小さなスタートアップMayhtは新コンセプトの小型スピーカーで業界の巨人たちに挑む

今回は「小さなスタートアップMayhtは新コンセプトの小型スピーカーで業界の巨人たちに挑む」についてご紹介します。

関連ワード (分野、投入、文字通等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


スタートアップを立ち上げる方法はいろいろあるが、少数の既存企業が深く根を下ろし市場を独占している業界に挑戦するには、ひときわ勇敢な創業者チームが必要だ。例えば、トップ企業の名前が文字通り「インターネットで検索する」という動詞になっているようなネット検索市場には、余程の勇気がなければ挑戦しようとは思わないだろう。スピーカーの世界も似たようなもので、過去100年の間、テクノロジーはほとんど進歩しておらず、Shania Twain(シャナイア・トゥエイン)の甘く心地良い歌声を気中に放つスピーカーのコンポーネントは、ほとんどすべてひと握りのメーカーが作っている。

この世界に風穴を開けようと考えるスタートアップは多く、毎年、さまざまな方法で「スピーカーをより良くする」と謳う企業のプレゼンを何度も目にするが、いつもそれは不発に終わっている。確かにイノベーションは起きているが、スピーカーのコアテクノロジーでは、真に革新的といえるような動きがほとんどない。しかし、2022年のCESでは、その例外ともいえるMayht(メイト)のチームと話をすることができた。

同社は、お互いに反対方向を向いたスピーカーを作り、モーターでスピーカーの振動板を同時に動かすことで、手を叩くのと同じような動きを実現した。つまり、2つのスピーカーは完全に同調するということだ。同社によると、この小型化されたスピーカーは使用時のエネルギー効率を高め、出荷や保管の際のサイズも小さくでき、業界に与えるインパクトはこれまでの投資に見合うものだとしている。スピーカーの技術も興味深いが、筆者が興味をそそられたのは、オランダの小さな寄せ集めのイノベーター集団が、どのようにしてこの業界の状況を変えようとしているのかということだ。

Mayhtはテクノロジー企業だ。同社は開発の早い段階で、スピーカー技術の世界においては、巨大企業と真っ向勝負してもあまり意味がないことに気づいた。そのため、いくつかの特許とクールなリファレンススピーカー(パートナー候補にデモをするプロトタイプ)を武器に、同社は実質的に外部から委託を受ける研究開発部門を構築したいと考えている。つまり、新しくて興味を引くテクノロジーを生み出し、それを有名なスピーカーブランドにライセンス供与するスカンクワークス(極秘開発チーム)だ。筆者は、このオランダの小さなスタートアップに注目し、コンシューマーエレクトロニクスの中でも最も強固な守りを敷く業界にどのように挑んでいるのか詳しく見てみることにした。

このインタビューでは、Mayhtチームとその投資家らに話を聞き、ゴリアテの世界の中で好戦的なダビデになるための秘訣は何かを考えてみた。

「当社は、2016年からこのスピーカー技術に取り組んできた。最初の2、3年はプロトタイプを作っていたが、今では量産に近いもの、あるいは量産中のものが数多くある。当社はスピーカーユニットのメーカーではなく、その技術を守り、それをライセンスしているだけだ」と、MayhtのCEOであるMattias Scheek(マティアス・シーク)氏は説明する。そして「サウンドバーから小型サブウーファー、小型音声アシスタントスピーカーまで、さまざまな用途で当社の技術をようやく紹介できるようになった。特に小型音声アシスタントスピーカーは、市場に旋風を巻き起こすと確信している。例えば、Echo Dot(エコードット)がSonos One(ソノス・ワン)やサウンドバーと同じ音を出せるようになるということだ。また、サブウーファーのないスピーカーでも、サブウーファーのあるものと同じ音が出せるようになれば、市場は大きく変わる。当社はようやくそれらを公開することができた」と同氏は述べる。

同社は、新世代のスピーカーユニットを発明したという。一般的なスピーカーユニットは振動板を備えているが、駆動機構全体が振動板の後ろにあるため、限られた動きしかできない。Mayhtのイノベーションは、駆動機構を振動板の横に配置することだ。これにより、振動板はより大きく動くことが可能となる。自動車のエンジンでも似たようなことがある。エンジンのパワーを大きくするには、2つの方法がある。1つはシリンダーを大きくして、より多くのガスと空気の混合物を爆発させてパワーを生み出す方法、もう1つは、ストローク長を大きくする方法だ。Mayhtは、この考え方をスピーカーにも応用している。Google Mini(グーグルミニ)やAlexa(アレクサ)のスピーカーのようなスマートスピーカーだけでなく、スペースが限られている車載用など、さまざまな用途でスピーカーの小型化が求められていると同社は考えている。また、同社のスピーカー技術は、ビリつきを抑えることもできるという。

Mayhtのスピーカー技術では、駆動機構を振動板の横に配置している。これにより、2つのスピーカーを同調させ、従来のデザインによる同等サイズのスピーカーに比べて、より多くの空気を動かすことができるという理論だ(画像クレジット:Mayht)

同社は、現世代のスマートスピーカーに対してあまり高い評価はしていない。音声コントロール機能、メッシュWi-Fi、優れたデザイン、電源管理、優れたユーザーエクスペリエンスなど、いずれも意味のあるイノベーションだったが、スピーカーの技術自体は代わり映えしないものだ。

「Bang&Olufsen(バング&オルフセン)、Bose(ボーズ)、Sony(ソニー)など、どのメーカーも似たようなものだ。どのメーカーも同じ技術を使い、同じスピーカーユニットを使っている。同じ工場で作られたユニットなのだから仕方がない。主要メーカーは3~4社で、さまざまなスピーカーブランドはそれらのメーカーからスピーカーユニットを調達しているのだ。この分野でイノベーションが起こらないのは不思議なことではない」とシーク氏は嘆く。「メーカー自身がスピーカーユニットを開発しているわけではないので、より高品質なテクノロジーを追求しようとは思わないのだ。1~2%程度の改善はあっても、スピーカーユニットの全体的なアーキテクチャを変えることはない。そのようなことをすれば、メーカー全体の製造体制を変えることになり、メーカーにとっては大きなリスクとなる」と同氏は続ける。

Sonos Oneを分解してみると、凝ったテクノロジーの下には平凡なスピーカーユニットがあることがわかる(画像クレジット:Haje Kamps for a Bolt teardown)

「スピーカーメーカーは、真のイノベーションを達成するのに見合う報酬が得られない。というのも、最低レベルのコストで最高の品質を実現する必要があるため、既存のテクノロジーにとらわれず、本当に新しくて革新的なものを生み出すインセンティブがスピーカーメーカーには与えられないからだ」と、MayhtのチーフコマーシャルオフィサーであるMax van den Berg(マックス・ファン・デン・バーグ)氏は説明する。そして「そういったことを踏まえて、当社は創業以来、世界中の45社ほどのスピーカーメーカーと話をしてきた。その中で、このような製品を見たことがある会社はなかった。これはまさに破壊的なイノベーションだ」と同氏は語る。

Mayhtは、今回のラウンドで、オランダのベンチャーキャピタルForward One(フォワード・ワン)を中心に総額400万ユーロ(約5億2000万円)を調達した。筆者は、この投資を先導した同VCのパートナーにインタビューを行い、はたから見ると困難な戦いに挑もうとしているように見える会社に、なぜ自信を持って資金を投入できたのかを探った。

「私は、このチームがMayhtを特別なものにしていると思う。創業者の兄弟2人は、7歳の頃からスピーカーに携わっており、とても感銘を受けた」とハードウェアのスタートアップに投資をしているフォワード・ワンのパートナー、Frederik Gerner(フレデリック・ゲルナー)氏は述べる。「両氏がスピーカー業界の枠組みを破壊しようとしていることは、非常に有意義なことだ。同じテクノロジーで何十年も成り立っていた巨大かつ成長中の市場は、今まさに革命の時を迎えている。ハードウェアは、多くの業界を一歩前進させる真の手段であり、当社はこのハイテクハードウェアのイノベーションの必要性を、これまで以上に達成可能で重要なものと考えている」と同氏は続ける。

既存のスピーカーユニットメーカーを蹴落とすために工場を建設するのは無駄なことだ。代わりに賢明な同社は、ライセンス方式を採用し、非常にスリムでエンジニアリングに特化したチームを構築し、比較的少額の資金を調達することを進めている。現在、Mayhtの従業員は20名で、そのうちの70%ほどがエンジニアリング部門の担当者だ。また、戦略的に非常に強い影響力を持つ人材を顧問として迎え入れたのも賢い選択だ。このことは、今後この種の企業を構築する上での鍵となるかもしれない。

「顧問には、非常に経験豊富なメンバーがいて、チームで活躍している。Philips(フィリップス)のライセンス部門で働いていたメンバーが2人いるが、そのうちの1人は、実際にライセンス部門を率い、フィリップスにおいてライセンシングを巨大なビジネスにした。彼は、ライセンシングの仕組みだけでなく[特許]訴訟の処理についても大いに助けてくれているし、非常に優れた交渉役でもある」とシーク氏は説明する。

Mayhtのスピーカーのプロトタイプと、Sonosの(より大きな)スピーカー。Mayhtによると、この2つのスピーカーの音量や音質は同じだという。画像クレジット:Mayht

Mayhtでは、起業する場合、自分たちによく合うタイプの会社を作ることを重視している。例えば、同社は、Sonosでマネージングディレクター兼グローバルオペレーション担当副社長を5年間務めたPiet Coelewij(ピート・コエレウィジ)氏も顧問として招き入れている。また、同社のチーフコマーシャルオフィサーであるマックス・ファン・デン・バーグ氏も注目の人物だ。同氏は、1990年代半ばにソニーのパーソナルオーディオ部門のマーケティングマネージャーを務め、その後も長年にわたってソニーの上級幹部として活躍してきた。「適切な人材が部屋にいることで、ドアを開けて進むことができる」と、シーク氏は控えめな表現ながらも両氏の功績に言及する。

同社はブランドを築き上げ、それを他社との共同ブランドとして活用したいと考えている。これはブランディング上の大きな問題を解決する賢明な方法だ。ほとんどの人は、自分が持っているスピーカーの内部で使われているスピーカーユニットのメーカーは知らないし、知る必要もないだろう。しかし、他の業界では前例がある。余程のマニアでもない限り、ほとんどの人は自分のパソコンのプロセッサーが誰によって作られているかなどは気にしていない。少なくとも、AMD(エイ・エム・ディー)がIntel(インテル)のしっぽを捉えた時、IntelがAMDに対抗して「Intel inside(インテル入ってる)」キャンペーンを展開するまでは、そうだったはずだ。Mayhtはそのシナリオを参考にして、Heartmotion(ハートモーション)ブランドを商標登録した。そして、同社のスピーカーをライセンシーと共同ブランド化することの合意を取りたいと考えている。例えば「Sonos powered by Heartmotion(Heartmotion搭載Sonos)」といったようなものだ。

「『Heartmotion』というのは、当社がライセンス供与するテクノロジーブランドだ。スピーカーの動きが心臓の動きに似ていることから、そう呼んでいる。目標は、すべてのスピーカーが当社の技術を搭載し、当社の技術を使用するパートナーが製品の箱にマーケティングの一環としてHeartmotionのロゴを使用することだ」とシーク氏はいう。

スピーカーのサイズと重量を最小限に抑える技術を基に、同社はいくつかの巧妙なセールスポイントを用意している。自動車やRVのメーカーにとっては、ドアパネルやダッシュボードなどの小さなスペースに、音の出力を落とすことなく、より多くのスピーカーを配置できるということだ。これは当然のことなのだが、筆者が特に感心したのは、より環境に配慮した技術に人々が(ようやく!)興味を示し始めている現在の状況において、Mayhtがいくつかのマーケティングメッセージを活用していることだ。低消費電力でありながら大きな出力が得られる小型スピーカーをパッケージ化することで、思いがけない効果が生まれることがある。その一例として、同社が試作したスピーカーには、太陽光発電技術の「Powerfoyle(パワーフォイル)」で覆われたものがある。これは、鳴り続けるBluetoothスピーカーを作ることが可能ということだ。エネルギー消費量に加え、フォームファクターが小さくなれば、重量や輸送量が削減され、結果的に環境面でも大きなメリットがある。

関連記事:太陽電池を搭載し自ら電力を供給し続けるMayhtの小型高音質スピーカー

Mayhtの「Heartmotion」スピーカーのプロトタイプ(画像クレジット:Mayht)

Mayhtは、特許ポートフォリオ戦略に裏打ちされたライセンシングファーストのビジネスモデル、優れた創業者のストーリー、ライセンシングやオーディオの専門家が名を連ねる顧問チーム、そして初めから適切にものごとに対処するために落ち着いて行動しようとする姿勢によって、注目の2022年に向けて着実に体制を整えている。そして、チームは、長年の研究と土台作りを経て、実行の年に向けたシフトアップを狙っているため、十分なリソースを確保したいと考えている。

「2022年は、当社の製品が消費者の手に渡る年だ。その瞬間を目にすることをとても楽しみにしている。当社は、かなり長い間、目立たないように製品作りに取り組んできた。これは本当に奇妙なことだが、業界ではそのすばらしさが知られていても、消費者はまだそれを体験していないのだ。当社にとって、2022年は大々的に公開する年になる。パートナーと協力してこの製品を消費者に届けるだけでなく、当社自身もやることを考えている……」といいながら、シーク氏は途中から声をひそめた。詳細を話しかけていたのだが、録音されていることを思い出したのだ。しかし「もうすぐ、2022年の第2四半期には発表できるだろう。まだ詳しいことはいえないが、現在、消費者が当社から直接購入できるリファレンス製品を開発中だ。消費者にも体験してもらいたいので、試用のために限定版のスピーカーを作っている」と話してくれた。

同社によると、自社製品での収益はあまり考えておらず、これはブランドの認知度を高めるために、大量に生産するサンプルだという。

「自分たちで(3インチ[7.62cm]の)T3スピーカーユニットを搭載した製品を作っているのは、実績を上げれば業界全体が動き出すからだ。この数年間でたくさんのプロトタイプを作った」とファン・デン・バーグ氏は説明する。問題は、新製品の設計には時間がかかり、大手スピーカーブランドにもその時間が必要だということだ。そのため同社は、ペースを上げるべく、リスクを冒して自分たちの手で問題を解決しようとしている。「当社は(サードパーティがデザインしたスピーカーは)少し長いプロセスを必要とすると感じている、サードパーティには決定する時間が必要なのだ。おそらく、彼らの製品が市場に出回るのは、2022年末から2023年初頭になるだろう。それまでの間、当社がこのテクノロジーを消費者に発表することが非常に重要だと考えている。当社は誰かと競争をしたいわけではないが、当社がてがけていることはクールだと思うし、Heartmotionを搭載したすばらしいBluetoothスピーカーの限定サンプルを提供できることをとても楽しみにしている」とファン・デン・バーグ氏は語った。

画像クレジット:Mayht


【原文】

There are many ways of spinning up a startup, but it takes a particularly brave set of founders to take on a deeply entrenched industry with a small number of incumbents who have the market all sown up. You’d have to be a special flavor of bold to take on internet search for example — where the name of the leading company is literally synonymous with searching for something on the internet. The world of speakers is similar; the technology has barely moved in the past hundred years, and only a handful of manufacturers create almost every single speaker element that plays the sweet dulcet tones of Shania Twain into the ether around you.

Plenty of startups think they can put a dent in this world, and every year, I see dozens of pitches for companies that are “making speakers better” in various ways. And every year, it falls flat. Yes, innovations are happening, but core speaker technology rarely moves in a way that could be described as truly innovative. At CES this year, I got to talking with the team of Mayht, which might just be the exception to that general rule.

The company has created speakers that are pointing in opposite directions of each other, with motors that move the speaker elements apart at the same time — creating a similar motion to you clapping your hands. That means that the speakers are perfectly balanced. The company claims the impact is more bang for the buck, and that the more-compact speakers can be more energy efficient in use, and smaller to ship and store. The speaker tech is interesting, but what really piqued my interest was how a small rag-tag bunch of innovators from the Netherlands is planning to shake things up.

Mayht is a technology company. Early on in its journey, it realized that in the world of speaker tech, there’s not much point in going head-to-head against the behemoths in the space. Armed with a handful of patents and some cool reference speakers (i.e. prototypes they can show off to potential partners), the company is hoping to build what is essentially an outsourced R&D arm. They are the skunkworks that creates new and interesting tech, before licencing it to the well-known speaker brands out there. I decided to take a closer look at the little Dutch startup, and how it is taking on one of the most well-entrenched industries in consumer electronics.

In this interview, I talk with the Mayht team and its investors to figure out what the special sauce is when you’re a scrappy David in a world of Goliaths.

“We’ve been working on this speaker technology since 2016. In the first couple of years we were just creating prototypes, but now we got a lot of stuff that is really close to mass production — or in mass production. We’re not a manufacturer of drivers, we just defend the technology and we license it,” explains Mattias Scheek, CEO at Mayht. “We can finally show our technology in different kinds of applications — from soundbars to small subwoofers to small voice-assistant speakers. We believe the latter, in particular, will really disrupt the market. If say, an Echo Dot can have the same sound as the Sonos One, or a soundbar. Or if a speaker without a subwoofer can have the same sound as something that does have one. It makes a big change in the market. We are finally able to show those things to the public.”

The company claims it has invented a new generation of speaker drivers. Whereas a typical speaker driver has a membrane, it can make limited movement, because the whole motor structure is behind the membrane. Mayht’s innovation is to put the motor structures at the sides of the membrane. That means more movement, and more displacement. You see a similar thing in automobile engines: A “bigger” engine can work in one of two ways — either you make each cylinder bigger, which means that more gas and air mixture can explode and create power. Or you make the stroke longer. Mayht is applying the same idea to speakers here. Speakers need to be smaller in a lot of different applications — the company suggests smart home speakers like the Google Mini and Alexa’s speakers, but also in vehicle tech, where space is at a premium. The company also claims that its speaker tech reduces rattle:

Mayht’s speaker technology puts the motors on the side of the membranes. The theory is that this makes the speakers balanced, and able to displace a lot more air than a comparable-sized speaker with a traditional design. Image Credits: Mayht

The company doesn’t have many kind words for the current generations of smart speakers — while adding voice controllability, mesh Wi-Fi, great design, power management and great user experience were all meaningful innovations, the speaker tech itself is pretty underwhelming.

“It’s exactly the same story for all the manufacturers — Bang & Olufsen, Bose, Sony. Every company uses the same technology and the same drivers because they essentially come from the same factories. There are three or four major manufacturers and all those different speaker brands take their drivers from those manufacturers. It’s not strange that there is no innovation in that field,” laments Scheek. “Because the manufacturers themselves don’t really develop drivers, they are not pushed to make higher-quality tech. They may move the needle by 1 or 2% but not to change the complete architecture of the driver. Doing so would mean changing their whole manufacturing setup, which is just a huge risk for those companies.”

Taking apart a Sonos One shows you that underneath all the fancy technology is… some pretty underwhelming-looking speaker elements. (Image Credits: Haje Kamps for a Bolt teardown)

“The speaker companies are not rewarded to really, truly innovate. From a cost perspective, they have to perform for the best quality with the lowest level of cost. And so there’s no incentive for speaker manufacturers to really think out of the box to bring out something really new and innovative,” explains Max van den Berg, Mayht’s chief commercial officer. “To put this into perspective, we’ve spoken to around 45 speaker companies globally since the start of this company. None of them have seen anything like this before — this is truly disruptive innovation.”

The company raised a total of €4 million in its most recent round, led by Forward One; I caught up with the partner who spearheaded the investment, to figure out why it felt confident to put its money behind a company that from the outside seems like it is facing an uphill battle.

“I think the team makes Mayht special. The two founding brothers have been working with speakers since they were seven years old really impressed me,” said Frederik Gerner, partner at Forward One, a Netherlands-based venture capital firm that is investing in hardware startups. “Their story on how they want to disrupt the speaker industry just makes so much sense! It’s a massive and still-growing market that has been operating for decades on the same technology, and it’s ready for disruption. Hardware is a real means to create a step-change in many industries, and we see the need for high-tech hardware innovation as more achievable and more important than ever.”

Building out a factory to out-manufacture the existing speaker element manufacturers would be a fools’ errand — one that the company is cleverly side-stepping by taking a licencing approach instead, building a very lean, engineering-focused team, and raising relatively small amounts of money. Mayht currently has 20 employees, 70% or so of whom are on the engineering side. The company also made the shrewd move of stacking its advisory board with strategically powerful folks who can add a tremendous amount of leverage, and may just be the key to building this type of company going forward.

“We have some very experienced people in our advisory board who are really active in the team. There are two people who formerly worked at Philips in the licensing department. One of them actually led the licensing department and made that side of Philips a huge business. He’s really helping us with the licensing structure, but also with how you handle [patent] litigation. He’s also an incredible deal-maker,” explains Scheek.

A Mayht speaker prototype next to a (much larger) Sonos speaker. The company claims the two speakers have the same sound volume and quality. Image Credits: Mayht

The company highlights the importance of building a company that fits well with the type of startup you are building. For example, Mayht also added Piet Coelewij, who was the managing director and VP of Global Operations for Sonos for five years, to its advisory board. It also highlights the company’s chief commercial officer, Max van den Berg, who was the marketing manager for personal audio for Sony in the mid 1990s, and continued in senior executive positions within Sony for several decades after that. “Having the right people in the room really helps open doors,” Scheek mentions in what might be the understatement of the year.

The company created a brand that it’s hoping to use to co-brand with other companies; a shrewd move that solves a significant branding problem. Most people don’t know who made the speaker elements inside their speakers — and why would they care. But there are predicates in other industries; unless you’re a very special kind of nerd, most people don’t care who made the processors inside their computers — not until Intel decided to pick up the fight and create the “Intel inside” campaign when AMD started nipping at its heels. Mayht is taking a sheet from the same playbook, and trademarked the Heartmotion brand. It hopes that it can convince its licensees to co-brand their speakers. “Sonos powered by Heartmotion” — that sort of thing.

“Yeah, so our technology brand for licensing would be Heartmotion. We called it that because the speaker looks like a pumping heart,” says Scheek. “Our goal is to have that on every product, and that our partners that use our technology will use it as part of the marketing on the box of the product.”

By minimizing the size and weight of the speaker tech, the company has a couple of clever talking points at its disposal. For car and RV makers, it means that they can cram more sound into smaller spaces — such as door panels and dashboards — without compromising on sound output. Those are obvious, but I was particularly impressed by how Mayht is tapping into a number of marketing messages that work particularly well in the current climate, where (finally!) people are starting to show some interest in greener tech. Packaging smaller speakers that have big performance and low energy consumption has a number of perhaps unexpected impacts. One example is the company’s prototype speaker that is clad in Powerfoyle light-harvesting tech, which means it’s possible to create a Bluetooth speaker that just keeps on going. Energy consumption aside, smaller form factors mean less weight and less shipping volume, which has a ton of second-hand environmental benefits.

Mayht’s Heartmotion prototype speaker lineup. Image Credits: Mayht

Between Mayht’s licencing-first business model backed by a patent portfolio strategy, a great founder story, an advisory board staffed with a who’s-who of licensing and audio experts, and the willingness to move slow enough to get things right the first time around, the company is slowly positioning itself for an interesting 2022. The team hopes it is well resourced as it’s gearing up for a year of execution after many years of research and setting the stage.

“This is the year of getting our products into consumers’ hands, and I am excited to see that happen. We’ve been working on it while staying under the radar for quite some time. It’s been really strange — the industry knows that this is amazing, but the consumer hasn’t experienced it yet. For us, this is the year of the big reveal. In addition to working with our partners to get this to the consumer, we are going to do something ourselves…” Sheek trails off, itching to tell me the details, but remembering the recorder is running. “We’re going to announce it quite soon — in Q2 of this year. I can’t tell you much, but we are working on a reference product that the consumer can buy directly from us. We want consumers to experience this, so we are making a limited edition speaker for people to try.”

The company told me it isn’t really planning to make much money on its own product; this is really a mass-produced sample to help build brand awareness.

“We are building a product with the [3-inch] T3 driver ourselves because the whole industry is really starting to move once you prove yourself. We made a lot of prototypes over the past years,” explains van den Berg. The problem is that it takes a bit of time to design a new product, and the big speaker brands take their time in doing so. To really hit the ground running, the company is taking a risk and taking matters into its own hands. “We feel [third-party designed speakers] are a bit of a longer process; they need time to make decisions. Most likely, their products will be on the market by the end of 2022 or in early 2023. In the meantime, we think it’s very important that we announce this technology to the consumers. We don’t want to be a competitor of anybody out there, but we think what we are doing is cool, and we are excited to release a limited edition product; a beautiful Bluetooth speaker powered by Heartmotion.”

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Dragonfly)

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