新たなIT人材を育てる–中東・北アフリカ地域の将来に向けた取り組み
今回は「新たなIT人材を育てる–中東・北アフリカ地域の将来に向けた取り組み」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
中東諸国が石油化学経済から知識集約型経済への転換を図る中、同地域ではIT人材やテクノロジー人材の育成が重要性を増している。
ニュースの見出しには、人目を引くインフラやスタートアップへの投資の話題が多くなりがちだが、ITのスキルや能力を高めるための取り組みも数多く進められている。コーディングも、相当な額の投資が行われている分野の1つだ。
Googleの中東・北アフリカ地域開発者エコシステム責任者であるSalim Abid氏によれば、同社は、この地域で2021年に70万人以上の開発者のトレーニングを行った実績があり、その35%が女性だったという。
参加者を教えたのは、Google社員やGoogle Developer Expertに加え、Google Developer GroupsやWomen Techmakersのコミュニティ、Google Developers Students Clubs、その他の地元の組織が主催したイベントに参加した、地元の専門家たちだった。
Abid氏は、「この数年でデジタルトランスフォーメーションが加速しており、技術的なスキルがビジネスや国家経済のあらゆる場面で必要不可欠になっていることは明らかだ」と述べ、機械学習やUX/UI、プログラミングといった、高度な技術に関するスキルの重要性を強調した。
「Googleは、個人がワークショップやトレーニングプログラムに参加する機会を増やし、彼らが自分たちのビジネスを成長させたり、キャリアを広げるために必要なスキルを得られるようにすることを重視してきた」とAbid氏は言う。
そうした例の1つが、サウジアラビアでのTuwaiq Academyの立ち上げだろう。このアカデミーでは、1000人以上の参加者に「Google Machine Learning API」や「Google Workspace」に関するトレーニングが行われたほか、アジャイル開発やデザイン思考について取り扱うリーダーシップ教育も行われた。
中東・北アフリカ地域のGoogle Developer Experts(GDEs)のネットワークも拡大された。Abid氏の説明によれば、このネットワークは「先端技術、特に機械学習とプログラミングに関連するあらゆる分野の優秀で活動的な業界リーダー」の集まりだという。このネットワークは、この数年で19人から33人に広がった。2021年には、これらの取り組みで、オンラインでのトレーニングや講演を通じて15万人以上の開発者に先端技術のトレーニングが行われた。
ほかの大手IT企業も、この分野での活動を行っている。Appleは2月に、初めての女性だけの「Developer Academy」をリヤドで開設しているし、Microsoftも、2021年に終了したUAEの「One Million Arab Coders」のイニシアチブにパートナーとして協力した。
また、IBM、Cisco、Metaなどをはじめとするシリコンバレーの有力企業が、コーダーのコミュニティを作ることを目指すUAE政府主導の新プロジェクト「Coders HQ」を支援している。この取り組みは、2021年にUAEが世界の優れたコーダー10万人にゴールデンビザを発給すると発表した後に続いて明らかにされたものだ。
こうした目を引く取り組みの他にも、比較的小規模な草の根的な活動が進められている。