「AI×RPAとその先へ」–AIはRPAの可能性をどう引き出すか?

今回は「「AI×RPAとその先へ」–AIはRPAの可能性をどう引き出すか?」についてご紹介します。

関連ワード (AIと人間が協働する未来、ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 ロボティックプロセスオートメーション(RPA)の誕生により、人間はコンピューターを使った単純な反復作業から解放され、よりやりがいのある作業に取り組むことが可能になりました。そしてRPAツールの普及によって、自動化ツールは非常に身近な存在となり、PCの画面上でアイコンをドラッグ&ドロップするだけで、日常的な作業を自動化できるようになりました。

 RPAツールの導入率はかなり高く、加えて近年では、RPAに人工知能(AI)を組み込むことによりさらなる高度な作業も自動化が可能になっています。連載の第2回は、AIとRPAの現状と未来について考察していきます。

 そもそもRPAとは、ソフトウェアロボットを使ってデスクワークなどの業務を自動化するテクノロジーのことで、人間が行うコンピューターの画面操作をロボットが模倣し、システム間で発生するやりとりを自動で処理したりします。

 RPAとは、一般的に定型業務を自動化するシステムです。RPAとAIを組み合わせることで、データに基づいた判断や作業の振り分けなど、RPAの機能をさらに向上させます。今やRPAは、単純な繰り返し業務のみならず、人の勘や知識が必要な業務でも、作業の各段階に変数を用いることで対応可能であり、AIを実装すれば、必要な項目を学習させたり、動作を追加したりできるようになりました。

 AIはRPAを進化させ、RPAの可能性はさらなる広がりを見せています。その実例を次に挙げてみましょう。

 例えば、デジタルマーケティングにおけるメール施策にAIが活用されています。マーケターが顧客や見込み客にメールを自動配信する際、RPAツールを使ってターゲットのリストを照合し、メールを作成して送信するのが一般的です。これにAIを加えることで、データを分析してメールの内容を最適化し、コンバージョンにつながる可能性を最大限に高めることができます。

 そのためには、十分なデータと、誰に何を最適なタイミングで送るべきかのモデルを作成できる強力な分析ツールが必要となります。 従来は、人間が必要なデータを分析しメッセージを送信するタイミングについて仮説を立てていました。しかし、AIを使うことによって、AIが分析を行い、仮説を立て、テストを行い、次に行うキャンペーンをより成功に近づけるために修正することまでが自動でできるようになったのです。

 RPAは人間に大変多くのメリットをもたらす画期的なツールですが、全てのプロセスを自動化すればいいというものではありません。企業は、明確なビジョンの下、最も価値のあるプロセスに絞って自動化を行うべきです。また、自動化によって仕事を失った人が、新しい役割や活動を見つけるためのサポートも同時に行っていくことが必要です。

 自動化によって生み出された時間は、より価値の高い仕事の遂行に使われるべきであり、より価値の高い仕事が生み出せないとすれば、そこに自動化の意味は存在しません。

 次世代のRPAでは、定型的な作業を自動化するだけでなく、AIや機械学習を活用した最適化によって、作業の質をより一層高めることができるようになります。ニューラルネットワークの応用などにより、RPAはさらなる進化を遂げます。より価値のあるサービスの提供を目指す企業にとって、より良い結果をもたらすと確信しています。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
日商エレとJTP、情報システム部門向け「IT運用業務自動化サービス」を提供開始
IT関連
2022-10-08 09:46
NEC、本社など4カ所で社員1万人にワクチン優先接種へ 政府の“職域接種”に協力
ライフ
2021-06-05 10:26
ポルシェが2台の電動アシスト自転車を発表、価格は約92万〜115万円
モビリティ
2021-03-06 03:56
富士通と武田薬品ら、卵巣がん患者の「ペイシェントジャーニー」可視化に向けた研究開始
IT関連
2021-05-18 10:54
「チェック・ポイントはファイアウォールだけではない」–佐賀新社長が方針表明
IT関連
2023-07-15 00:41
今年ばかりは「エアコンの試運転」をした方がいい理由
くらテク
2021-05-23 21:19
デジタル教科書の活用で児童・生徒の思考時間が増加–DNPら、研究成果を発表
IT関連
2024-02-01 00:05
「Windows 11」向け「メモ帳」、AIによるリライト機能が先行公開に
IT関連
2024-11-09 15:55
サイバートラスト、SBOM対応を強化した脆弱性管理サービスを発表
IT関連
2024-10-19 05:38
NTTデータグループ、Celonisでヘルプデスク問い合わせを年4600時間以上削減へ
IT関連
2024-03-14 10:15
iOS版「Chrome」に4つの新機能–住所の地図表示やカレンダーの予定作成が容易に
IT関連
2023-06-22 01:51
マクニカら、南紀白浜空港の制限エリアで自動運転走行を実証
IT関連
2022-07-21 01:18
SMBCグループと日本総研、NECが量子アニーリングの業務活用に向け共同研究
IT関連
2021-03-24 22:32
電池交換式の探し物トラッカー「MAMORIO RE」が1個3828円で発売、リング付きのレザーチャームも
IoT
2021-05-22 17:10