Amazon RDS MySQL/PostgreSQLのトランザクション性能が2倍に、可用性とスケーラビリティも高める新「マルチAZ配置オプション」登場

今回は「Amazon RDS MySQL/PostgreSQLのトランザクション性能が2倍に、可用性とスケーラビリティも高める新「マルチAZ配置オプション」登場」についてご紹介します。

関連ワード (同時、要因、説明等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


Amazon Web Servicesは、Amazon RDSのトランザクションの処理速度を最大で2倍にし、3台のクラスタ構成で可用性を高め、リードのスケーラビリティも向上する、新たな「Multi-AZ Deployment Option」(マルチAZ配置オプション)を発表しました。

New AWS News post by @sebsto:

New Amazon RDS for MySQL & PostgreSQL Multi-AZ Deployment Option: Improved Write Performance & Faster Failoverhttps://t.co/sffr5boYlU

— AWS Blogs (@AWSBlogs) March 2, 2022

従来のAmazon RDSマルチAZ配置オプションは、プライマリデータベースとは異なるアベイラビリティゾーン(AZ)にスタンバイインスタンスが用意され、プライマリデータベースからスタンバイインスタンスに対してリプリケーションが行われます。

そして万が一プライマリデータベースで障害が発生した場合には、スタンバイインスタンスにフェイルオーバーすることで、高い可用性を実現する、というものでした。

このとき、スタンバイインスタンスは外部からのリード要求などを処理しません。そのため、従来のAmazon RDSマルチAZ配置オプションで高まるのは可用性だけであり、リードのスケーラビリティを向上させるものではありませんでした。

リードのスケーラビリティを向上させるには、スタンバイインスタンスとは別にリードレプリカとなるAmazon RDSのインスタンスを立ち上げる必要がありました。

リード要求をスタンバイインスタンスが処理できるようになる

今回、新たに発表されたマルチAZ配置オプションは、スタンバイインスタンスが2つとなり、それぞれがプライマリデータベースとは異なるAZに配置され、レプリケーションが行われます。

そしてこの2つのスタンバイインスタンスはいわゆるホットスタンバイとなるため、クラスタ構成により分散してリード要求を処理できるようになります。

つまり、新しいマルチAZ配置オプションはこれだけで可用性とスケーラビリティを同時に高めることができるようになるのです。

フェイルオーバーにかかる時間もおおむね35秒にログのレプリケーションにかかる時間を加えたものとなり、高速化されます。

fig

新しいマルチAZ配置オプションではトランザクションの処理速度を最大で2倍にするとも説明されています。

この性能向上がなにによって実現されているのか、明確な説明はありませんが、1つはトランザクションログの保存時にローカルストレージであるNVMe SSDを活用し、まず高速なローカルストレージにログを書き込んでから、データベースのストレージであるAmazon EBSへフラッシュすることで、従来よりも高速なログの書き込みを実現していること。

もう1つは、クラスタ内でトランザクションをコミットする際にQuorumを用い、レプリケーション先である2台のうち少なくとも1台から返事が来た段階でコミットすることにより、従来のストレージレベルでのレプリケーションよりも高速なコミット処理が可能なことなどが要因となっていると思われます。

現在、新しいマルチAZ配置オプションは、米東(北バージニア)、英西(オレゴン)、欧州(アイルランド)リージョンのAmazon RDS MySQLとPostgreSQLで利用可能になっています。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
JR貨物、データ連携ツールを導入–基幹システムのインターフェース構築コストを削減
IT関連
2024-01-13 08:07
Robinhoodが連邦議会に召喚される
フィンテック
2021-02-20 20:39
創業2年半でユーザー数3000人超 ノーコード×AI開発の「MatrixFlow」が考える“真のAI民主化”とは :マスクド・アナライズの新弟子入門!(1/3 ページ)
くわしく
2021-04-06 11:54
駿台予備学校、ITで個別最適学習を支援するカリキュラム「MyFitプラン」を提供
IT関連
2024-02-22 10:49
AIと自動化は小さく始める–的を絞ったアプローチで大きな成果を
IT関連
2024-01-12 15:14
PureStorage、Storage-as-a-Serviceでランサムウェア攻撃からのリカバリ契約を拡大した「サイバーリカバリー&レジリエンスSLA」など発表
ストレージ
2024-06-21 03:57
センサーの追加なしでフィットネスバイクのケイデンスを測定するシステムのMotosumoが6.5億円を調達しPelotonに戦いを挑む
ソフトウェア
2021-03-26 09:09
「SaaSの影響力拡大が脅威になるのではないか」–AWSジャパン幹部に聞いてみた
IT関連
2023-03-24 00:25
ピアノの演奏動画から楽譜を自動作成 ディープラーニングで 京大と理研が技術開発 :Innovative Tech
イラスト・デザイン
2021-03-18 21:05
コロナ禍によるIT支出の影響は西日本で大きく–IDC
IT関連
2021-01-19 13:07
Datadog、AWSサーバーレスアプリ向けセキュリティ・可観測性サポートを拡張
IT関連
2023-11-30 06:22
「Windows 11 22H2」、新たなビルドがRelease Previewチャネルに
IT関連
2022-08-27 09:48
ByteDance傘下のVRスタートアップ「Pico」がQualcommとの関係を強化
IT関連
2022-03-03 09:39
金融機関APIの活用促進に向けて–「参照系API」の技術的改善を提言
IT関連
2023-08-15 23:32