オープンソースのデータ基盤で開発者を幸せにする–Aivenが日本上陸
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オープンソースベースのデータ基盤をクラウド環境で提供するフィンランドのAivenは、2022年4月に日本法人「Aiven Japan」を設立し、日本市場での事業展開を本格化させる。共同創設者で最高経営責任者(CEO)のOskari Saarenmaa氏と、Aiven Japanカントリーマネージャーの嘉門延親氏に同社の特色や日本での取り組みなどを聞いた。
同社は2016年に設立され、ヘルシンキに本拠を構える。Saarenmaa氏をはじめ創業メンバー全員が開発者といい、「自身の経験に照らし、データ活用が叫ばれる中で開発者がデータ基盤の構築や運用といった部分にリソースをなるべく割くことなく開発に専念でき、開発者が幸せな営みを送ることができるようAivenを設立した」とSaarenmaa氏は話す。
当初はPostgreSQLのデータベースを容易に構築できる機能から提供し、現在では「MySQL」や「Redis」「Cassandra」をサポートするほか、データ統合領域では「Kafka」「Flink」、データ分析領域では「ClickHouse」「OpenSearch」「M3」「InfluxDB」、データ可視化領域では「Grafana」をサポートする。Amazon Web Service(AWS)、Microsoft(Azure)、Google Cloudがパートナーとなり、「ハイパースケーラー各社とはデータ基盤領域において補完関係になる」(Saarenmaa氏)という。
創業から6年で世界25カ国に拠点を広げ、社員は500人を超える。顧客は50カ国以上で約1000社を獲得しているとのこと。当初の顧客はスタートアップが中心だったが、早期に大手企業の獲得にも成功し、金融、製造、小売・流通など業種は多岐にわたるとする。
Saarenmaa氏は、「創業して分かったのは、想像以上にあらゆる企業がソフトウェア会社になりデータ駆動型のビジネスに乗り出していることだ」と述べる。データを活用してビジネスを成長させるということに世界中の企業が取り組んでいるが、Saarenmaa氏は、代表的な同社顧客の1社に、同じフィンランド発のフードデリバリーサービスを手掛けるWoltを挙げる。
「Woltはわれわれにとって長く協力している顧客であり、ユーザー、レストラン、デリバリーパートナーにアプリケーションを展開し、それらから発生する膨大なデータを利用してユーザー体験を向上させ続け、ビジネスを急拡大させている」とSaarenmaa氏。小売ならECの販売状況や在庫状況、製造なら生産設備の稼働状況やIoTといったように、各業種の顧客がそれぞれに必要とするデータ基盤をAivenで構築しているとアピールする。
嘉門氏は、直近ではミランティス・ジャパンのカントリーマネージャーを務め、「OpenStack」などクラウドベースのITインフラの普及を手掛けた。「日本でもデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組む企業が増えているが、特にデータ基盤とクラウドを扱える人材が大幅に不足している。そこにわれわれのソリューションが貢献できると考えている」と話す。
例えばデータベースを構築する場合、ユーザーはAivenのクラウドコンソールから利用するオープンソースソフトウェアとバージョンを選択し、それを稼働させるIaaSとリージョン、インスタンスなどを指定すれば、10分ほどで自動的にデータベースがデプロイされる。「冗長化やバックアップ、セキュリティ、設定も自動化しており、バージョンアップもコンソールから無停止で実行できる。昨今ではマルチクラウドの利用も増えており、コンソール経由で例えばAWSからAzureへデータを丸ごと移行させることもできる」(嘉門氏)
日本法人設立から現在までに営業、技術、マーケティングなどの人材を採用し、パートナーとしてCloud Coreとさくら情報システムと提携している。Saarenmaa氏は、「日本の人員を2023年中に2倍に増やすとともに、さらなるパートナーの獲得、そして日本の開発者コミュニティーも早期に立ち上げたい。『Cluster』というエコシステムのプログラムがあり、これにより日本企業のDX、開発者の活躍に貢献していきたい」と述べている。