自動車販売のデジタル化に対する日米独中の心理–NRIが調査
今回は「自動車販売のデジタル化に対する日米独中の心理–NRIが調査」についてご紹介します。
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野村総合研究所(NRI)は、自動車販売の商談および価格交渉に関するインターネットアンケート調査を日本と米国、ドイツ、中国の自動車保有者を対象に行い、結果を発表した。これによると、インターネット商談の利用意向は中国で8割超だったが、4カ国とも6割超が「対面商談も必要」と回答した。
この調査は、男女4128人を対象に、7月26日~8月17日に実施された。アンケート対象者からマスコミ関連や調査・マーケティング、広告代理店の業界関係者を除いている。各国の回答者数はそれぞれ1032人。
インターネットを使った音声・ビデオの商談(インターネット商談)の利用意向は、中国が最も高く、81.7%が「利用したい」「どちらかというと利用したい」と答えた。他国での利用意向は、米国が47.4%、ドイツ23.3%で、日本は17.4%にとどまった。
しかし、インターネット商談があれば「店舗での対面のやりとりが不要」と回答した人は、どの国でも4割未満にとどまった。インターネット商談を「利用したい」割合が高い中国でも、64.1%が「店舗での対面のやりとりも必要」と答えている。
商談において店舗での対面のやりとりが必要だと思う理由は、いずれの国でも「購入する車を実際に見たい・試乗したい」が最も多く、日本で72.0%、米国で70.0%、中国で53.5%、ドイツでは73.3%に達した。
VR(仮想現実)を活用した試乗疑似体験の利用意向については、いずれの国でも「役に立つが、決める前に実車にも試乗したい」という回答者の割合が最も多く、日本で45.2%、米国で35.1%、中国で61.4%、ドイツで39.0%だった。なお米国とドイツは、VR試乗が購入検討の「役に立たない」と回答した人がそれぞれ30.8%、34.9%に上っている。
また、電気自動車(EV)の車種を対象として、販売店での値引きをしない売り方(=一律価格)が登場しているが、これについては、いずれの国でも8割超が、「店舗での価格交渉が可能なブランド」により魅力を感じていることが分かった(日本85.1%、米国87.8%、中国87.3%、ドイツ85.8%)。
さらに価格交渉に関する不満について尋ねたところ、いずれの国でも「交渉に時間がかかる、疲れる」の割合が最も多い(日本35.7%、米国37.8%、中国32.6%、ドイツ28.9%)、さらに日本と米国、ドイツは、「販売店によって価格の違いがある」「見積根拠が不明瞭、説明が不十分」が続いた。中国では「見積根拠が不明瞭、説明が不十分」(25.4%)と「販売店によって価格の違いがある」(24.1%)が同程度で、他国よりも価格設定の透明性に対する不満が高いことが分かった。
価格変化の根拠として納得できる理由については、いずれの国も「原材料や部品の不足・値上がり」が最も多く(日本48.5%、米国40.5%、中国36.8%、ドイツ29.4%)、次に「決算前などのセール特別価格」が続いた。また、納期を早める代わりに追加支払いを求める提案についての受け入れ意向を尋ねたところ、応じるという人は、中国で8割以上(83.4%)、米国とドイツでは5割以上(58.2%・51.2%)、日本では4割弱(38.7%)に上った。