千曲市教委、市内13校の統合ファイルサーバーを刷新–動画・画像などの大容量データに対応
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長野県千曲市教育委員会は、市内13校の小中学校向けに進められた統合ファイルサーバーの再構築プロジェクトで「NetApp FAS2720A」を採用した。ネットワールドが8月21日に発表した。
ネットワールドは製品の提供とプロジェクトの支援を行った。システムの提案と構築は、同社パートナーのエプソン販売が担当した。新しいファイルサーバーの稼働後は、現場の教職員からも校務作業や動画データ編集がストレスなく行えると好評を得ている。FAS2720Aは容量が従来の2倍に増強されており、ファイルサーバー専用OS「ONTAP」によって移動プロファイルへのアクセスが集中する朝夕の時間帯においても、レスポンスが低下することもなく稼働している。
新しいファイルサーバー環境では、FAS2720Aを2台採用した。1台をメイン用、1台をバックアップ用とし、両筐体間で「SnapMirror」によるレプリケーションを行っている。現在、同サーバーは、教職員の校務データや児童・生徒に提示するデジタル教材、PC教室用データなどを管理しており、市内13校の小中学校に勤務する約450人の教職員と約4400人の児童・生徒が、論理的に分割された環境内でこれらのデータを日々活用している。
新環境では運用も見直し、「Snapshot」で朝夕1回ずつのタイミングでデータを取得している。90日分のデータが保持されているので、誤消去などのトラブルがあった場合も問題なく対応できる。
ONTAPには、データ重複排除・圧縮機能が標準機能として実装されている。そのため4400人の生徒が利用する教育コンテンツには、同一データ(同一ブロック=ストレージが管理するデータ単位)も多く、約30%のデータ削減が実現でき、実容量よりも多いデータを格納可能となった。
新環境を構築する以前は、千曲市教育委員会では、各学校で管理する校務データなどを市役所内に設置したファイルサーバーで集中管理していた。しかし当初のファイルサーバーは、Windowsサーバー2台とSANストレージによる冗長構成を組んでいたために管理対象が増えてしまい、運用に多くの工数を要し、バックアップに何日も掛かるなどの課題があった。
そこで、まずは2016年に「NetApp FAS2520A」を導入。しかしその後、文部科学省が主導する「GIGAスクール構想」がスタートして、動画や画像などの大容量データを取り扱う機会が急増したため、ストレージの容量がひっ迫してきた。そこで旧システムの切り替えのタイミングで、新シリーズの上位モデルであるFAS2720Aでファイルサーバーを再構築することにした。