従業員の幸福度を高める–経営陣に求められる価値観の変化への対応

今回は「従業員の幸福度を高める–経営陣に求められる価値観の変化への対応」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 給料をもらうことは、今後もモチベーション維持の重要な要素であり続けるはずだが、それは仕事への満足度を維持する要素の1つでしかない。

 CognizantのCenter for the Future of Workが先頃発表した調査「The Purpose Gap」によって、20~40歳のビジネスパーソンは給料(49%)よりも仕事の内容(59%)への情熱を重視していることが分かった。

 Center for the Future of WorkのディレクターであるEduardo Plastino氏は、この調査結果から優先順位の大きな変化が浮き彫りになった、と語る。「価値観は不変ではなく、常に進化している。若い人たちの優先傾向が変わっても驚くべきではない」

 では、情熱と目的意識の重要性に対する認識がこのように変化した原因は何なのだろうか。Plastino氏によると、重要な要因の1つは、職場の外で起きていることだという。

 若い人たちはこの10年間で、世界的なパンデミック、現在も進行中の気候変動、不確実な経済情勢、不安定な地政学的状況など、前例のない一連の危機を経験してきた。

 この新しい世代は、ソーシャルメディアを使いながら育った世代でもある、とPlastino氏は述べた。若い世代の人には、世界中の人々と関わり合って、正義、持続可能性、平等など、自分にとって本当に重要なテーマについて議論する機会がある。

 こうした話題に対する彼らの感情的な反応が、仕事に対する気持ちにも影響している。世界が多くの点で間違った方向に進んでいると思える時代において、若者たちは状況を良い方向に変えるために何かをしたいと感じている。

 残念ながら、多くの経営者は、従業員が仕事を通じてこれらの要望を満たせるようにしていないことが、前述の調査で示されている。調査では、若手が経営者に期待することと、上司の実際の対応との隔たりが広がっていることが指摘された。

 若者のほぼ3分の2(65%)は、経営者が社会に良い影響を与えることが非常に重要だと答えているが、日々の目的を仕事で果たせていると強く信じているのはわずか18%だ。

 Plastino氏によると、若い従業員にとっての情熱や目的の意味を多くの経営者が理解できずにいることが、今回の調査で明らかになったという。経営者は持続可能性や包括性といった多額のコストがかかる取り組みで成果を出せていないだけでなく、従業員に仕事を通してエンパワーメントの感覚を与えることもできていない、とされている。

 「若い従業員は、自分の成長や有効な貢献が可能な環境にいると感じていないし、マネージャーが自分の懸念に耳を傾けていると感じていない」。Plastino氏はこのように語る。

 ここで、一歩下がって、「それが何か問題なのか」と考えるのは簡単かもしれない。

 仕事の世界がどう回っているかについて限られた経験しかない若者が、仕事の進め方をすでに確立している経営者のアプローチに異議を唱えるとは、どういうことなのか。そのような経験の浅い若手の声に上司が耳を傾ける必要などあるだろうか。

 これらの問いへの答えは簡単だ、とPlastino氏は述べた。経営者は、若手の要求に注意を向け始めるしかない。「若い人たちは本当に力を持っている。労働者全体が以前よりもはるかに大きな影響力を持つようになった」

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