「Linux」初心者が最初に学ぶべきコマンド5選

今回は「「Linux」初心者が最初に学ぶべきコマンド5選」についてご紹介します。

関連ワード (Linuxノウハウ、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 1990年代後半に「Linux」を使い始めたときのことは、今でも覚えている。当時、コマンドラインを使用しないという選択肢はなかった。すべてのLinuxユーザーがターミナルを使用していた。

 以前は、今日ほどサポートが充実していなかったので、コマンドラインを使いこなすのは難しかった。筆者もほぼ自力で何とかするしかなかった。幸いなことに、筆者は試行錯誤を繰り返しながら、コマンドラインに習熟していった。もちろん、それだけの労力を費やしたにもかかわらず、現在では、コマンドラインを使用することが必須ではなくなったのは皮肉なことだ。

 それでも、簡単なコマンドを初めて学んだときのことは、今でも覚えている。そうした基礎があったおかげで、学習を円滑に進めて、強固な基盤を構築し、それをさらに発展させることができた。

 これらのコマンドはかなり初歩的なものだが、初心者は最初のステップとして、本記事で提案する5つのコマンドを使用するといいだろう。これらは、初心者の大きな助けになるだけでなく、最も頻繁に使用するコマンドにもなるはずだ。

 すべての初心者はこれら5つのLinuxコマンドを習得する必要がある、と筆者が考える理由を説明しよう。

 lsコマンドは、ディレクトリーの内容を一覧表示する。lsを実行すると、ディレクトリー内のすべてのフォルダーとファイルが表示される。それだけだ。ただし、lsには、いくつかの便利なオプションもある。例えば、そのディレクトリー内のファイルとフォルダーの詳細を確認したい場合は、-lオプション(lはlong listの略)を追加する。ls -lコマンド(または、llコマンド)を実行すると、それぞれのファイルおよびフォルダーのアクセス許可、所有者、グループ、サイズ、作成日時が表示される。

 -aオプション(aはallの略)も便利だ。隠しディレクトリー(.で始まるディレクトリー)がある場合、それらを確認する唯一の方法は、ls -aコマンドを実行することだ。-lオプションと-aオプションを組み合わせて、ls -laというコマンドを実行すると、ディレクトリー内のすべてのファイルとフォルダーの詳細が表示される。

 cdコマンドは、別のディレクトリーに移動する必要があるときに使用する。例えば、現在ホームディレクトリー(~/または/home/USERNAMEと表記される。USERNAMEはあなたのLinuxユーザー名)にいて、Documentsディレクトリーに移動したいとしよう。その場合は、cd Documentsコマンドを実行する。~/のDocumentsディレクトリーに移動したいが、~/以外の場所にいる、というときは、どうすればいいのだろうか。~/は/home/USERNAME/の短縮形なので、cd ~/Documentsというコマンドを実行することが可能だ。あるいは、ドライブ上のディレクトリーにいる場合は、cdコマンドを使用して、ホームディレクトリーに移動することもできる。

 削除したいファイルやフォルダーがある場合は、どうすればいいのだろうか。rmコマンドを使用するといい。例えば、/home/colette/test.txtというファイルがあり、それを削除したいとしよう。このタスクには、rm /home/colette/test.txtというコマンドを使用する。もちろん、rm ~/test.txtという短縮形のコマンドを使ってもいい。

 フォルダーを削除するのは、それよりも少し難しい。~/testフォルダーがある場合にrm ~/testコマンドを実行すると、エラーメッセージが表示される。このエラーが発生するのは、rオプション(rは再帰的を意味するrecursiveの略)を使用する必要があるからだ。このオプションは、testフォルダーの中身を削除した後、フォルダーを削除する。そのプロセスを実行するコマンドはrm -r ~/testだ。

 もう1つ小技がある。フォルダーの削除に関して特に慎重を期したい場合は、何かを削除する前に確認のメッセージを表示する対話型の方法を使用できる。その場合は、rm -ir ~/testというコマンドを使用する。

 ファイルをコピーする必要がある場合は、cpコマンドを使用する。例えば、~/test.txtというファイルがあり、そのコピーを作成したいとしよう。ファイルのコピーを作成して、同じ名前を付けることはできない(コピーを別のディレクトリーに作成する場合は除く)。コピーを別のディレクトリーに配置したい場合、コマンドはcp ~/text.txt ~/Documents/のようになる。コマンドの後半ではファイル名を指定する必要がないことに注意してほしい。ただし、コピーを同じディレクトリーに配置したい場合は、cp ~/test.txt ~/test1.txtのように新しいファイル名を指定する必要がある。cp ~/test.text ~/Documents/test1.txtのようなコマンドを使えば、別のディレクトリーにコピーを作成して、名前を変更することが可能だ。

 mvコマンド(mはmoveの略)を使えば、ファイルやフォルダーをある場所から別の場所に移動できる。~/test.txtをDocumentsディレクトリーに移動したい場合、コマンドはmv ~/test.txt ~/Documents/となる。コマンドの後半にファイル名を追加していないことに注意してほしい。この点は、cpコマンドとよく似ている。

 mvコマンドは、(コピーを作成せずに)ファイルの名前を変更したいときにも使用できる。例えば、~/test.txtの名前を~/testing.txtに変更したいとしよう。その場合、コマンドはmv ~/test.txt ~/testing.txtとなる。もちろん、mv ~/test.txt ~/Documents/testing.txtのようなコマンドを作成して、ファイルの移動と名前の変更を同時に実行することも可能だ。

 本記事では、それぞれのコマンドの基本を説明した。Linuxの初心者は、これらのコマンドさえ知っておけば十分だろう。しかし、Linuxをもっと使いこなせるようになってきたら、それらのコマンドの高度な機能を使用する必要が生じる可能性もある。そういうときに最初に参照すべきなのが、Linuxで利用可能なマニュアルページ(manページとも呼ばれる)だ。それぞれのコマンドのmanページを参照したいときは、man COMMAND(COMMANDは、参照したいコマンドの名前)を実行するといい。具体的なコマンドは、man ls、man cd、man rm、man cp、man mvとなる。それらのマニュアルページでは、各コマンドで使用できるすべてのオプションが詳しく説明されている。

 それでは、初めてのLinuxコマンドラインを楽しんでほしい。

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