ノーコードの自動化ツールZapierがノーコード教育サービスとコミュニティのMakerpadを初めての企業買収で合併

今回は「ノーコードの自動化ツールZapierがノーコード教育サービスとコミュニティのMakerpadを初めての企業買収で合併」についてご紹介します。

関連ワード (Zapier、ノーコード、買収等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


ノーコードの自動化ツールで知られるZapier(ザピアー)は、ノーコード教育サービスとコミュニティのMakerpad(メイカーパッド)を買収した。取り引きの条件については公表されていない。

TechCrunchでは、その誕生以来ずっとZapierを追いかけてきた。2012年の最初にして唯一の資金調達であった、BessemerやDFJが参加した120万ドル(約1億3000万円)のラウンドもそうだ。それ以来、同社はサービスに高額なプランを追加し、チーム作業向けの機能を構築し、最近ではリモートのみで運用するチームの拡大についてExtra Crunchに語っている。

米国時間3月8日にTechCrunchが行ったインタビューで、ZapierのCEOであるWade Foster(ウェイド・フォスター)氏は、現在同社には400人の従業員が在籍し、2020年夏には、ARR(年間経常収益)が1億ドル(約10億9000万円)のラインを超えたと話した。

Makerpadの合併は、同社にとって初めての企業買収だ。TechCrunchはMakerpadの創設者であるBen Tossell(ベン・トッセル)氏に今回の取り引きの構成について尋ねたところ、新たな親会社の下で「スタンドアローン」部門として運営することになると電子メールで答えてくれた。

今回の取り引きでは、この小さなスタートアップが契約前から取り組んできた事業をひっくり返すようなことは想定されていないようだ。トッセル氏は「Makerpadの究極のビジョンは、できるだけ多くの人に、コードを書かずにソフトウェアが構築できる力を教えること」だ話している。

フォスター氏は、その方向性に異議はないようだ。編集ガイドラインには沿ってもらうが、大幅な独立性をMakerpadには与えるつもりだとTechCrunchに語った。

TechCrunchはトッセル氏に、会社の売却がなぜ今なのかを尋ねた。すると彼は、合併することで、単独では成し得ないノーコードの世界の拡大が可能になるからだと答えた。しかもこの取り引きなら「ベンチャー投資などの別の方法」に比べて「頭を悩ませずに済む」からだとも話していた。

今回の買収は、たった1つのツイートから始まったとも言える。このツイートだ(訳注:Makerpadの会員が最も多く使っているツールの1位がAirtableで2位がZapireというツイートに対するWalter Chen[ウォルター・チェン]氏のリツイート。AirtableとZapierがMakerpadの中心的ユーティリティーになるとチェン氏は話している)。トッセル氏によれば、これを読んだZapierのCEOから接触があり、話が進んで契約に至ったという。フォスター氏は、電話取材の中でこの話を膨らませてくれた。彼はずっと前からトッセル氏の仕事に注目していて、以前にも夕食をともにしたことがあったそうだ。このツイートは彼のSlack(スラック)に場所を変え、トッセル氏とつながると、一気に契約まで進んだという。

両社とも、最近の四半期で急速な成長を遂げている。フォスター氏は、新型コロナ後の世界でスモールビジネスの同社のサービスへの依存度が次第に高まっていることについて詳しく説明してくれた。パンデミックに襲われた後、Zapierには中小企業からの力強い引き合いがあったという。デジタル変革が加速する中、その傾向はしばらく勢いを保つだろう。トッセル氏がTechCrunchに話したところによれば、ノーコードはすでに「想像以上に大きく成長している」とのこと。彼の会社では、ユーザー数は2020年だけでも4倍に増えた。

Zapierは、ノーコードワールドともいえるこの広範なテック系製品の一帯の中で、最も大きな成功を収めた企業だろう。それが現在、コミュニティを引き寄せ、同社サービスにユーザーを直接招き入れることが可能になるだろう。また、おそらく間接的にも、ノーコーダーの集団を時間とともに大きくしていくはずだ。

ここ数カ月間、ノーコード分野は活気に満ちている。その兄弟であるニッチ市場のローコード分野も同じだ。ローコードでは9桁のラウンドも現れている。一部の企業では、ローコードで社内用ソフトウェアを迅速に開発できるようにもなった。ノーコードも、Zapierの9桁の収益に見られるように、独自の成功を収めている。

関連記事:ローコードに注力するOutSystemsが1兆円の評価額で158.8億円を調達

今後の買収についてTechCrunchが尋ねると、フォスター氏は、ドアを閉ざすことはないが、同時に大きく開くわけでもないと、中立的な立場を示した。SPACの可能性を尋ねると、フォスター氏の答えはやや明確になった。「ノー」だ。

この数カ月間で、ノーコード界の重要人物やローコード界の企業創設者と投資家に話を聞いてきた結果として、さらに大きなビジネス市場が、ローコードサービスと、ノーコードツールをいち早く採り入れた小さな企業の周辺に近づいて来るのは確かなようだ。ローコードツールが次第にコーディングから独立し、ノーコードツールの機能性が高まると、この2つの兄弟カテゴリーは融合することになるだろう。

関連記事:スプレッドシートからノーコードでアプリを作れるようにするStackerが約1.8億円を調達

画像クレジット:skynesher / Getty Images

[原文へ]
(文:Alex Wilhelm、翻訳:金井哲夫)

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
「Ubuntu 24.10」ベータ版をレビュー–20周年の節目となるリリースもいつも通りの安定感
IT関連
2024-10-04 19:06
Airbnb、コロナで変わった旅スタイルに合わせた「柔軟な日付設定」など100の更新
アプリ・Web
2021-05-26 02:32
フォーティネットが推進する「ファブリック」戦略をひも解く
IT関連
2022-06-21 19:43
台湾政府要人のLINEアカウントにサイバー攻撃か LINE「捜査当局と連携する」
セキュリティ
2021-07-31 06:04
第3回:依存関係かく乱攻撃と敵対的乗っ取り–企業が直面する課題と対策
IT関連
2021-07-20 04:03
コードのペースト先をAIが自動判別、別プログラミング言語への変換や、変数名、関数名を自動変換してくれる「Smart Paste」機能、Codeiumが提供開始
機械学習・AI
2024-09-04 09:53
55機のキングエア航空機に自律飛行機能をステルスモードを脱したMerlin Labsが搭載
モビリティ
2021-05-30 20:30
Docker Desktop内のコンテナに対して「localhost」でアクセス可能に、WSL2のストレージ領域を自動で縮小など新機能、Docker Desktop 4.34正式リリース
Docker
2024-09-05 18:38
利回り4.6~5.3%、プロが分析:3メガ銀行の投資価値–4~6月好決算、信用コスト減少から判断
IT関連
2021-08-10 03:25
基幹システムのクラウドシフトが本格化、成否を分ける要因とは
IT関連
2023-07-25 07:30
AWS、Q&A掲示板に質問を書くと生成AIが数秒で回答してくれる「AWS re:Post Agent」投入
AWS
2024-10-03 19:41
ServiceNowと「Oracle Cloud Infrastructure」連携、マルチクラウド管理を向上
IT関連
2021-04-16 06:55
ウルシステムズ、長谷工グループの新しいコミュニケーションサービス構築を支援
IT関連
2022-09-02 00:04
セルフケアに焦点を当てた音声ソーシャルネットワークQuiltが3.7億円調達
ネットサービス
2021-02-14 03:32