AI・データ時代を支えるストレージやデータ保護ベンダーの展望

今回は「AI・データ時代を支えるストレージやデータ保護ベンダーの展望」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 2024年に向けたストレージやデータ保護ベンダー各社のトップメッセージを紹介する。

ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長 田中良幸氏

 昨年、創立10周年の節目に日本で独自のサステナビリティーとDXに関する調査を実施しました。調査では、「経営陣がサステナビリティーに最優先で取り組んでいると答えたのは、わずか30%」、さらに「DX推進において、サステナビリティーは最優先事項であると答えたのは、わずか37.7%」という結果が分かり、日本におけるサステナビリティーへの認識の現実を目の当たりにすることとなりました。今後、より厳しい環境規制が求められるグローバル市場での日本企業の競争力強化において、当社の活動が大きく貢献できるはずです。ピュア・ストレージが提供するサービスがDX推進、サステナビリティー、そして企業のデータマネジメント戦略を同時に加速させる具体的なソリューションであることに強い使命感をもち、本年も展開させていただきます。

 2024年の業界の傾向として、AIとサステナビリティーがテクノロジー導入の変化を促進し、さらにAIに特化したサービスを専門とするクラウドプロバイダーが登場するなど、AIがさまざまなコンピューティング、サービス、そして企業戦略を揺るがしていくと予測しています。しかし、全てのAIプロジェクトの源流、組織の資産である膨大な量のデータの管理が同時に最大の課題になってきています。データセンターは拡大を続け、電力や温暖化ガスの排出量は増加の一途をたどっています。

 気候変動への対策は待ったなしの状況です。今こそテクノロジーの力で組織のサステナビリティーを変えていく時なのです。AI活用とサステナビリティーの推進を両輪で考え、中長期にサステナビリティー戦略をデザインし、今、確実に実現できるソリューションで早期に実行していくことが肝要です。消費電力、冷却電力、廃棄物を大幅に削減するサステナブルな技術インフラを慎重に検討することが重要な一歩であり、適切なテクノロジーを導入することで、サステナブルにDXを推進することができるのです。今年はまた、サステナビリティーにおけるITの役割がより拡大する一年になると当社は考えています。

INFINIDAT JAPAN 社長 山田秀樹氏

 2023年は引き続きランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃による被害が頻繁に報告された1年だったと思います。サイバー攻撃は、受けるか受けないかではなく、「いつ受けるか」「何度受けるか」という問題になっています。自社が攻撃を受けるということを前提に置いて、適切なテクノロジーやツールを使って、いかに被害をゼロに食い止めるか、いかに素早くビジネスを復旧させるか、という視点で対策を立てることが肝要です。

 当社は昨年、サイバーストレージレジリエンスとリカバリを強化する検知機能を新たに提供開始しました。さらにハイブリッドクラウド環境の管理をより効率化するOSのアップデートなどを行ったほか、企業内データの集約性をより高めるために、さらに大容量のオールフラッシュストレージソリューションを市場投入しました。

 取り出しやすくデータを保存し、外敵の攻撃から守り、万一の際にも喪失を防ぐエンタープライズストレージは、AIをはじめとする最新テクノロジー導入のためのゆりかごと言えるかもしれません。新たなテクノロジーの導入には予算がかかることもまた事実ですが、私の経験から申しますと、ストレージというものは多くの企業で事業部がばらばらに導入していることが多く、異なるシステムをメンテナンスしていくだけでも相当のITスタッフリソースとコストがかかっていることが多いです。これの統合を図るだけでも相当の予算が浮く可能性があることを示唆して、新年のごあいさつにしたいと思います。

Wasabi Technologies Japan 取締役社長 脇本亜紀氏

 2024年は、さらなるAIの進化によって、お客さまからの期待値や企業のビジネスモデルが大きく変化を遂げていく「攻めの年」になるのではと予測しています。その過程においてキーワードになるのが「データの利用・活用」であり、その土台となるのが、データを保存するストレージの性能とセキュリティの担保、コストです。

 特に、AIはその性質上、正確なインサイトを得るために大規模なデータを必要とするため、必然的に生成・保存が必要なデータ量が増えることになります。つまり企業は、データをより効率的かつ費用対効果に優れた形でどのように活用するかという、ストレージソリューション戦略を再考する必要性に迫られます。この点で、WasabiのようにAPIの利用や下り転送に料金がかからず、ストレージ関連の費用があらかじめ予測可能であるソリューションは、戦略再考にあたって重要な価値を持つことになるでしょう。

 最終的に、データがクラウドに適切に保存されることによって、企業はAIを特定の技術ニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできるようになり、需要に応じてクラウドストレージ容量の自動調整や、さまざまな企業活動におけるAIのカスタマイズと実装を、簡素化することができるようになるでしょう。

 2024年、Wasabi Japanは「ワサビがお寿司には欠かせない薬味」であるように、Wasabiがクラウドストレージ分野における「スパイス」として必要不可欠な役割を果たすことの認知を、より一層高めていくことに取り組みます。企業・組織におけるバックアップ目的、またメディア業界でのクラウド利用は徐々に定着し始めてきています。2024年は、対象とする業種・業態をさらに広げ、パートナー企業さまと一緒になって、ユースケースの横展開と新たなユースケースの開発に取り組みます。

ヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長 古舘正清氏

 2023年は、バックアップを標的にしたランサムウェア攻撃が急増し、企業や組織でバックアップに対するランサムウェア対策の検討が加速しました。「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」が5年ぶりに改定され、サイバー攻撃からの復旧を含む事後対応の強化に関する記載が新たに加わるなど、バックアップ体制の見直しが企業の事業戦略の重要な要素になってきています。Veeamは最新のデータ保護とランサムウェアリカバリの需要拡大に応えました。

 本年注力する分野として、まずは前年に引き続き、業界別に特化したサービス提供があります。業界ごとに異なる課題やシステム事情にあわせたデータ保護のニーズにきめ細かく対応した提案を行い、お客さまのさらなる事業継続強化を実現いたします。次に、BaaSのビジネスモデルの立ち上げです。本年は、昨年発表したBaaSの新製品「Cirrus for Microsoft 365」および「Cirrus Cloud Protect for Microsoft Azure」とVeeam製品の統合を進めるほか、バックアップに関わる管理と運用を簡素化するためのより幅広い選択肢を提供していきます。

 2024年も引き続き、ランサムウェア対策におけるバックアップの見直し需要が高いと見込んでおり、Veeamが提唱するバックアップの「3-2-1-1-0ルール」の徹底を普及することが急務です。また、ITインフラ資産を自社で保有しない企業が増加することでマルチクラウド利用が拡大し、ベンダーロックインを避けたクラウド間のデータ移動性が高いデータ保護ソリューションがますます重要になると予想しています。日本の市場のニーズにきめ細かく応えながら、エンタープライズからSMBまで全ての市場のお客さまの重要なデータ資産がより一段高いレベルで保護されるようまい進していきます。

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