BlackBerryの最期–アップルとグーグルに敗れたかつてのスマートフォン王者

今回は「BlackBerryの最期–アップルとグーグルに敗れたかつてのスマートフォン王者」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 奇しくもAppleが米国史上初の時価総額3兆ドル到達を祝った翌日、BlackBerryが同社の最後のスマートフォン数機種のサポートを終了した。確かに、初期のスマートフォン市場に君臨していたBlackBerryを王座から引きずり下ろしたのは、Appleの「iPhone」だけの力ではない。しかし、iPhoneはGoogleの「Android」とともに、かつてのスマートフォン王者の凋落を尻目に歩みを進めている。

 BlackBerryが栄華を誇っていた期間の大半は、Research in Motion(RIM)という社名だった。1999年に同社を一躍スターダムに押し上げたのは、内蔵のQWERTYキーボードで双方向の電子メール通信に対応するポケットベル風のデバイス「BlackBerry 850」だ。そのベースとなった初期の「Inter@ctive Pager」シリーズの製品は、BlackBerryの知名度が上がると開発終了となった。

 この850がきっかけとなって、BlackBerryはQWERTYキーボード搭載デバイスを好むようになったが、何とかスマートフォンと認識できそうな製品は、2003年にようやく発売された。その製品は、「BlackBerry 6200」(「BlackBerry Quark」)シリーズの最初のモデルだ。ほとんどの携帯電話がまだ折り畳み式だった時代に、Quarkはモノクロディスプレイを搭載し、その下にはフルQWERTYキーボードと追加のナビゲーションキーがいくつか配置されていた。初期の2Gセルラーデータネットワークで電子メールサービスを利用できたが、他の機能はほとんどない。

 その後すぐ、カラーディスプレイを備えた「BlackBerry 7200」シリーズや、「BlackBerry Charm」(「BlackBerry 7100」シリーズ)のモデルが登場した。7100シリーズでフルQWERTYキーボード体験の代わりに採用されたRIMの「SureType」キーボードは、1つのボタンに2つの文字を割り当てたものだった。このレイアウトは「BlackBerry Pearl」など後のシリーズでも採用されたが、当然ながら大きな人気を得ることはなかった。

 次の数世代では、ディスプレイの改善、外観の再設計、Bluetoothなどの興味深い新技術の追加があった。その後、RIMが2007年に発売した製品は、同社が作った中で最も愛されるモデルの1つとなる。「BlackBerry Curve」だ。このモデルの新しいトラックボールベースの操作は大変画期的で、BlackBerryの増え続ける機能をより素早く簡単に操作することができた。トラックボールは最終的に「BlackBerry Bold」シリーズでトラックパッドに置き換えられるが、Curveのデザイン言語は、その後に製造されたすべての真に象徴的なBlackBerryデバイスを特徴づけていくことになる。

 BlackBerry Curveにとっては不運なことに、2007年はSteve Jobs氏が壇上でiPhoneを発表した年でもあった。BlackBerryのスマートフォンに対する考え方と異なり、iPhoneはタッチスクリーンによる操作だけで、テキストメッセージや電子メールのやりとり、ウェブの閲覧などができた(今となっては恥ずかしい話で、当時はAppleの選択を非難するコメントが多く見られたが、本稿では触れないでおく)。

 ユーザーフレンドリーな入力方式のほかにも、iPhoneの戦略には非常に重要な側面があり、それが長年にわたりRIMを悩ませることになる。BlackBerryが衰退した最大の要因はこれかもしれない。Appleが最初から消費者に焦点を当てていたことだ。

 RIMは何年もかけて、平均的なユーザーに自社のビジネス向けデバイスが素晴らしいスマートフォンになり得ることを納得させようとしていた。一方、Appleはこうしたユーザーを初期のエコシステムに深く引き込み、その結果、彼らは自分のiPhoneを仕事の場面でも利用する方法を探すようになった。iPhoneよりもかなり時間がかかったようだが、Androidも同様の道をたどった。アプリストアというイノベーションを組み入れることで、サードパーティーの開発者がスマートフォンに新しい機能を提供できるにようになり、iOSとAndroidの優位性はさらに高まった。

 「T-Mobile G1」としても知られる「HTC Dream」は、2008年に登場した。iPhoneと直接競合するこの製品は、RIMとAppleの両方からヒントを得ており、タッチスクリーンベースのOSであるAndroidとハードウェアQWERTYキーボードを搭載していた。キーボードはディスプレイの下に格納され、横にスライドさせることができた。タッチスクリーンとキーボードを組み合わせたこのデザインは、Dreamの後継機や「Motorola Droid」など、初期の多くのAndroidモデルで採用された。

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