IoT開発のゼロワン、クリニックや病院、介護へと適用範囲を拡大
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静岡県浜松市に本社を置くIoTスタートアップのゼロワンが、現実世界を仮想空間上に再現するデジタルツインを活用したIoTソリューションの展開を、クリニックや病院、介護、製造業へと広げている。自動車の自動運転などに使われているセンサーのLiDAR(Light Detection and Ranging)とデジタルツインの組み合わせで、人流や混雑度、移動履歴などをリアルタイムに把握する市場を狙う。
ゼロワンで代表取締役CEO(最高経営責任者)を務める内山隆史氏は、浜松市にある鉄道グループのリテール事業に勤務していた当時、グループの不動産事業を手伝うことになり、そこで賃貸ビジネスに仮想現実(VR)を使うことに関与した。その中で、「VRは部屋の内覧だけではなく、いろいろなことに使える」と思い、3次元CADソフト会社に務める知人からデジタルツイン作成ソフト会社を紹介してもらった。調べると、同ソフトとのAPI連携などで、付加価値の高いビジネスを展開できると分かり、2019年7月にデジタルツインのコンテンツ制作会社としてゼロワンをスタートさせたという。
「まずはモデルハウスなどのバーチャル見学を構築し、ご飯を食べながら、独自デバイスから出たデータを投影するものを考えた」(内山氏)。その構想からサービス提供まで2年半かけて開発したのがデジタルツインを活用したIoTソリューション「no-miz」だ。新型コロナウイルス感染症が広がる中で、no-mizは混雑などを避ける対策に使えるとし、クリニック向けに絞り込んでマーケティングを始めた。
第1号ユーザーは浜松市のクリニックになる。内山氏によると、地元新聞などに掲載されたno-mizを知った同クリニック医院長がクリニックの開設に当たり、「インパクトのあるものを導入したい」との連絡があり、室内の二酸化炭素や温度など空気環境をリアルタイムに可視化したり、患者らにクリニック内の混雑状況を可視化したりするものを提案、受注。天井に5台のLiDARセンサーを設置し、LANケーブルの施設やデータ収集の仕組み、デジタルツインの制作などに約1カ月かけて稼働させたという。こうした経験を積んだ最近は2、3週間でサービスを開始できるようになったという。
このほか大学病院や自社オフィスなどにもno-mizを設置し、センサーから得た3次元データに、どのようなデータを組み合わせたら、どのような用途に使えるか検証もしている。例えば、空気環境が悪化したら、アラームで知らせる。商業施設などの混雑状況を公開し、混雑の分散化を図る。人流データをマーケティングに活用する、などだ。