広帯域で柔軟なクラウド接続を閉域網で実現–IIJが新たな接続サービス
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インターネットイニシアティブ(IIJ)は6月15日、オンプレミス環境とクラウドサービスを直結する接続サービス「IIJプライベートバックボーンサービス/Smart HUB」を発表した。同月30日に提供を開始する。
同サービスでは、クラウドサービスごとの接続帯域ではなく、クラウド全体に必要な帯域を確保した上で、必要な帯域を必要な時にクラウドサービスへ割り当てることが可能。なお、サービスの実現に当たって、シスコシステムズのデータセンター向けSDNソリューション「Cisco ACI(Application Centric Infrastructure)」とジュニパーネットワークスの「vSRX仮想ファイアウォール」を採用。両社の協力のもとで新たに広帯域接続に特化した新基盤を開発したという。
IIJ 執行役員 ネットワーク本部長の城之内肇氏は、クラウドの利用が拡大する中でネットワークの「安定性・安全性」に対する要望が高まっていることに加え、コロナ禍で情報系システムのクラウド移行が進み、トラフィックが大きく増えたことで「広帯域・柔軟性」を求める声も高まってきたと話す。
そこで同社は、これまでインターネット接続で培ってきた技術を用い、さらなる広帯域と柔軟性を実現する新たなネットワーク基盤を開発。この基盤を用いた新サービスとしてIIJプライベートバックボーンサービス/Smart HUBを提供するとした。
ネットワーク本部ネットワークサービス2部長の小野原雄平氏は、同サービスの特徴として「各種クラウドへ広帯域接続」「オンラインから帯域を自由に割り当て」「各種IIJサービスとの連携による複合提案」の3点を挙げた。
同サービスは、Microsoft Azure、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft 365と直接接続が可能である。通信帯域として最大100Gbpsの「帯域プール」を契約し、各クラウドサービスに10Mbps単位で割り当てられる。なお、帯域割当はユーザーがオンラインで自由に変更でき、即座に反映される。当初は東日本リージョン(東京)で提供され、10月に西日本リージョン(大阪)が追加される予定。東西リージョン間の通信費用は不要で、東西での冗長構成(DR構成)にも対応できる。
10月以降には接続先の拡張として「Microsoft Azure Peering Service」「AWS Direct Connect」「Microsoft Azure ExpressRoute」に対するパブリックピアリングの提供が開始される予定。このほか、東西リージョンの接続などは「IIJプライベートバックボーン」経由で実現される。IIJプライベートバックボーンには「GCP Partner Interconnect」「Oracle Cloud Infrastructure FastConnect」に対する接続が用意されているため、これらのクラウドにも閉域でのアクセスが可能となっている。
小野氏は「今後ともお客さまの広帯域ニーズをくみ取りながらラインアップの追加を検討してきたい」としている。