エンジニアのキャリアデザインについて共に対応できることは?–SES分科会

今回は「エンジニアのキャリアデザインについて共に対応できることは?–SES分科会」についてご紹介します。

関連ワード (キャリア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 2022年11月に第96回「システムエンジニアリングサービス(SES)分科会」をリアル開催しました。第1部では“健康経営”についてアクサ生命さまに講演していただき、第2部では今回の記事のテーマである「エンジニアのキャリアデザインについて共に対応できることは?」を議論しました。

 SES業界において、キャリアデザインをエンジニアと共に考え、成長を促すことは、人材不足が叫ばれる昨今では、必要不可欠な取り組みになっている。若手だけでなく、中堅やベテランも含めて考慮していくことは、企業成長のカギとなっているという点も、業界の皆が共通して認識しているでしょう。

 エンジニア自身の目標管理を行う方法として、5カ年計画を実施しているという声がありました。会社がキャリアプランシートやガイドラインを用意し、エンジニア自身が作成できるようにしており、経済産業省が策定したIT人材のスキル体系「ITスキル標準」(ITSS)をベースにしているとのことでした。

 エンジニア本人が目指しているレベルがどこなのか、また会社がどこまで求めているのかをすり合わせし、5カ年計画に落とし込んでいるようです。大手企業ではITSSを参考にエンジニアのアサインを決めるケースが増えてきていますので、SES業界でも、ITSSを参考にした指標などがあってもいいのではないでしょうか。

 中小企業が多いSES業界だからこそ、社長自身が動いている会社は珍しくありません。社長自らが、エンジニアと面談し、キャリアデザインを共に検討しているとのことですが、社長自身の想いを伝えるというのは非常に有効な方法だと思います。

 エンジニア本人のやりたいことや、やれることのギャップに気付いたり、一緒にキャリアを考えるきっかけ作りになるでしょう。また、退職や士気低下の防止にも効果があるのでないかという意見もありました。また会社がどうすればもうかるのかを考えさせたり、会社の仕組みや組織の考えを浸透させたりするのにもいいのではないでしょうか。

 ただ一方では、案件単価を公開することでマイナスになることもあるのではないかという意見もありました。案件単価を公開することで、自分への実入りが少ないと感じてしまうのではないかということです。エンジニア第一主義となっている業界内では、賃金の上昇は歯止めが効かない状態であり、さらなる賃金アップを求めて、最悪は転職につながることもあり得そうです。

 若手エンジニアは特に迷走してしまうことが多いため、会社がキャリアの選択肢を提示し、その中で資格取得などを盛り込むというケースもありました。また、面談・勉強会・イベントなどで目標となる先輩エンジニアとの接点が多くなるよう工夫しているなど、とても大切なことではないかと思います。

 その他では、キャリアプラン形成と併せて副業支援、確定申告支援などを提供する企業もありました。各社の副業規定にもよりますが、エンジニア自身がキャリアアップできるものだと確かに良い取り組みになります。

 キャリアデザインというキーワードでは、1on1で詳細にキャリアプランを聞き取ったり、ビジネススキルを磨くために顧客折衝や交渉スキルなどを営業担当と一緒に学んでもらったり、エンジニアにクラウドなどの特定の技術を学んでもらう機会を設けたりなど、各社で工夫しながらさまざまなことに実践している様子がうかがえました。

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