自分に最適な「Linux」デスクトップディストリビューションを選ぶには

今回は「自分に最適な「Linux」デスクトップディストリビューションを選ぶには」についてご紹介します。

関連ワード (Linuxノウハウ、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 「Linux」OSは、強力な性能と柔軟性、セキュリティ、信頼性を備えたプラットフォームであり、ユーザーが必要とするほぼどんな用途にも対応できる。Linuxは、サーバーやデスクトップ、IoT、コンテナー、組み込みシステムなど、ユーザーが求めるあらゆるものになることが可能だ。

 このオープンソースOSがどれだけ普及しているかということに気づいてさえいない人もいるかもしれない。Linuxは文字通りあらゆる場所に存在する。自動車や冷蔵庫、クラウドアカウント、ソーシャルネットワーキングアカウント、銀行、「Netflix」「Spotify」「Twitter」など、ユーザーの使用するほぼすべてのネットワークサービスがLinuxに依存している。

 しかし、Linuxがまだそれほど浸透していない分野の1つがデスクトップだ。それは、Linuxが有力な選択肢ではないからではない。実際のところ、Linuxは非常に強力なデスクトップである。筆者は何十年も前から、LinuxをメインのデスクトップOSとして使用しているが、不満を感じたことは一度もない。Linuxは快適に動作し、ほかのOSにはない安定性と柔軟性を筆者に提供してくれる。

 それにもかかわらず、デスクトップ市場におけるLinuxのシェアが1桁台にとどまっているのは、なぜなのだろうか。

 その最大の理由の1つは、平均的な消費者がBestBuyやTarget、Walmartに足を運んで、Linuxがプリインストールされた新しいPCやノートPCを購入するのが簡単ではないことだ。確かに、Linuxシステムを提供する企業はたくさん存在するが(System76、Dell、Lenovo、Purism、Slimbook、Tuxedo Computers、Vikings、Ubuntushop.be、Juno Computersなど)、それらのシステムは比較的高価であるため、消費者が興味を失ってしまう可能性もある。ただし、このことは、問題ではない。なぜなら、Linuxは新しい(そして、古い)コンピューターのほとんどにインストールすることが可能で、しかもそれを実行するのは実際にはかなり簡単であるからだ。

 Linuxのデスクトップが普及しないもう1つの理由は、選択肢の多さだ。すでにLinuxに慣れ親しんでいるユーザーにとって、選択肢が多いことは大きなセールスポイントである。(ほぼすべての分野で)非常に多くのディストリビューションの中から、自分の好きなものを選ぶことができるからだ。

 何千種類ものディストリビューションの中から好きなものを選ぶことが可能で、そのすべてが多種多様なデスクトップ環境、パッケージマネージャー、さまざまな水準の魅力的な外観を提供する。しかし、Linuxにまだ慣れ親しんでいない人にとっては、選択肢の多さが問題になることもある。

 どこから手を付ければいいのだろうか。非常に多くの選択肢があるため、何を検索すればいいかを把握するのさえ、ほぼ不可能である。そこで、筆者はLinuxディストリビューションの選択に関して、可能な限り最高のアドバイスを提示したいと思った。本記事を読めば、自分にとって最適なディストリビューションを見つけるために無数の選択肢を試す作業は不要になるはずだ。

 それでは、前置きはこの辺にして、具体的な方法の説明に移ろう。

 だが、その前に、本記事の趣旨を説明させてほしい。この記事で、Linuxの複雑さについて深く掘り下げるつもりはない。

 新しいOSで最初の一歩を踏み出したばかりの人が初期化システム(「systemd」など)やセキュリティレイヤー(「SELinux」など)、ディスプレイマネージャー(「LightDM」など)、サウンドサーバー(「PipeWire」など)、ブートローダー(「GUB」など)について知っておく必要はない。

 新しいユーザーが知っておかなければならないのは、簡単に慣れ親しむことのできる新しいOSを選択する方法だけだ。何かを深く掘り下げなくても、生産性を発揮できるようになるのが理想的である。

 これに関しては、簡潔に説明する。Linuxの使用を開始する上で最も重要な選択は、デスクトップ環境の選定だ。

 デスクトップ環境の選択肢はディストリビューションほど多くはないが、「GNOME」「KDE Plasma」「Pantheon」「Budgie」「Xfce」「Cinnamon」「Mate」「Enlightenment」「Deepin Desktop」「LXDE」「i3」「LXQt」「Sugar」など、かなりの数に上る。しかし、これらのデスクトップ環境には、新しいユーザー向けではないものも含まれる。

 Linuxを一度も使用したことがない人にとって、検討すべきデスクトップ環境はそれほど多くない。具体的には、以下のものを検討すればいい。

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