働き方改革先行企業は業績向上を実感–デロイト トーマツらが調査
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デロイト トーマツ グループと働き方の研究組織「at Will Work」は、日本企業321社を対象にした「ワークスタイル変革実態調査」の最新結果を発表した。それによると、働き方改革の取り組みが進んでいる企業では、業績や生産性向上などの効果を実感していることが分かった。
まず取り組み状況は、改革完了としたのが9%、改革中が68%、検討・計画済みが3%、検討・計画中が15%だった。何からの行動をしている企業は94%で、前回2019~2020年調査から5ポイント増加した。改革の必要がなく検討・計画もしていない企業は0.3%だった。
働き方改革の目的は、トップが「従業員満足度の向上」(83%)で、前回から5ポイント減少した。「コンプライアンス対応」も15ポイント減の35%、「採用競争力の強化」も5ポイント減の45%だった。一方で、「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」が40ポイント増の56%、「コミュニケーション活性化」が23ポイント増の55%、「イノベーション創出」が18ポイント増の42%、「グローバル化対応」が14ポイント増の24%であるなど、業績や生産性の向上を明確にする傾向にあった。
働き方改革の取り組みに対する全体的な効果の実感度は、「感じられる」が19%、「部分的に感実」が66%、「測定できていない」が8%、「あまり感じられない」が6%、「全く感じない」が0.4%だった。
調査では、上記で全体的な効果を感じられるとした19%を「働き方改革先行企業(WS変革先行企業)」とし、それ以外(非先行企業)と比較した。その結果、個々の効果の実感度としても、WS変革先行企業が全ての指標で非先行企業を上回った。特に非先行企業では割合が低い「付加価値(売り上げ、利益など)の向上」「イノベーション創出」がWS変革先行企業では51%に上った。
就業方法は、現状でリモートワーク主体が24%、リモートワーク/オフィス出社のハイブリッド型が44%、オフィス出社中心が32%。将来の予定はリモートワーク主体が18%、ハイブリッド型が41%、オフィス出社中心が41%で、オフィス出社に戻す意向が強い。
しかし、WS変革先行企業で見ると、現時点でリモートワーク主体が46%、ハイブリッド型が43%、オフィス出社中心が11%で、将来の予定もリモートワーク主体が49%、ハイブリッド型が43%、オフィス出社中心が9%と、リモートワークをより推進する傾向にあった。
管理方法についても、WS変革先行企業は、非先行企業に比べて業務目的と成果が明確で、それに基づく仕事のやり方、責任、進ちょく管理、担当者の割り当て、短周期・高頻度のフィードバック、評価を実践している割合が総じて高いことが分かった。