クアルコムが披露した次世代の5G、エッジAIロボティクスソリューション

今回は「クアルコムが披露した次世代の5G、エッジAIロボティクスソリューション」についてご紹介します。

関連ワード (ネットワーク等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Qualcomm Technologiesはロボティクス市場で大きな一歩を踏み出そうとしている。同社は「Qualcomm 5G Summit」イベントで新たなロボティクスプラットフォーム「Qualcomm Robotics RB6 Platform」を発表した。次世代の自律型製品として、5Gやエッジでの人工知能(AI)技術を活用した自律型モバイルロボット(AMR)やドローンを開発するためのオフザシェルフ型の開発者向けキットだ。

 現実的に見た場合、このプラットフォームはAMR市場や、興隆しつつある法人向けドローン市場の拡大に向けて大きな変化を引き起こす可能性がある。こうした市場は現在のところ、AMRや、オフザシェルフ型のドローンソリューションを構築し、それらをas-a-Serviceモデルでリースする一握りのロボティクス企業によって支配されている。しかし、Qualcommが堅牢な開発者向けキットや、基盤となるロボティクスアーキテクチャーを提供することで市場が拡大し、特定の顧客向けのカスタム化や、企業内部でのロボティクス開発につながっていく可能性もある。

 Qualcommの事業開発担当シニアディレクターで、自律型ロボット、ドローン、インテリジェントマシンの責任者であるDev Singh氏は、「Qualcomm Technologiesの先進的なロボティクスソリューションにおける優れた成長とけん引力をベースにして拡張されたソリューションロードマップによって、ロボティクスやドローン、インテリジェントマシンなど全体でよりスマートな、そして安全で高度なイノベーションをサポートするための強化されたAIおよび5G技術を導入できるようになる」と述べている。

 Qualcommはロボティクス分野を強化するための足がかりとして5Gを活用しようとしている。5Gがもたらす速度と帯域幅は、自律システムにとって非常に重要だ。現場で自律システムが現在抱えている制約の1つに、オンボードでのデータ処理コストの高さがある。また複数の自律プラットフォーム間での協調は、高速ネットワークに大きく依存している。クラウドベースのソリューションで、この(データ処理コストの高さという)ギャップは埋められるが、ネットワークの問題は開発と配備の足を引っ張っている。

 5Gの登場によって、法人向けドローンを含む自律システム開発の新たな段階が幕を開けるだろう。これまで腰が重かった米連邦航空局(FAA)も、商用ドローンの利用を広く受け入れる姿勢を見せており、この業界を大きく羽ばたかせるための準備を整えている。

 Qualcommはこのような点に着目し、RB6プラットフォームでロボティクス市場における新しい強力なプレーヤーになろうとしているようだ。このプラットフォームは、INT8ベースで70〜200TOPS(1秒間に70〜200兆回)の演算を実行する「Qualcomm AI Engine」によって、(ナビゲーションやコンピュータービジョンに不可欠な)エッジでのAIや動画処理能力をもたらす。

 このプラットフォームは5GとAIで、政府のサービスアプリケーションや、物流、ヘルスケア、小売、倉庫、農業、建設、公共事業といった業界で産業向けユースケースの開発に従事するOEMやロボットメーカーに理想的な製品だ。これらの業界は、ロボティクスの成長分野として期待されている。

 Qualcommは、リファレンスデザイン「Qualcomm RB5 AMR Reference Design」についても発表した。

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