EY、経済安保リスクにおける企業支援サービスを拡充
今回は「EY、経済安保リスクにおける企業支援サービスを拡充」についてご紹介します。
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EYストラテジー・アンド・コンサルティングは8月18日、経済安全保障に関する経営リスク管理のコンサルティングサービスにおいて、新たに「国際情勢の未来リスクシミュレーションに基づく実践的BCP(事業継続計画)立案支援」を本格的に提供すると発表した。
コンサルティングサービスは、大国や地域における独自の規制や枠組み、紛争やパンデミック(感染症の世界的な流行)といった企業活動に影響をもたらすリスクへの対応を支援するもの。安全保障や軍事、国際政治、金融、サイバーセキュリティなど分野の高度な知見を有する専門家が企業の対応を支援している。
同社が同日開催した説明会で、サイバーセキュリティや安全保障に詳しいストラテジックインパクト パートナーの西尾素己氏は、米国や欧州、中国などの大国・地域が軍事だけでなく経済分野でも自らに有利な状況を形成しており、日本の産業や企業が競争力を維持する上で、世界動向を踏まえた対応が必須だと解説した。
例えば、米国政府機関の調達では、企業に米国国立標準技術研究所(NIST)のセキュリティガイドライン「NIST SP800」への対応を求めており、防衛省の「防衛産業サイバーセキュリティ基準」もこれを参考にしている。2022年は、コロナ禍だけでなく、ロシアのウクライナへの侵攻も世界のサプライチェーン(供給・調達網)に深刻な影響をもたらしている現状があるため、西尾氏によれば同社にさまざま業界の企業から問い合わせが寄せられているという。
新たに提供を本格化させる「国際情勢の未来リスクシミュレーションに基づく実践的BCP立案支援」では、「現在」「近未来」「未来」の時間軸で、企業や組織が現在および将来において影響を受ける可能性のあるリスクと、それが顕在化する要因や展開などのシナリオを取りまとめ(フェーズ1)、シナリオに基づくシミュレーションを通じて想定される影響を分析する(フェーズ2)。そして、リスクによる影響を最小にしていくための計画やロードマップの立案や支援を行う(フェーズ3)。
西尾氏は、同社や専門家陣の世界的なつながりによって得られる、さまざまな国や地域の最新情勢から経済安全保障に関する250以上の要件をもとに企業へヒアリングし、詳細な現状分析による事業継続性の向上の支援に強みがあると説明した。
また、国防領域を専門とするストラテジックインパクト アソシエートパートナーの矢部壮一郎氏は、「他社はリスクに対応するという『守り』の部分を支援するサービスだが、同社はリスクへの迅速な対応を通じてビジネスの優位性を確保する『攻め』の部分も考慮している点が特徴」などと述べた。