JCB、メインフレームのデータをほぼリアルタイムに利用するシステム基盤を構築へ
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ジェーシービー(JCB)と日本IBM、TISは6月12日、JCBがメインフレームの基幹システムにあるデータをほぼリアルタイムに活用するためシステム基盤を構築することを発表した。3社が行った実証実験での成果を生かす。
3社は、基幹システムにあるデータをほぼリアルタイムにデータコアサービスへ連携させる実証実験を2023年12月末まで実施したという。この実証では、IBMの「デジタルインテグレーションハブ」アーキテクチャーを採用し、「IBM InfoSphere Data Replication」を用いて「IBM z」のメインフレームで稼働する「IBM Db2」のデータをほぼリアルタイムに抽出し、データコアサービス上に配置した「Apache Kafka」による基盤に連携、保存することなどを検証した。ここではIBMの開発効率化アセット「Application programming interface integration framework(AIF)」も活用している。
これにより「コマンドクエリ責務分離」が図られ、メインフレームで業務処理への影響を最小限に抑制しながら、データ加工のストリーミング処理や接続インターフェースの効率的なAPI化を実現し、基幹システムの開発に比べて開発生産性向上の20~30%の向上や、周辺システムとの簡易な接続が行える効果を確認したという。
実証での成果を踏まえて、3社はメインフレームのデータをバッチで外部システムに連携させる従来型の方法ではなく、効率的な開発を取り入れたイベント駆動型でリアルタイム性の高い連携を可能にする方法を採用したシステムを構築する。既に3月からシステム化の要件定義に着手しており、2024年度内の稼働を目指している。
3社の役割は以下となっている。
JCB:データコアサービスの実装により、最新データを基にした新規サービスの提供や、ローコードツール、アセットのさらなる活用による開発生産性の向上、APIやKafkaを用いた基幹システムへの周辺システムの接続の簡易化を通じて、スピーディーなデジタルソリューションを顧客に提供。
TIS:JCBと実証実験の環境を構築して、データコアサービスの拡張性や実効性を評価するとともに、同環境における開発効率化の効果や接続期間の短縮効果の試算を実施。プロジェクト計画以降も引き続きメインベンダーとして、基幹システム開発実績を生かしたデジタルコアサービス実装を支援。
日本IBM:「次世代勘定系ソリューション戦略」とロードマップに基づき、基幹システムのデータをデータコアサービスに連携するデジタルインテグレーションハブアーキテクチャー案の策定、IBM InfoSphere Data Replication、開発効率化アセットなどの要素技術に対する支援を提供。