業務の自動化に向けた策定と整理–人の介在の「有無」を見極める術

今回は「業務の自動化に向けた策定と整理–人の介在の「有無」を見極める術」についてご紹介します。

関連ワード (DXと業務プロセス自動化の本質、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 前回は、業務プロセスを自動化する際に、一度粒度を上げて大きな塊として業務の流れをつかみ、流れを整理した上で単純化することが自動化への道を作ることになると説明した。

 しかし、これだけでは大きな流れをつかむことができても、その後の方策について新しい気付きが見いだせるわけではない。今回は自動化の方針について、どのように策定し、何を整理すれば良いのかを解説していこう。

 前回解説したように、PCが業務に入り込み、PCのスクリーン上で業務を遂行するようになったのは、つい最近である。そのため、まだ一部には情報を中心とせず、紙という物理的な媒体を中心とした業務の流れで全てを把握されている人も多いと思う。

 しかし、今回デジタルトランスフォーメーション(DX)という形で今までのアナログ、物理的な媒体を中心とした業務処理とは全く違う情報の流れを中心とした業務の処理の仕方を取り入れなくては、業務の処理スピードにおいても業務の正確さにおいても環境の変化に太刀打ちできない状態になることは明らかだろう。

 今まで確立されてきた業務の流れは、基本的に紙を媒体としており、どこかで止まっても、その紙さえあればそこから先の作業を再開することができた。しかし今後は、情報をそのままにすることはなく、すぐに利用、加工し、そしてまた配布するということが必要になってくる。

 そのようになると、まず目指さなくてはいけないことは、情報を都度物理的な媒体に載せるのではなく、いかに加工して配布するのかということになる。その業務の処理に人間がいちいち介在する必要があるのかどうかを、もう一度整理し直す必要があるのは明白であろう。

 今まで紙で行われていた業務は、そのままでは何も動かず、人が何らかの処理を毎回することによって次の処理へ進むことになる。しかし、DX後の世界になると、情報は決められた箇所に定められた形で置いておくことによって、次の処理を進めるための起点とすることができ、一つ一つの手順や処理を止めることなく、文字通り流すことができるようになる。一つの作業が終われば、その作業が完了した情報に対して、次の処理を自動的に開始することは難しいことではない。

 こうなると、情報の流れを止めない限り1つの大きな塊を作ることができ、その中ではいったん情報が入って作業が開始される限り、流れの終点までは一貫性を持って全てを自動化できるはずだ。

 ただ、ここで注意しなければいけないことは、前回説明した通り、1つの設定において、1つの自動化ということをしてしまうと、自動化するための流れを一本化できず、それぞれの設定に対して個別的な自動化をすることになってしまうことだ。それでは本末転倒になってしまう。

 つまり、一つの塊を的確に捉えて自動化するということに専念しなくてはいけない。塊を自動化する時には、設定値を変えるだけで同じ処理をするということを念頭に、処理の流れを整理しておくことは言うまでもない。

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