に行える。「サイバー攻撃者もAIを駆使して攻撃方法を高度化、複雑化させているため、AIを活用してセキュリティの脅威へ迅速に対応する必要性が高まっている」(Streetman氏)
Streetman氏は、こうした取り組みによって2024会計年度のビジネスが日本市場を含めグローバルで急成長しているとし、新規顧客とのビジネス規模は2倍になったと話す。
2025年の戦略は、AI技術により大幅に進化した製品・サービスの顧客での利用や新規採用の拡大を目指す。日本市場では、特にパートナー体制への投資を強化するという。
「日本は、われわれにとって世界で2番目に規模の大きい市場であり、素晴らしい顧客、パートナー、日本法人のチームがいる。日本の顧客は、ITの運用とセキュリティが連携することの重要性を深く理解しており、何十種類ものポイントソリューションを保有したくないという声をいただく。製品への投資に加え、こうした顧客を支えるパートナーへ投資を行い、パートナーが顧客をよりサポートできるよう貢献したい」(Streetman氏)
先のイベントでは、同社のプラットフォームがサポートするエンドポイントをクラウドの仮想マシンやコンテナー、また、IoT機器などに拡大していくことも発表された。Streetman氏は、このこともIoT機器の利用が多く、クラウドネイティブなシステムの導入も進み始めた日本企業のニーズに応えられるものだろうと話す。
企業では、エンドポイント環境の拡大と複雑化が進み、セキュリティの脅威やリスクも高まる一方で、運用管理のさらなる効率化や人材不足が課題となっている。Streetman氏は、同社が提唱するXEMやAIによる自律化、自動化のアプローチが課題解決に貢献できると強調。同氏は、「“The Power of Certainty”(確実さの力)ということを大事にしている」とし、顧客が健全なエンドポイント環境を確保できるよう、顧客に提示する洞察やAIの推奨事項といったものを含め実績と経験に基づく正確性を最重視しているとも述べる。
昨今は、企業や組織本体だけでなく、その子会社やグループ、取引先などを含めたサプライチェーン全体のセキュリティの強化が求められている。同社の顧客はあくまで大規模な企業や組織が中心だが、Streetman氏は、中堅・中小企業のサポートに向けてはマネージドサービスプロバイダー(MSP)などのパートナーとの連携を強化するという。
また、AI機能の拡充も大手ほどのリソースを持つことが難しい中堅・中小企業の運用を支援できるとした。一般提供の時期は未定ながら、管理者が自然言語で問い合わせを行うことで、エンドポイントの情報収集や必要な操作などが行えるという「Tanium ASK」の提供など、AIによるエンドポイント管理の自律化、自動化をさらに推進していくと説明した。