開発プロセスにAIを利用中/利用予定の開発者は70%に–Stack Overflow調査
今回は「開発プロセスにAIを利用中/利用予定の開発者は70%に–Stack Overflow調査」についてご紹介します。
関連ワード (調査等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「ChatGPT」が名をはせた最大のメリットの1つに、そのコーディング能力がある。ChatGPTが公開されて間もなく、人々は同サービスがコードのデバッグといった高度なコーティング作業もこなせることにすぐに気付いた。
その結果、コーディング作業に多くの時間を費やしている開発者らは同テクノロジーを採用するようになってきている。
Stack Overflowは2023年版の「Developer Survey」(開発者調査)において、9万人を超える開発者を対象に調査を実施し、人工知能(AI)に対する開発者らの見解も含む業界の知見を取りまとめた。
それによると、全回答者のほぼ70%が開発プロセスにおいてAIを使用している、あるいは年内に採用する計画だと答えており、AIを使用しておらず、使用する計画もないとした回答者は29%にとどまった。
また、AIツールを利用する割合は、コーディングを学んでいる最中の開発者の方が、プロフェッショナルの開発者よりも大きいことが示されている(82%対70%)。プロフェッショナルの開発者らであってもAIツールを利用しているという結果から、こうしたツールの価値はコーディングに限定されていないことが浮き彫りにされている。
AIに抱く個人的な見解という点で見た場合、全回答者の76%は自らの開発ワークフローの一環としてAIツールを利用することについて好意的、あるいは非常に好意的に捉えている。
開発時のワークフローにおいて、AIツールを利用するユースケースとして最も多く挙げられていたのは、コードの記述(83%)と、デバッグおよび支援(49%)、コードのドキュメント生成(34%)、コードベースの学習(30%)、コードのテスト(24%)だった。
AIツールは好意的に捉えられており、幅広く導入されている一方で、多くの開発者はその正確さについて消極的な態度を示している。
出力の正確さをかなり、またはある程度信頼しているのは回答者のわずか42%であり、どちらでもないというのは31%、ある程度の疑いを持っている、または不信感を抱いている回答者は27%だった。
この結果に見られる不信感は、AIモデルが幻覚(ハルシネーション)という問題を起こしやすいところから来ていると考えられる。ここでの幻覚とは、AIモデルが時として生成する不正確な出力や誤った情報を指している。
こういった幻覚の結果は、誤った回答を出力するというちょっとしたものもあれば、OpenAIを訴訟問題に引き込むほど大きなものにもなり得る。このため、AIの精度を保ちながらその支援を最大限に引き出すには、人とAIが協調して作業していくのが一番と言えるだろう。