欧州全域への拡大を目指す英国発の花束ギフトサービスBloom & Wildが約106億円を調達

今回は「欧州全域への拡大を目指す英国発の花束ギフトサービスBloom & Wildが約106億円を調達」についてご紹介します。

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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。

Bloom & Wild（ブルーム・アンド・ワイルド）は、花の注文と配達という非常に伝統的なビジネスで新しいオンラインのアプローチを採用するロンドン発のスタートアップだ。2020年好業績を記録した同社が米国時間1月18日、さらなるチャンスに大きく賭けるための大型資金調達ラウンドを発表した。

Bloom & Wildは今回、シリーズDで7500万ポンド（約106億円）を調達した。欧州全域へと拡大を続けるために使う計画だ（現在、英国に加えてアイルランド、フランス、ドイツ、オーストリアで営業している）。また、テクノロジーを活用したビジネスの構築も継続しており、新しい人材を雇用して、さらに多くのアイデアや、スーパーマーケット大手のSainsbury’s（センズベリーズ）と組んだ実店舗の開拓などの新たなパートナーシップを構想している。

Bloom & Wildの共同創業者兼CEOであるAron Gelbard（アロン・ゲルバード）氏はメールでのインタビューで次のように述べている。「これまでの9カ月ほど、多くの人にとってどれほど厳しい状況だったかを考えると、当社は事業を続けてくることができて非常に幸運だったと思っています。友達や家族と会えないでいるときに、お客様が大切な人とつながっていられるようお手伝いができて、本当にうれしく、また光栄です。確かに、当社が営業している各国で全国規模の規制が実施された時期に、売り上げは大きく伸びました。しかしそれだけでなく、規制が比較的緩和された時期になっても堅調な売り上げが続いています。新しいお客様を確保し、初めて当社のサービスを通じて花を受け取った人の多くもお客様に変えてきました」。

今回の資金調達はGeneral Catalyst（ゼネラル・カタリスト）がリードしており、Index Ventures（インデックス・ベンチャーズ）、Novator（ノベーター）、Latitude Ventures（ラチチュード・ベンチャーズ）、D4 Ventures（D4ベンチャーズ、Hanzade Doganが設立）や、Burda Principal Investments（ブルダ・プリンシパル・インベストメンツ）など、以前からの投資会社も参加している。

Bloom & Wildは評価額を公表していないが、Sky News（スカイ・ニュース）で報じられていた噂によると、情報筋の話では評価額は約5億ドル（約518億円）とのことだ。

いずれにしても、このスタートアップの資金調達ラウンドは、非常に好調な成長を受けて実施されたものだ。Bloom & Wildの収益は2020年に160パーセント増加し、その期間に取り扱った花の配達件数は約400万件にのぼった。これは、創業から2019年までに取り扱った配達の累計件数よりも多いという。これが力となって同社は黒字に転じ、2020年には初めて利益を計上した。

PitchBook（ピッチブック）によると、2014年創業のBloom & Wildが今回のラウンド前までに調達した資金は合計3500万ドル（約36億2000万円）程度だった。ピッチブックは、2018年に行われた前回のラウンドの直後、Bloom & Wildの資金調達前の企業価値をちょうど8800万ドル（約91億1000万円）と推定している。そのことを考えると、今回の5億ドル（約518億円）は大躍進である。

とはいえ「こんなときに、どうして花のことなんて考えられるのか。今は世界的なパンデミックの真っ最中じゃないか。何てことだ」と考える人がいるかもしれない。

確かにそのどおりだ。しかし、他の人のためであれ、ただ自分のためであれ、花やそれに類する贈り物には特別なポジションがあるように思う。それは、困難なときにこそ感謝される。

我々が実際に目にしてきたように、人々の関心は予備のトイレットペーパーやフェイスマスク、その他の日用品の購入から、絶対に必要というわけではない多くの嗜好品（手の込んだ食べ物や飲み物から、洗練された家具に至るまで）のオンラインショッピングへとすぐに移っていった。自宅で非常に長い時間を過ごしているからだ。しかし、花はご褒美や贈り物の殿堂で独自の位置を占めていると筆者は思う。

人と人とが互いに直に触れ合う機会をはなはだしく奪い、健康を脅かすパンデミックの最中にあって、人から花をもらうことは新たな、時にはより深い意味を持ち得る。花の色、匂い、サラサラと擦れ合う音といった、物理的な存在感は、我々が恋しく感じている人間どうしのふれあいの代わりになり得るのだ。

ゲルバード氏は次のように語る。「この困難な時期に人々がつながりを保てるよう、自分たちの役割を果たすことができて光栄です。そして、私は成長しているチームを誇りに思います。業務を拡大しつつも、1つ1つの注文に、当社ならではの思いと気遣いをこめて対応しているからです。今回General CatalystとIndexから得た支援により、新たな力を得て2021年のスタートを切った当社は、世界をリードする、また最も愛されるフラワーカンパニーになるというビジョンを今後も追求していきます」。

誰かのために、あるいは自分のために、花を注文したことがあるなら、そうするための選択肢があふれるほど存在していることを実感しているだろう。British Florist Association（ブリティッシュ・フローリスト・アソシエーション）によれば、英国だけでも約7500件のフローリストがあるが、これには、幾千ものオンライン専門の小売業者（Bloom & Wildのような）や、それらの業者をつないでInterflora（インターフローラ）やFTDのような広範な配達網にする多くのサービスは含まれていない。

FTDはこの分野でサービスを整備する役割を果たしてきた。FTDは2018年に、BloomThat（ブルームザット）という米国のフラワーデリバリースタートアップを買収した（ブルームザットは自らを花のUber（ウーバー）になぞらえている）。

花のように実際に触れられる物は対面販売で買うことを好む人もまだいるが、ここ数年で多くの人はオンラインに移行していった。誰かに届けるために花を注文する人は特にそうである。そのため、いくつかの点で、オンライン専門のフラワービジネスを始めて拡大することはずっと容易になっている。

Bloom & Wildは、生花を花束にして販売するアプローチを取っている。また、外箱を、英国の典型的な郵便物の投入口（例えば玄関のドアの投入口など）に入るデザインにすることにより、小さな花束であれば配達が非常に容易になる選択肢を用意している。

また、Bloom & Wildが売る花束は、インスタ映えするデザインで、Instagram（約25万の花の写真が投稿されている）で花束を探す人を対象に考案されており、我々が直面している困難な状況に訴求する説明が添えられている（例えば、上の写真の花束は「The Ezra（エズラ）」と名づけられており、その説明にはこうある。「鮮やかなオレンジ色と柔らかい薄紫色のこの組み合わせを見ると、太陽の下で過ごした休日と、その休日を一緒に楽しんだ人のことを思い出しますね。旅仲間が恋しいですか？この花束を贈って、その人の1日を一瞬で明るくしてあげましょう」）。

オフィス用の花を注文することも可能だ（もっとも、オンラインで注文する他のD2Cプロダクトほど頻繁に注文が入ることはないだろう）。また、サブスクサービスも利用できる。Bloom & Wildは顧客とその好みを認識すると、サービス対象のどの花をどのように贈るかを顧客に知らせる。同社はそのうち、花以外の商品も扱うようになった。今シーズンはクリスマスツリーを販売した。また、花束と一緒に贈れるギフトもいくつか用意しており、徐々に実店舗も展開し始めている。

しかし何よりも、Bloom & Wildに対する関心が急上昇している理由は、サービスの効率やターゲティングだけではなく、「顧客の好みにぴったり合う花を届ける」という的確なプロダクトを提供していることにある。

ゲルバード氏は、Bloom & Wildの「サプライチェーンは生花業界で最もダイレクトで、花は生産者から直接調達しています。そのため、お客様は優れた価値を手にし、花を長い間楽しめます。つぼみの状態で届き、通常は10日かそれ以上花が咲いています」と説明する。
同氏はまた、アプリやウェブサイトですばやく簡単に注文できるようにする「カスタムメイドのテクノロジーとデータサイエンスプラットフォーム」を構築したとも述べている。最後に、「広告連動型検索に依存するコモディティ化された従来型の業界で、当社はプロダクトとブランドの展開に関する革新的なアプローチを採用しました」と述べ、その一例として「letterbox flower（郵便受けに入る花束）」の発明に言及した。

General CatalystのAdam Valkin（アダム・バルキン）代表取締役は次のように述べる。「Bloom & Wildは、花を贈る伝統的な行動に予測分析とテクノロジーを取り入れて、より新鮮で運送期間の短い花束を大切な人に届けられるようにしました。アロンとそのチームに関して最も印象的なのは、創業以来、2つの取り組みを同時に進めてきたことです。彼らは、フラワーデリバリーのサプライチェーンが抱える複雑な課題に業界トップの効率性で対処すると同時に、ぜひまた利用したいと消費者に感じさせる顧客体験を、心を動かす方法で築いています」。

さらに、Index Venturesのパートナー、Martin Mignot（マーチン・ミニョ）氏はこう付け加えた。「Bloom & Wildのチームは、フラワーデリバリーとギフトのあらゆる側面を再発明しました。あらゆる段階で現状に満足せずに挑戦しています。アロンとそのチームによるたゆまぬ努力により、同社は消費者の喜ぶ体験を作り出し、欧州で最も急速に成長するフラワー企業になりました。我々はパートナーとして、同社が世界的な企業に成長することを楽しみにしています」。

【原文】

Bloom & Wild, a London-based startup that takes an updated and online approach to the very traditional business of ordering and delivering flowers, has seen business blossom in the last year. And today, it is announcing a big round of funding to help it double down on the opportunity ahead.

The company has raised £75 million ($102 million), a Series D that it plans to use to continue expanding across Europe (in addition to the UK, it operates today in Ireland, France, Germany and Austria) as it also continues to build out the business through technology, hiring new talent, thinking up more ideas and new partnerships, such as a new deal with supermarket giant Sainsbury’s to spearhead a new brick-and-mortar push.

“We’ve been extremely fortunate to have been able to continue trading when we know how tough the past nine months or so has been for many,” said Aron Gelbard, Bloom & Wild’s co-founder & CEO, in an emailed interview. “It’s been a real joy & privilege to help keep our customers connected with their loved ones when we’ve all been missing being able to see our friends & family. We’ve certainly seen strong sales during periods of national restrictions across our markets, but sales have held strong during periods of relatively limited restrictions as we’ve retained new customers and converted many of our new recipients too.”

The funding is being led by General Catalyst, with Index Ventures, Novator, Latitude Ventures, D4 Ventures (established by Hanzade Dogan), and existing investors such as Burda Principal Investments also participating.

Bloom & Wild is not disclosing its valuation, but rumors of the round that were floating last week (per Sky News) pegged sources that said the valuation was around $500 million.

The startup’s funding round, in any case, comes on the heels of some very strong growth. Revenues for the company were up 160% in 2020, with some 4 million deliveries of flowers in that period — more than had ever been made in the lifetime of the company previously, it said. That helped push the company into the black, its first profitable year.

Founded in 2014, Bloom & Wild had only raised around $35 million before this, according to PitchBook, which estimated its pre-money valuation at just $88 million following its last round in 2018. In that context, $500 million represents a massive jump.

Now, you might be asking yourself, “How can people think about flowers at a time like this? We’re in the midst of a global pandemic, for crying out loud.”

And indeed, that is so. But it seems that there is a special place for flower-based gifts, whether for other people or just for ourselves, that are appreciated especially when times are hard.

And while we’ve also seen people move quickly past that extra toilet paper, face masks and other practical purchases to click buy on many not-totally-essential indulgences — from fancy food and drinks through to nicer furniture since they’re spending so much time at home — I’d argue flowers have a unique position in the indulgence/gifting pantheon.

In the midst of a health pandemic that has severely curtailed how people can interact with each other in person, getting flowers from a person can take on a new and sometimes deeper meaning. The physical presence — the colors, the smells, the rustle of life — they convey can be a proxy for the human interaction that we’re missing.

“We’re privileged to have played our part in keeping people connected in this difficult period, and I’m proud of our growing team for scaling our operations whilst maintaining the signature thought and care we put into every order,” said Gelbard in a statement. “With this new backing from General Catalyst and Index we start 2021 with renewed energy to pursue our vision of becoming the world’s leading and most loved flower company.”

If you’ve ever ordered flowers for someone or for yourself, you know there is no shortage of options for doing so. In the UK alone there are some 7,500 florists according to the British Florist Association, and that’s not counting thousands more online-only retailers (like Bloom & Wild) or the many services that knit these together into wider delivery networks such as Interflora or FTD.

FTD has been something of a consolidator here: in 2018 it acquired a US flower delivery startup called BloomThat (which likened itself to an Uber for flowers).

While some people still prefer to shop for tangible things like flowers in person, a lot of that has moved into the virtual world over the years — especially for those ordering flowers to be delivered to someone — making it in some ways much easier to launch and grow online-only flower businesses.

Bloom & Wild’s product approach is to sell flowers as bouquets, and to give people the option of making the smaller of those bouquets extremely easy to deliver, by designing a box that fits through the typical UK mail slot (either in your front door or elsewhere).

The bouquets it sells, meanwhile, are Instagrammably eye-catching, created for the kind of person who might discover them on that social network (where it has around 250,000 followers), and targeted at our modern predicament. (For example, the bouquet pictured above is called “The Ezra“. Its description: “This cocktail of vibrant oranges and soft lilacs reminds us of holidays in the sun. And the people we’d spend them with. Missing your travel buddy? Send them this instant day-brightener.”)

There are options for ordering flowers for offices — although these are probably not getting ordered as much these days — and to build subscriptions, as you might with any other D2C product you order online. And once Bloom & Wild gets to know you and what you like, that will inform how and which flowers on the service are presented to you. Over time it’s moved into more than flowers — it sold Christmas trees this season, and offers a few gifts alongside its bouquets — and it is gradually building out a brick-and-mortar presence, too.

But most of all, it seems the company has seen a surge of interest not just because of the efficiency and targeting of its service, but because it has gotten the product right — specifically delivering flowers that people like.

Gelbard points out that the company has “the most direct supply chain in the flower industry, sourcing directly from growers. This means our customers get excellent value and their flowers last longer, arriving in bud and regularly blooming for up to ten days or more.”

He also notes that the company has built a “bespoke technology and data science platform” focused on a quick and easy ordering experience on app or web. Lastly, “in a traditionally commoditized industry reliant on paid search, we’ve taken an innovative approach to product and brand development,” he notes, pointing to the “letterbox flower” invention.

“Bloom & Wild has infused the traditional flower giving experience with predictive analytics and technology to deliver a fresher, less-travelled bouquet to the people you care most about,” said Adam Valkin, MD, General Catalyst, in a statement. “What’s most impressive about Aron and his team has been their duality of focus since launch. They’re bringing industry-leading efficiency to the intricate supply chain challenges of flower delivery while simultaneously building a beloved experience that connects with consumers in a remarkably authentic way.”

Martin Mignot, partner at Index Ventures added: “Bloom & Wild team have reinvented every aspect of flower delivery and gifting, challenging the status quo at every stage. Through relentless execution, Aron and his team have created a delightful experience for customers, becoming the fastest growing flower business in Europe. We’re thrilled to partner with them as they scale internationally.”

（文：Ingrid Lunden、翻訳：TechCrunch Japan）

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