T-MobileとSpaceXが提携、「空が見えれば」へき地でも全米で携帯通信を可能に

今回は「T-MobileとSpaceXが提携、「空が見えれば」へき地でも全米で携帯通信を可能に」についてご紹介します。

関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 無線通信事業者T-MobileはSpaceXとの新たな提携により、米国で同社のサービスが圏外となる地域を解消していくと発表した。T-Mobileは同社の既存のミッドバンド周波数帯を用いて、携帯電話をSpaceXの「Starlink」衛星ネットワークに接続し、現在サービスエリア圏外となっているへき地との通信を可能にする計画だ。

 この新たなサービスが立ち上げられた暁には、第2世代のStarlink衛星から直接、携帯電話に信号を送り届けられるようになる。

 T-Mobileの最高経営責任者(CEO)兼プレジデントであるMike Sievert氏は米国時間8月25日の夕刻、テキサス州にあるSpaceXのロケット打ち上げ施設「Starbase」の壇上で「空がきれいに見えている場合、(へき地であっても)携帯電話で通信できるようになる」と述べた。

 T-Mobileは同社のミッドバンドでPCSに割り当てられている周波数帯の一部を、2023年に打ち上げられるStarlink衛星との通信に割り当てる計画だ。ほぼすべての携帯電話は既にこの周波数帯に対応しているため、ほとんどの顧客は現在所有しているデバイスでこの新サービスに接続できるはずだ。

 Sievert氏は「これは空に携帯基地局を設置するようなものだ。とはいえ、はるかに困難な事業となる」と述べた。

 T-Mobileは早ければ2023年にも新サービスのベータ版を、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)と特定のメッセージアプリ向けに提供する計画だ。Sievert氏によると同サービスは、T-Mobileの人気が高いプランの一部として追加コストなしで提供されるという。また同社は今後、音声通話とデータ通信にも対応したいと考えている。

 同サービスは米国全土で利用可能になるが、T-Mobileは世界各地の通信事業者に対して、相互ローミングサービスの実施を呼びかけている。

 「ミッドバンドの周波数帯をSpaceXのStarlink衛星に割り当てるという、われわれと同様の目標を有している企業があれば、相互ローミングサービスを実現できるはずだ」(Sievert氏)

 T-Mobileの新サービスは、Starlinkのターミナルが用いている周波数帯を使用しない。また、地上の基地局の代替として機能するわけでもない。地上の基地局の方が、都会や郊外においてより優れたサービスを提供できるのだ。

 しかしStarlinkのCEOであるElon Musk氏は、同サービスがそれでも「大きなゲームチェンジャー」になるだろうと述べた。同氏は、このサービスが「完全に圏外となるへき地に基本的なサービス」をもたらす点を強調した。

 同氏は「われわれは、携帯端末がポケットの中にあっても、また車内に置かれてあっても動作するという自信を持っている」と述べ、「屋外を歩いている場合には、問題なく動作するのは間違いない」と付け加えた。

 ただ同氏は、このサービスの構築が「技術的にはかなり困難な挑戦」になると述べた。

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