NTTデータグループ、Celonisでヘルプデスク問い合わせを年4600時間以上削減へ
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Celonisは、NTTデータグループが社内ヘルプデスクシステムにCelonisのプロセスマイニングツールを導入し、問い合せ対応の効率化を推進していると発表した。NTTデータグループでは、社内ヘルプデスク問い合せ対応の時間を年間で4600時間以上削減できる効果を見込んでいる。
NTTデータグループは、国内事業のNTTデータと海外事業のNTT DATA, Inc.などグループ約70社を抱える持株会社だが、グループ企業向けのバックオフィス部門を複数持ち、グループ全体の情報システムを担当するITマネジメント室が社内システムを運用管理している。
ITマネジメント室は、2019年にServiceNowをベースとして構築したITサービス管理システム「ITMNow」の運用を開始し、従来メールベースだった社内向けヘルプデスク機能を刷新した。ただ、社内システムのクラウド化に伴って、社内からの問い合せ件数が減少しないという課題が生じていた。
減少しない理由は、利用者がFAQ(よくある質問と回答)を参照していないことだったものの、なぜ利用者がFAQを参照しないのかが不明だったという。そこで、ヘルプデスク利用者の導線を可視化することにし、方法を検討する過程で、Celonisのプロセスマイニングツールに注目したという。
NTTデータグループは、現体制となる前の旧NTTデータにおいて、2022年10月にCelonisのコンサルティングサービスを開始し、2023年2月には国内初のCelonisの「Platinum Partner」を取得していた。そこで、Celonisのツールをヘルプデスク利用者の導線の可視化に利用できるか検証し、利用者の動きに着目して分析できるが分ったとしている。
Celonisによると、ServiceNowにはログ分析テンプレートが用意されている。NTTデータグループのITマネジメント室は、これを使って課題解決に挑み、2022年10月にCelonis導入への価値実証(Proof of Value:PoV)を開始し、ITMNowのログの取得、データ投入、データ加工を難易度別に3段階で実施するようにした。
2022年10~12月に、まず第1~2段階について検証を行い、利用者がFAQを参照してから問い合わせを起票した率を測定したところ、90%以上がヘルプデスクへの問い合せには至らないという結果になった。これにより、Celonisのツールでヘルプデスク利用者の導線を可視化する方法の有効性が認められたとする。
ITマネジメント室は、その後にCelonisを活用してITMNowのFAQの導線の整理とコンテンツの改良に取り組み、問い合わせ件数が減少するように修正を実施した。2023年7月にリリースしたヘルプデスクのコンテンツにおいて、起票画面の表示からインシデントの起票までの導線を可視化したところ、問い合わせ件数が確実に減少するという効果が確認されたという。また、ヘルプデスクの運用担当者には、プロセスマイニングの分析結果を参考にして改善に取り組むという意識が浸透する効果もあったとする。
ITマネジメント室は、一連の施策でヘルプデスク問い合せの対応時間を年間4600時間以上削減できると試算している。今後もユーザーインターフェースやナレッジの改善を継続し、問い合わせ発生時のやりとりを少なくして、回答までの時間を短縮することにつなげたいという。
NTTデータグループは、このほかにServiceNowを使った従業員向け情報アクセス基盤サービス「EX-Platform」やSalesforce領域でもCelonisの活用を進める。さらに、2024年度の基幹系システムの刷新後にSAP領域にもCelonisを適用していくことを検討している。