オラクルのクラウド基盤サービスは競合を追撃できるか–日本オラクル社長に聞いてみた
今回は「オラクルのクラウド基盤サービスは競合を追撃できるか–日本オラクル社長に聞いてみた」についてご紹介します。
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Oracleが企業の基幹業務向けに広く利用されている「Oracle Database」の強みを生かし、そうしたミッションクリティカルなシステムのクラウド移行の促進に注力している。ここにきて日本でも移行の事例が増えてきているという。そんな日本オラクル社長の三澤智光氏に、国内のクラウド基盤サービス市場において「Oracle Cloud Infrastructure」(以下、OCI)は競合を追撃できるか、聞いてみた。
日本オラクルは先頃、6月から新たな会計年度に入ったのを機に、企業の基幹システムのクラウド移行をはじめとしたデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援を軸とした事業戦略について記者説明会を開いた。その内容については速報記事をご覧いただくとして、本稿では会見の質疑応答で筆者が聞いた競合の追撃についての話を取り上げたい(写真1)。
その前に、三澤氏による事業戦略の説明の中で、筆者が印象深かった話を一つだけ挙げておこう。それは、次のような発言だ。
「汎用クラウドには向き、不向きがある。他の汎用クラウドが得意としているワークロードを運送業に例えると、『赤帽』のようなサービスだ。軽トラックで小さな荷物を積んで配達する形だ。ただし、ワークロードにも規模の大小をはじめとしてさまざまな種類がある。中には大型トラックで大きな荷物を、高速道路を使って運ぶようなイメージのワークロードも少なくない。こうした荷物の運び方は、赤帽には向いていない」
その上で、こう強調した。
「OCIが他の汎用クラウドと大きく異なるのは、赤帽も大型トラックも、どちらのタイプのワークロードにも対応できることだ」
なぜ、OCIはそんな対応ができるのか。三澤氏は、図1に示すような6つの特長があるからだと説明した。ちなみに、同氏は具体名を口にしなかったが、汎用クラウドとは、「Amazon Web Services」(以下、AWS)や「Microsoft Azure」(以下、Azure)などを指す。
では、本題に入ろう。国内のクラウド基盤サービス市場において、OCIは競合となるAWSやAzureなどを追撃できるのか。
そのためには、企業の基幹システムのクラウド移行が進まないと、OCIの勢力拡大につながらない。そこで、今回の会見の質疑応答ではまず、「三澤社長は昨年秋、『5割を超える企業が5年以内に基幹システムをクラウドへ移行する』と明言したが、その見立ては今も変わらないか」と聞いてみた。
この質問は、日本オラクルが2021年11月に開いたクラウド事業に関する記者会見で、「企業の基幹システムのクラウド移行がこれから本格的に進み、5割を超える時期が来るとしたらいつ頃になると見ているか」と聞いた筆者の質問に、三澤氏が「5年以内に超える。多くの企業が次のシステム更新時期にクラウド化を検討するようになる」と答えたことについて、改めて変更がないかを確認したものだ。