ビットキー、SNCの一部法人向けサービスを継承–つなげる暮らしで便利を提供
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スマートロックなどの企画、開発を手掛けるビットキーは3月31日、ソニーネットワークコミュニケーションズ(SNC)が運営するスマートロック事業の法人向けサービスの一部である、オフィス向け入退室管理システムの「カギカン」と不動産事業者向けスマートロック管理システム「Roomon(ルーモン)」の2つの事業を継承すると発表した。
同日には、SNCがビットキーへ出資したことも併せて発表。ビットキーが展開する、コネクトプラットフォーム「homehub」「workhub」などと合わせ、オフィスや住宅の鍵のあり方を変えていく。
今回の事業継承は、1年ほど前から両社で話し合いを重ねて実現したもの。ビットキー 共同創業者 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)の寳槻昌則氏は「SNCが展開する『Qrio Lock』と言えば、スマートロックのパイオニア的存在。その法人事業の引き継ぎ先に選んでいただいたことを、大変光栄に感じている。SNCはスマートロック事業以外にも、高速通信サービス『NURO 光』やスマートホーム関連商品など、幅広い事業を展開しており、今後多くの連携ができるのではないかと感じている」と法人向けビジネスを軸とした新たな展開も見据える。
ビットキーは、2018年に設立したスタートアップ。設立当初から法人向けビジネスに照準を合わせている。「スマートロックと聞くと、スマートホームの一環として便利なツールというイメージかもしれないが、私たちが手掛ける法人向けビジネスは、不動産管理会社が賃貸住宅の内見時に必要になる鍵の受け渡しをデジタルキーで省人化したり、無人店舗の運営に活用したりと、人手不足を補えるシステムとして提供している」(寳槻氏)と、社会課題を解決に導く手立てとしてサービスを展開する。
加えて、日時を限定して使えるワンタイムパスワードにより「デジタルキーが渡せる」のも特徴の一つ。寳槻氏は「住民の外出中に家事代行サービスを頼めたり、ペットシッターをお願いできたりする。宅配会社と組めば、マンションのエントランスにあるオートロックを解錠して部屋の前まで荷物を運んでもらえる。これにより再配達の回数を減らせる。鍵単体の便利さだけではなく、鍵とサービスを連携することで、価値を広げている」と明かす。
寳槻氏は「住宅向けやオフィス向けなどに特化しているプレーヤーが多いスマートロック業界の中、ビットキーは領域を限定せず幅広い場所に提供しているのが強み。加えて会議室の予約システムや混雑状況の可視化など、サービスの幅が広い。今回のSNCの方には、こうしたユーザーの課題解決につなげられる部分を、一部事業の譲渡先として評価していただけたのだと思う」とSNCとの関係を強化できた理由を分析する。
今後狙うのは、法人向けサービスのさらなる強化だ。「私たちがターゲットにしているのは、多数の部屋を管理している賃貸住宅の管理会社や多くの従業員を抱える大企業。規模が大きければ大きいほど課題を解決できる範囲は広がる」とする。
設立から約7年、SNCをはじめ多くの企業と資本、業務提携を図り、法人向けビジネスを軌道に乗せてきたビットキー。同社の戦略は「二刀流とオールスター」だと寳槻氏は話す。
「デジタルとリアルをつなげていきたい。これはハードウェアとソフトウェアの両方に取り組むというもの。この二刀流を突き詰めたい。一方でつなげるのは私たちだけでは作れず、いろいろなサービス会社やメーカーの方と一緒になって初めてできること。サービスとハードウェアの『オールスター』をつなげていきたい」とする。
寳槻氏は「二刀流を実現するのは、開発も含めて2倍大変なのではなく、3~4倍大変なイメージ。ここの苦労を惜しまず、いいものを作ることで、人々が楽にくらせる、つなげる暮らしを構築したい」と全力で取り組む覚悟を示した。