Meta(旧Facebook)が大規模向けのビルドシステム「Buck2」をオープンソースで公開。高速かつ高信頼で拡張可能なビルドシステム

今回は「Meta(旧Facebook)が大規模向けのビルドシステム「Buck2」をオープンソースで公開。高速かつ高信頼で拡張可能なビルドシステム」についてご紹介します。

関連ワード (前身、既存、最初等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


Meta(旧Facebook)は、大規模システム向けのビルドシステム「Buck2」をオープンソースで公開したことを明らかにしました。

fig

Buck2は同社内で数千人のエンジニアに使われており、1日あたり数百万回のビルドを実行していると説明されています。

Rustで開発したことによりビルドの速度が約2倍に

Metaは2013年にBuck2の前身となるビルドシステムの「Buck」をオープンソースで公開しています。BuckはJavaで開発されています。

Buck2は、新規にRust言語で開発されたことでガベージコレクションによる処理の一時停止などが避けられたため、より高速なビルドの実行が可能になっています。Meta社内ではBuckと比較して約2倍高速になったとのことです(ただしJavaは優れたメモリプロファイリングツールなどの優位点があると、フォローもしています)。

また、Buckではリモートでのビルド実行があとから機能追加されたのに対し、Buck2ではリモートでのビルドを最初から考慮して開発されたことで、より並列性の高い効率的なビルドが可能になっています。

Buck2のビルドシステムのコア機能は特定のプログラミング固有のビルドルールから完全に分離されており、プログラミング言語固有のルールなどは「Starlark」と呼ばれるコンフィグレーションのための言語によって記述します。これにより、さまざまな言語に対応できる拡張性も備えているとされています。

さらにビルド時の依存関係はつねに明示が必要で、それにより厳密で信頼性の高いビルドの実行を可能にしているとのことです。

Metaの開発事情がBuckを生んだ

MetaはBuckおよびBuck2を自社開発する理由として、同社がC++やPython、 Rust、Kotlin、Swift、Objective-C、Haskell、OCamなどをはじめとするさまざまなプログラミング言語によるコードを単一のリポジトリ(monorepo)で扱っており、同社のような大規模かつ多言語のビルドは既存のビルドシステムでは扱えないことから、自社でこれらの最適化されたビルドシステムを開発することにしたと説明しています。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
エヌビディア、生成AIの繁栄支えるコンピューティング基盤を解説
IT関連
2023-07-25 17:19
トランスコスモス、SAPのクラウドオファリング「RISE with SAP」を採用
IT関連
2022-12-13 18:44
名古屋大学発AIスタートアップのトライエッティングが3.5億円を調達、東急不動産HDと業務提携
人工知能・AI
2021-03-31 14:28
Yahoo!ニュースの記事をユーザーが評価する新機能 PV以外の新たな評価軸に、配信料への反映も
ネットトピック
2021-06-18 13:13
IBM、「Quantum Heron」プロセッサーを発表–エラー訂正に向けた開発ロードマップも
IT関連
2023-12-07 01:26
考えるだけで操作できる脳モニタリングデバイス「Cognixion One」、重度障がい者の円滑な意思疎通をアシスト
ハードウェア
2021-05-15 14:32
富士通とHexagon、デジタルツイン技術で提携–「Trusted Society」の実現へ
IT関連
2022-06-26 20:21
河川情報をケーブルテレビでリアルタイム配信–千葉で国内初の取り組み
IT関連
2024-03-14 08:00
週休3日制をテストする組織が増加–新しい働き方の可能性と課題
IT関連
2022-05-14 17:34
日本IBM、「watsonx」の最新情報を説明–ビジネスに最適なAIモデルの構築を継続
IT関連
2023-09-22 18:25
サッポロライオン、予約管理システムを導入–予約導線の最適化でコスト削減
IT関連
2023-12-27 02:58
パナソニックのカメラ撤退はあり得るか :小寺信良のIT大作戦(1/4 ページ)
トップニュース
2021-05-28 10:50
企業の未来のために考えるべき、「もう一歩先のクラウド」という視点
IT関連
2021-08-06 01:37
IBM上級幹部が語る「日本への投資を増強している理由」とは
IT関連
2023-09-30 06:22