イオンリテール、「AIカカク」「AIオーダー」の適用範囲を拡大–AIが割引価格など提示
今回は「イオンリテール、「AIカカク」「AIオーダー」の適用範囲を拡大–AIが割引価格など提示」についてご紹介します。
関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
イオンリテールは、日本IBMと開発したAIソリューション「AIカカク」の適用を範囲を拡大させている。日本IBMが5月7日に発表した。
AIカカクは、過去の販売データに基づきAIが適切な値引き率を提示するものになる。イオンリテールは既に実装している惣菜部門と日配品の一部に加え、5月から畜産部門と水産部門にも拡大する。また、客数と商品の需要予測を基にAIが最適な発注数を提示する「AIオーダー」の適用を6月から新たな日配品(漬物やチルド飲料、チーズ、ハムなど)およびデリカの冷惣菜やサラダへと拡大する。
AIカカク、AIオーダーの開発に当たっては、日本IBMのデータサイエンティストとコンサルタントが、AIなどを活用した予測モデルや最適化モデル、システムの構築を支援した。
イオンリテールは2021年5月にAIカカクの適用を始め、データに裏付けされた売り切り価格で販売することで、導入前と比べてロス率が1割以上低減している。また値引きや売り切り業務に関わる店舗スタッフの教育時間も低減しているという。2023年に導入されたAIオーダーでは、発注にかかる時間を半減させた。さらに入荷整理や品出し、在庫管理、値引き、発注修正など店舗商品管理における業務負荷が減少している。
AIカカクは、店内調理の惣菜で運用を始め、翌年には日配品や生鮮部門に拡大。現在は約1200品目、約380店舗で利用されている。販売実績や天候・客数などの環境条件をAIが学習し、売場の商品のバーコードを読み取り陳列数を入力するだけのシンプルなシステム設計と画面設計になっている。入力後はAIが提示した適切な割引率で携行のシール発行機から自動印刷され、該当商品にシールを添付して作業完了となり、経験にかかわらず作業を進められるとのこと。
AIオーダーは、特売や販促によって変動する「PI値(Purchase Index:来店客1000人当たりの購買指数)」を予測し、適切な発注数を算出する。2023年に日配品約1000品目を対象に、関東・北陸信越・東海・近畿・中四国の約380店舗に導入された。正確な発注数を自動で提示し発注時間を平均で5割削減している。またAIによる客数予測や過去の販売実績と合わせて、曜日・価格・気温・プロモーションなどを機械学習させることで、既存システムと比べ予測精度が最大40%改善した。気温の変化などによる突発的な品切れ削減と過剰発注を防ぐことで平均3割の在庫削減にもつながっているという。