熱帯地域のデータセンター、高度な冷却技術が課題–シンガポールで進む取り組み

今回は「熱帯地域のデータセンター、高度な冷却技術が課題–シンガポールで進む取り組み」についてご紹介します。

関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 シンガポールで熱帯気候での運用を想定したデータセンターの運用が始まり、研究者や業界関係者がエネルギー効率の高い冷却技術を開発する場となっている。

 熱帯地域に立地するデータセンターのための世界初のテストベッドをうたったこの施設は、シンガポール国立大学のケントリッジキャンパスにある。運営するのは、同大学のデザイン・エンジニアリング学部(NUS CDE)だ。同大学は、地元の南洋理工大学(NTU)と共同でこの取り組みを進めている。

 シンガポール政府の国立研究財団(NRF)が資金を提供するこのプロジェクトは、シンガポールをグリーン製品やサービスの中心地にすることを目指す国家計画「Research, Innovation and Enterprise 2025」の一翼を担っている。

 3団体は共同声明で、この本格的な規模の新しい実働データセンター施設は、研究と実用的なアプリケーションの間にある「ギャップを埋める」ことを目的としたもので、研究者や業界パートナーの力を結集し、熱帯気候向けに開発された持続可能な冷却ソリューションの普及を加速していくと述べている。

 各組織は、これらの共同での取り組みによって、熱帯地域におけるデータセンター運営の持続可能性に関する新たな標準を確立することを目指している。

 このプロジェクトは、2024年半ばまでに電力消費を最大40%、水の使用量を30~40%削減するなどの、いくつかの重要な成果を目標に掲げている。また、二酸化炭素排出量を40%削減して年間54万トン未満に抑えるとともに、空冷と液冷の仕組みを組み合わせて電力使用効率(PUE)を1.2未満に抑えることを目指すという。

 2024年第4四半期には、最適なデータセンターの設計と運用に関する推奨事項をまとめたホワイトペーパーを公表する予定だ。

 データセンターはデジタル経済に必要不可欠なインフラだが、特にシンガポールのような高温多湿の気候では、電力を大量に消費してしまう。平均では、データセンターの電力消費量の40%が冷却システムと換気システムで消費されている。

 従って、データセンターの運用コストを削減し、環境への影響を軽減するためには、効率的な冷却技術が重要な鍵になる。

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