Linux界のリーダーらが「Flathub」のアプリストア構築に乗り出した理由
今回は「Linux界のリーダーらが「Flathub」のアプリストア構築に乗り出した理由」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
筆者はもう何十年も、さまざまな「Linux」デスクトップを使ってきた。ただし、筆者はLinuxや「Unix」のエキスパートだ。デスクトップとアプリケーションが動いてくれるだけでありがたいと考えるほとんどの人にとって、膨大な種類のLinuxデスクトップが存在し、同じような目標を達成するのにいくつもの手法が混在する今の状況は、魅力的というより煩わしい。
問題の1つは、特定のプログラムを探してインストールし、自分の利用しているデスクトップで確実に動くようにするための手段だ。そこで、GNOME FoundationとKDEの幹部らは、統合的なLinuxソフトウェアのデプロイメントおよびパッケージ管理プログラムである「Flatpak」上にアプリストアを構築することで、この問題を解決しようとしている。
debパッケージやRPMパッケージなど、ユーザーフレンドリーとは言えない昔ながらのデスクトップアプリ配布方法に取って代わるものを作ろうというアイデアは、しばらく前からあった。Flatpakやそのライバルである「AppImage」、「Snap」は、使いやすいだけでなく、どのようなLinuxディストリビューションでも実行できる。これを可能にするために、どのプログラムも、アプリケーションを必要なライブラリーや関連ファイルとともにコンテナ化している。
こうしたアイデアが実際に試みられたのは、今回が初めてではない。例えば、2000年代半ばには、「Linspire」(旧「Lindows」)やこの手の取り組みの先駆けとなった「Click’N’Run」などのアプリストアが存在していた。
今回の提案の狙いは、Googleの元会長Eric Schmidt氏が設立したPlaintext Groupが述べているように、「Flathubが獲得できる報酬、寄付、サブスクリプションを増やすことによって、Linuxデスクトップコミュニティーの多様性と持続可能性を促進する」ことにある。
また、GNOMEの理事長Robert McQueen氏、GNOMEの元エグゼクティブディレクターで「Debian」のプロジェクトリーダーも務めたNeil McGovern氏、KDEの理事長Aleix Pol氏といったLinuxデスクトップ界のリーダーが、このアイデアを支持している。
Flatpakがこれまでのアプリストアの試みと異なるのは、原則としてすべてのLinuxディストリビューションで利用できることだ。この点が、Flatpakの試みをさらに興味深いものにしている。
ではなぜ、主要なライバルであるSnapではなく、Flakpakが選ばれたのだろうか。この疑問に対し、支持者らは次のように述べている。「GNOME FoundationとKDEは、Linuxアプリケーション開発者がアプリケーションを開発し、エンドユーザーに直接公開できるベンダーニュートラルなサービスとして、Flathubを構築、拡大してきた。オープンソースのソフトウェアデスクトップの成功には、健全なアプリケーションエコシステムが欠かせない。それがあってこそ、エンドユーザーは、目の前のデバイスに存在するデータや開発プラットフォームを信頼し、管理できる」
だが、「Ubuntu」やSnapを手がけるCanonicalは、同社のライバルであるRed Hatから生まれたFlatpakのことを毛嫌いしているようだ。実際、Canonicalは最近になって、UbuntuファミリーにFlatpakをあらかじめ組み込まないことを決めた。