Anthropic、「責任あるAI」に関する取り組みをウェブサイトから削除
今回は「Anthropic、「責任あるAI」に関する取り組みをウェブサイトから削除」についてご紹介します。
関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Anthropicは、安全な人工知能(AI)を開発するというBiden政権時代の取り組みをウェブサイトから削除したようだ。
これらの文言は、「責任あるAI」の開発に関連する「自主的な取り組み」を列挙したAnthropicの透明性ハブから先週削除された。このことについては、AI監視団体「The Midas Project」が注意を促していた。削除された文言に拘束力はないが、バイアスをはじめとするAIのリスクに関する情報や研究を米政府と共有することを約束していた。
Anthropicは2023年7月、OpenAIやGoogle、Meta Platformsなどの大手テクノロジー企業とともに、Biden政権のAI安全性構想(多くは後にJoe Biden前大統領の大統領令によって成文化された)の一環として、自主規制への自発的な合意に参加した。これらの大手テクノロジー企業は、公開前のモデルのセキュリティテストやAI生成コンテンツへの電子透かし挿入、データプライバシーインフラの開発について、一定の基準を約束した。
Anthropicはその後、同じ優先事項の多くを実行するため、大統領令に従って創設されたAI Safety Institute(AISI)と協力することに同意した。だが、Trump政権はAISIを解体し、この取り組みを宙に浮いた状態にするだろう。
Anthropicは、ウェブサイトから取り組みに関する文言を削除したことを公式には発表せず、「責任あるAI」に関する現行の立場はBiden政権時代の合意とは無関係、または、それ以前からのものだと主張している。
こうした動きは、Trump政権下で見られる、AIをめぐる官民の一連の動向(その多くがAIの安全性と規制の将来に影響を与える)の中で最新のものだ。
Donald Trump米大統領は、就任初日にBiden前大統領の大統領令を撤回し、すでに米政府内のAI専門家数人を解雇して、一部の研究資金を打ち切った。こうした変化は、大手AI企業の一部に態度の変化をもたらしたように思われ、これを機に政府との契約を拡大し、政府と緊密に協力して、まだ明瞭な形が見えないTrump政権下のAI政策を形作ろうとしている企業もある。例えば、Googleなどの企業は、それでなくても曖昧な「責任あるAI」の定義を変えようとしている。
全体として、Trump政権は、ただでさえ少ないBiden政権下で策定されたAI規制の多くを撤廃してしまったか、今後撤廃する予定であり、表面的に見ると、自社システムを監視したりサードパーティからの問い合わせに回答したりする企業の対外的インセンティブはさらに少なくなっている。AIに関するTrump大統領の発言には、バイアスや差別の安全性チェックに対する言及が、これまでのところ見られない。